ケルベロス・ウォー⑨〜天を覆う百竜の長
「ケルベロス・ウォーへの参戦に感謝します。リムは状況を報告します」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は現在の状況を語り始めた。
「|決戦配備《ポジション》ジャマーの建造が目標数に達したことで、|永遠回廊《グラビティ・ゲート》のひとつが破られ、十二剣神『原罪蛇メデューサ』及び『ドラゴンテイマー』との交戦が可能になりました」
原罪蛇メデューサは太古の昔、ケルベロスディバイドの人類に「知恵」を与え、いずれ自分が喰らうべく慈しみ育ててきたという十二剣神。現在は猟兵とも因縁のある謎のオブリビオン「ドラゴンテイマー」と同盟し、彼の支配下に入っているようだ。
「原罪蛇メデューサは人の抱く『おそれ』を介した超召喚能力により、|小剣《グラディウス》がなくとも配下を地球上に送り込むことが可能です。この力を借りて、ドラゴンテイマーは自身の配下である『ダイウルゴス』の大量召喚を仕掛けてきました」
決戦都市の上空を覆い尽くす無数のダイウルゴス。その姿は巨大な「鉄のドラゴン」であり、一体一体が尋常ならざる戦闘力を誇る。これらが攻撃を仕掛けてくる中で、猟兵達はダイウルゴスの主にしてメデューサの同盟者である、ドラゴンテイマーとの決戦に挑まなければならない。
「これまでにも何度か交戦経験のある猟兵もいるかもしれませんが、メデューサを支配下に置き『おそれ』による召喚能力を得たドラゴンテイマーは、これまで以上の強敵となっています」
彼がオブリビオンのいないはずのケルベロスディバイド世界にどうして現れ、何を目的に活動しているのか。その全てはいまだに謎のままだが、どうあれ地球に攻めてきている以上、間違いなく人類の敵だ。全力を以て撃破する以外の選択肢はない。
「メデューサ本人でなくても、有力な同盟者であるドラゴンテイマーの撃破は、十二剣神の地球総攻撃に大きな影響を与えるでしょう。どうか皆様の力をお貸しください」
説明を終えたリミティアは手のひらの上にグリモアを浮かべると、ドラゴンテイマーのもとに猟兵達を送り出す。
ケルベロスディバイドでも再び猟兵の前に立ちはだかった、謎多きオブリビオン。果たして彼はこの世界で何を企み、何を「持ち帰る」つもりなのか――。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
今回のシナリオは十二剣神『原罪蛇メデューサ』の同盟者、『ドラゴンテイマー』との決戦です。
このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。
プレイングボーナス……空を覆い尽くす無数のダイウルゴスに対処する/飛び交うダイウルゴスを足場にして戦う。
メデューサの「おそれ」を用いた超召喚能力によって、ドラゴンテイマーは鉄のドラゴン「ダイウルゴス」の大軍勢を地球に召喚しました。
今回は決戦都市上空を覆い尽くすダイウルゴスからの攻撃を受けながらの戦闘になります。なんとか対処法を編み出しつつ、指揮官であるドラゴンテイマーを撃破すればシナリオ成功です。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『ドラゴンテイマー』
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POW : クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【大型ダイウルゴス】に1と刻印された戦闘用【ゲームキャラクター】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : |文明侵略《フロンティア・ライン》
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
空桐・清導
POW
アドリブ・連携歓迎
「ヘッ!無数の敵が相手だって?
面白いじゃないか!このブレイザインに任せろ!」
真っ黒な空を見上げて不敵に笑う
襲い来る前にUCを発動して超極大砲撃を放つ
ソレは空全てを埋め尽くしても尚あまりある圧倒的な火焔は
ダイウルゴスの全てを呑み込み焼き払う
絶対的にな熱量は続いて生まれるダイウルゴスを封じ込め、
ドラゴンテイマーとの一騎打ちの場を整えた
ドラゴンテイマーも熱量の拘束からは逃れられない
行動が制限されているうちにケリをつける
クリムゾンキャリバーの動きに注意しつつも、
[希望の力]を拳に全集束させて全霊の力を込めて
パンチを繰り出し奴を討つ!
「超必殺!ファイナル・ブレイジング・パンチ!」
「ヘッ! 無数の敵が相手だって? 面白いじゃないか! このブレイザインに任せろ!」
真っ黒な空を見上げて不敵に笑うのは空桐・清導(ブレイザイン・f28542)。真紅の機械鎧"超鋼真紅ブレイザイン"を纏った熱血ヒーローは、デウスエクス侵攻と共に現れた謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』にも、彼が召喚した『ダイウルゴス』の大軍勢にも怯みはしない。
「流石の自信だな、六番目の猟兵よ。我々も全力で迎え撃たねばなるまい」
過去に猟兵との交戦経験があるドラゴンテイマーは、油断なく全てのダイウルゴスを差し向ける。一体一体が巨大な鉄のドラゴンが、その爪牙やブレスで一斉攻撃を行えば、その火力は他のデウスエクスの軍勢にも勝るものとなろう。
「ファイナル・ブレイジングドライブ!!」
しかし清導は彼奴らが襲い来る前に【決着変身!】を発動。規格外の潜在能力が機械鎧に作用し、カタログスペックを逸脱した驚愕の二段階変身を遂げる。胸部には極大威力の特大二連火焔砲と、超極大威力の超特大光焔砲が形成され――彼は、その砲口を上空のダイウルゴス軍団に向ける。
「この力、使いこなしてみせるぜ!!! コレこそが!! ファイナル・ブレイザインだ!!」
それは空全てを埋め尽くしてもなお余りある圧倒的な火焔。ダイウルゴスの全てを呑み込み、焼き払うどころか跡形もなく蒸発させていく。パラパラと空から舞い散る火の粉の雨は、たった一撃で敵に与えた壊滅的被害を示していた。
「大したものだ。以前にもまして力を付けている」
原罪蛇メデューサの「おそれ」による超召喚能力を得たドラゴンテイマーは、何度でもダイウルゴスを召喚できる。
だが清導が解き放った絶対的な熱量は、続いて生まれるダイウルゴスの群れを封じ込め、一定時間行動を制限する。
「これで、あとはアンタをぶっ飛ばすだけだぜ!」
ドラゴンテイマーとの一騎打ちの場を整えた清導は、燃える闘志でロケットのように全力爆走。火焔砲を放った後も【決着変身!】は解けておらず、パワー、スピード、ディフェンス、全ての要素が通常時のブレイザインより超極大強化されている。今ならばどんな敵が相手でも遅れを取りはしない。
「この焔……私の自由までをも奪うか……!」
ダイウルゴスだけでなく、ドラゴンテイマーも熱量の拘束からは逃れられない。右腕と同化した【クリムゾンキャリバー】を振るうも、その動きは本調子とは程遠いものだ。剣戟とダイウルゴスの群れによる必殺の連携戦術も、この状況では機能しない。
「行動が制限されているうちにケリをつける!」
剣の動きに注意しつつも、まっすぐに敵の懐へ飛び込んでいった清導は、握り締めた拳に希望の力を全集束。先程の光焔にも勝るほどの輝きとエネルギーが、一点に集まっているのが分かる。この一撃で決めるという、強い意志と決意が籠もった究極の必殺技。
「超必殺! ファイナル・ブレイジング・パンチ!」
全霊の力を込めて繰り出されたパンチは、超新星爆発の如き熱量と光と衝撃で、ドラゴンテイマーを殴り飛ばした。
ビシリ、と響いたのは【クリムゾンキャリバー】に亀裂が走る音か。咄嗟に武器で防いだらしいが、そんなもので受けきれる一撃ではない。
「……私の想像など、軽く越えてくるか」
まさに、最初からクライマックスと言わんばかりの大熱闘を見せたファイナル・ブレイザイン。完全に炭化している殴打痕をなぞりながら、ドラゴンテイマーは顔をしかめる。このダメージから回復するのは相当の時間を要するだろう――そして、その時間を与えてくれるほど、猟兵達は甘くない。
大成功
🔵🔵🔵
ファルコ・アロー
あの蛇女が来てんならまぁ当然っちゃ当然でしたけど、こいつも来てやがったですか!
懲りねー奴ですね、こーなりゃもっかいぶん殴ってやるですよ!
相手が空ならボクも空中戦で相手をするです!
バリアを纏ったボクは敵に接触されなければ結構丈夫です。
噛みつきとか殴りとかだけ躱せれば、後はこっちからぶつかってやるですよ!
手下どもをぶん殴ってるうちに親玉の場所も分かるでしょう。
そしたらそのままぶつかってやるです!
地面に叩き落としてやるですよ!
注意すべきは右腕ですね。
剣を食らわないか、食らったらやって来る群れから逃げるかですね。
それかダメ元で奴を巻き込んで見るかですね。
限界までやってやるですよ!
「あの蛇女が来てんならまぁ当然っちゃ当然でしたけど、こいつも来てやがったですか!」
謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』が十二剣神『原罪蛇メデューサ』と同盟しているとの情報は、以前から猟兵側も掴んでいた。デウスエクス連合軍と地球人類の一大決戦、ケルベロス・ウォーに奴が直接絡んでくるのは、予知と予測の範疇であった。
「懲りねー奴ですね、こーなりゃもっかいぶん殴ってやるですよ!」
「来るがいい。だが私とてただ殴られるつもりはない」
今回のドラゴンテイマーはメデューサの「おそれ」を借りて、かつてない規模のダイウルゴス軍団を召喚している。
空を覆い尽くす黒鉄のドラゴンの大軍勢は、生命に本能的な恐れを呼び起こすもの。されど、立ち向かうファルコ・アロー(ベィビィバード・f42991)の心に恐怖は微塵もない。
「相手が空ならボクも空中戦で相手をするです!」
ファルコは光り輝くバリアを纏い、小型戦闘機形態に変身して急上昇。空を封鎖されたクロムキャバリアにおいて、稀有なる飛行能力を持つレプリカント、それが彼女だ。故郷で能力を披露する機会は乏しかったが、|殲禍焔剣《ホーリー・グレイル》なき異世界では十全に実力を発揮できる。
「やれ」
ドラゴンテイマーの短い号令と共に、ダイウルゴス軍団が一斉攻撃を行う。しかしファルコが纏うバリアは遠隔攻撃に対してはめっぽう丈夫であり、大軍勢からブレスを浴びてもダメージは軽微だ。警戒すべきは噛みつきや引っ掻き等の近接攻撃のほう。
「シールド全開……最大戦速ぅ!」
スラスターからプラズマの光をなびかせ、ダイウルゴス軍団に【Gディフレクターアタック】を敢行するファルコ。
驚異の機動力で竜の爪牙を躱し、こちらから敵に体当たり。全周に展開したバリアはそのまま衝角の役割も果たす。
『オォォォ……!!』
ダイウルゴスの巨体に風穴が空き、戦闘機の少女が翔け抜けていく。この形態だと他の武装は使えないが、攻撃力に不足なし。立ちはだかる軍勢をことごとくブン殴りながら、彼女はこいつらの親玉――ドラゴンテイマーの姿を探す。
「見つけたですよ!」
竜達に紛れるように空に浮かぶ男を発見すると、ファルコはそのまま突撃。回避は間に合わないと悟ったドラゴンテイマーは、せめて衝撃に備えようとするが。ちゃちな防御で耐えられるほど【Gディフレクターアタック】は温くない。
「地面に叩き落としてやるですよ!」
「ぬぅ……ッ!!」
シールドバリアの輝きとプラズマスラスターの閃光が、流星のように標的に突き刺さる。さしものドラゴンテイマーも表情を歪め、墜落時の体勢を整えるので精一杯。上空のダイウルゴスから引き離してやれば、ヤツ自身に攻撃を集中できる。
(注意すべきは右腕ですね)
地に墜ちた標的に急降下追撃を仕掛けつつ、ファルコはドラゴンテイマーの【クリムゾンキャリバー】を注視する。
あの赤き剣の右腕による攻撃を受けると、即座にダイウルゴスの群れから追撃が来る。近接武器という点もバリアとの相性が悪い。
(剣を食らわないか、食らったらやって来る群れから逃げるか。それかダメ元で奴を巻き込んで見るかですね)
いずれにせよ、このタイミングで退くという選択肢はなかった。まだ親玉が健在である以上、悠長にしては立て直しの時間を与えるばかりだし、なにより性に合わない。こうなったらどこまでも翔けて、翔け続けて、ボコボコに殴り飛ばしてやろう。
「限界までやってやるですよ!」
「勇敢だな。あるいは蛮勇か」
真っ向から体当りしてくる少女を、ドラゴンテイマーは地に足つけて迎え撃つ。赤き剣の閃撃が、バリアの閃光と交わる、その刹那。ファルコは「ハイマニューバ・ユニット」の装甲に搭載した推進機を吹かし、通常の戦闘機ではあり得ない3次元機動を取る。
「背中がお留守ですよ!」
「なんとッ……がぁッ!!」
死角へと回り込んだファルコの一撃が、再びドラゴンテイマーを吹き飛ばす。まだまだ終わらせるつもりはないと、壊れんばかりに吼えるスラスター。もはや隠す気もなさそうな熱血っぷりで戦場を翔ける、彼女の動きはダイウルゴスの群れにも捉えきれなかった――。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
戦いは数だよ?
そんな言葉も聞いたことがあるけど、それは相手次第なのよね…。
ということで敵に気づかれないようなところに[迷彩]姿で[目立たない]ように隠れるところからスタート。
敵全体を把握したら弓を天に向けてユーベルコード【ヤヌスの矢】。
「降り注げ、敵に滅びを」
戦域全ての敵をターゲットに降り注ぐのは魔法の矢。[貫通攻撃]で丸ごと撃ち抜くわよ。
攻撃が終わったらすぐに攻撃位置を移動。
都市なら姿を隠す場所には困らなさそうね。
後は上空を覆いつくす敵が、矢の雨で落ちるまで続けるだけかしら。
「戦いは数だよ? そんな言葉も聞いたことがあるけど、それは相手次第なのよね……」
いかに数ばかりを揃えても、正しく運用できる指揮官がいなければ、兵力の差は必ずしも優位とはならない。また、世の中には単騎で多勢に対抗する術を身につけた者もいる。ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は間違いなく、そのような強者のひとりだ。
(ということで、始めましょうか)
彼女の戦いは、敵に気付かれない場所に隠れるところからスタートする。周囲の景色に紛れる迷彩姿で、目立たないよう息を潜め。他の猟兵達が戦っている間に、上空の『ダイウルゴス』及び『ドラゴンテイマー』の陣容を確認する。
「降り注げ、敵に滅びを」
敵全体を把握したら「射貫き打ち抜く鋒矢」を天に向けて【ヤヌスの矢】を発動。呪を刻まれた合成弓より放たれた矢が、蒼穹の彼方まで飛んでいき――直後、数え切れないほどの無数の矢が、戦域全てのターゲットへと降り注いだ。
「奇襲か……!」
『グ、オォォ?!』
ただの矢ではなく魔法の矢だ。黒鉄の塊であるダイウルゴスの身体をも貫通し、ダメージを与えられるほどの威力。
そんなものが何百何千も降ってくれば無事では済むまい。咄嗟にドラゴンテイマーをかばった数体の黒竜が、穴だらけになって墜落していく。
(まずは挨拶代わりとしては上々ね)
攻撃が終わったら、ヴィオレッタはすぐに移動を開始。敵に姿を晒すつもりは毛頭なく、このまま密かに攻撃を継続するつもりだ。隠身と静音の呪符が縫いこまれたベレー帽「惑わし鎮めるモノ」が、彼女の隠密行動を助けてくれる。
(都市なら姿を隠す場所には困らなさそうね)
潜伏に適した所を見つけると、さっと身を潜めて「射貫き打ち抜く鋒矢」を構え直し、再び【ヤヌスの矢】を発射。
撃ち出すポイントがどこであろうと、戦場にいる限り敵に逃げ場はない。「空を覆い尽くすほど」の頭数と巨体は、言い換えれば回避の余地もないということだ。
「後は上空を覆いつくす敵が、矢の雨で落ちるまで続けるだけかしら」
あるいは敵が全滅する前にこちらが発見される可能性もあるが、そのような隙を晒さないようヴィオレッタは細心の注意を払っている。都市部でのゲリラ戦にも心得があるのか、巧みに上空から死角となるようなポイントに身を隠し、そのうえで攻撃の手を緩めない。
「……厄介だな、これは」
一撃で勝敗を決めるような攻撃ではないが、止まない矢の雨は着実にダイウルゴス軍団の戦力を削っていく。これに危機感を覚えたドラゴンテイマーも、何体かの【ギガンティックダイウルゴス】を索敵に差し向けるか、いまだ有益な結果は得られていない。彼らにとっての空模様は、最悪の悪天候となりつつあった――。
大成功
🔵🔵🔵
マレア・ソレッタ
流石にこれを全部狩るのは無理がありそうだね…
でも、狙うべき敵が決まってるなら!
Como el vientoで【風を操る】ことで風の波を捉え【空中機動】、ダイウルゴスの群れへ突入。
突入後はダイウルゴスの一体の背中へ着地。
敵の攻撃は激しいけど、数が多いならやりようはある。
すごい釣り竿の釣り針を手近な敵に引っかけたり足場にしてるダイウルゴスの影に隠れたりして【敵を盾にする】ことで凌ぐよ。
釣り竿は針を敵に引っかけ【ロープワーク】の要領で別のダイウルゴスへ乗り移るのにも利用。
ドラゴンテイマーを見つけたら、一気に突撃…と見せかけて繰り出された剣をマチェットで【受け流し】、生じた隙に銛で海神殺しを叩き込む!
「流石にこれを全部狩るのは無理がありそうだね……」
空を埋め尽くす黒竜の大軍勢を見上げ、そう呟いたのはマレア・ソレッタ(風と海と太陽の子・f26497)。今もなお「おそれ」を介して『ダイウルゴス』は地球に召喚され続けており、「おそれ」の元を絶ちでもしない限り、全滅させるのは不可能だろう。
「でも、狙うべき敵が決まってるなら!」
ダイウルゴスの主である謎のオブリビオン『ドラゴンテイマー』。彼ひとりを撃破できればこの戦場は決着がつく。
マレアはサーフボード型メガリス「Como el viento」で風の波を捉え、空中をサーフィンするような機動でダイウルゴスの群れに突入した。
「蹂躙せよ」
こちらに向かってくる猟兵を捕捉すれば、ドラゴンテイマーは配下に号令を発する。全てのダイウルゴスはその一言でひとつの生命のように動き、黒鉄の爪牙やブレスで一斉攻撃を仕掛けてきた。その激しさたるや天災の如しである。
「けど、数が多いならやりようはある」
群れに突入したマレアはダイウルゴスの一体の背中へ着地し、持ってきた「すごい釣り竿」の釣り針を別のダイウルゴスに引っ掛け、引き寄せる。でっかい鋼鉄製のドラゴンは盾としても理想的。圧倒的な数の差を逆手に取る作戦だ。
『ゴォォォ!』『ガァァァ!』
無数にいる味方の中から、たった1人の敵を狙うのは逆に難しいだろう。ダイウルゴス達は同士討ちを厭わないが、それも結果的に被害を拡大させる要因となった。互いを傷つけ合うドラゴンの群れの中を、マレアは巧みに逃げ回る。
「あなたたちの相手をしてる余裕はないからね!」
足場にしているダイウルゴスの影に隠れつつ、釣り竿は別のダイウルゴスに乗り移るためのロープ代わりにも活用。
風と海と太陽の下で育った彼女にとっては、この乱戦も悪天候のようなものだろうか。黒い荒波を乗り越えて、群れを統率するボスを探す。
「見つけた!」
「見つかったか」
目標を発見したマレアが突撃するのと、ドラゴンテイマーが【クリムゾンキャリバー】を発動するのは同時だった。
右腕と同化した赤い剣が、ドラゴンの爪にも勝る鋭さで敵を斬り裂く――かに思われた刹那、「革命のマチェット」が斬撃を受け流す。
「なっ……」
「ここだ!」
一気に突っ込むように見せかけたのはブラフ。攻撃を捌かれた直後に生じる一瞬の隙を狙って、マレアは愛用の銛で【海神殺し】を叩き込む。突き立てられた銛の先端は無数の針に変形し、対象の体内に深々と食い込み――生じる激痛にドラゴンテイマーは「がッ!?!」と苦悶の声を上げた。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
ダイウルゴスさん達を吹き飛ばしまくる藍ちゃんくんなのでっす!
テイマーのおじ様への花道をお作りくださいなのでっすよー!
吹き飛ばして射程外に追いやったり、他のダイウルゴスさんやおじ様にぶつけたり、他のダイウルゴスさんの攻撃の盾にしたりしつつも!
時にはおじ様に向かって吹き飛ばんとしているダイウルゴスさんに、藍ちゃんくん、飛び乗るのでっす!
まるでサーフィンのように!
文字通りのオンステージ!
ダイウルゴステージなのでっす!
少しはテイマーさんも驚くでっしょうかー!
剣で迎撃しようとするでしょうが!
届かせはしないのでっしてー!
おじ様にも歌いまくって延々剣を当てさせないのでっす!
「藍ちゃんくんでっすよー!」
ドラゴンの咆哮にも負けない音量で、戦場いっぱいに声を響かせる紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)。晴れやかな笑顔で挨拶やパフォーマンスを披露するたびに、上空にいる『ダイウルゴス』達が吹き飛んでいく。
「騒々しいな。だが侮れんか」
群れの中心にいる『ドラゴンテイマー』は、この現象がユーベルコードによるものだと理解していた。パッションとライブの熱狂を力に変える【藍ちゃんくんパッショネイトステージ!】は、当てられた敵をお空の彼方まで吹き飛ばすのだ。
「テイマーのおじ様への花道をお作りくださいなのでっすよー!」
戦場を己のライブステージにして、歌い、踊り、叫ぶ藍。ダイウルゴスの軍勢が襲いかかってきても、吹き飛ばして射程外に追いやったり、他のダイウルゴスにぶつけたり攻撃の盾にしたりして、あくまでパフォーマンスを継続する。
「むう……」
吹き飛んできたダイウルゴスを避けつつ、ドラゴンテイマーが唸る。この様子では自分が【クリムゾンキャリバー】で斬り掛かっても、同様に追い返されるだけだろう。逆に向こうも此処まで到達するのは簡単ではないはずだが――。
「藍ちゃんくんでっすよー!!!」
ひときわ大きな声でポーズを決め、ダイウルゴス軍団を吹き飛ばす藍。そのうちの一頭がドラゴンテイマーのほうに向かって飛んでいくのを見ると、彼はその尻尾を掴んで飛び乗った。まるでサーフィンのように、敵を足場にして移動手段とする作戦。
「文字通りのオンステージ! ダイウルゴステージなのでっす!」
「なっ……!」
この奇抜な戦法には、流石のドラゴンテイマーも少しは驚いたようだ。高速で吹き飛ばされたダイウルゴスの巨体は止めようがなく、もし他のダイウルゴスが進路に割り込んできても、やはり藍のパッションに吹き飛ばされるだけだ。
「案外器用な真似をするものだな!」
こうなってはドラゴンテイマーも迎撃するしかない。右腕と同化した【クリムゾンキャリバー】の一閃は、命中すればダイウルゴスの群れによる追撃を誘発する強力なユーベルコードだが――問題は「命中すれば」という部分である。
「届かせはしないのでっしてー!」
藍の戦法はこれまで通り、歌いまくって吹き飛ばしまくって、延々剣を当てさせない。音楽やパフォーマンスの形式を取る都合、彼の「攻撃」を回避するのは困難だ。溢れんばかりのパッションの旋風が、戦場に不可侵の領域を作り上げている。
「ドラゴンテイマーのおじ様も、ご一緒に! 藍ちゃんくんでっすよー!!!」
「ぐぅっ……!」
藍のコーレスに応じるような余裕は、今のドラゴンテイマーにはなかった。吹き飛ばしの衝撃と心揺さぶる音楽は、目に見えないダメージを徐々に蓄積させている。このままでは不味いと、彼の表情からは余裕が消え始めていた――。
大成功
🔵🔵🔵
フェトナ・ミルドアレア
力押し出来ないこんな状況こそ僕達忍者の出番ですっ
まずは『イリュージョンオーラ』の幻惑と『私服風忍装束』の迷彩機能を使った隠密状態で、ケルベロス大砲を使った長距離飛翔で一気に近づきますっ
敵の群れに辿り着いたら、その敵の背中等を足場にして敵の上を駆け巡りますよ~!
ここまでくると流石に気づかれてしまうので【しなやか幻術】を使って敵の感覚を翻弄して振り落とされにくくしたり同士討ちを狙ったりしますよっ
ダイウルゴスを混乱させつつも敵の湧き方や指揮された動きなどから召喚者の位置を探りますよ~!
ドラゴンテイマーを見つけたら忍者特有の早業で一気に距離を詰めて得意の体術を叩き込みますっ
共闘・アドリブも大丈夫ですっ
「力押し出来ないこんな状況こそ僕達忍者の出番ですっ」
幾千幾万ものドラゴンの大軍勢を全滅させるのは、いくら猟兵でも困難を極めるだろう。しかし『ダイウルゴス』を召喚するオブリビオン『ドラゴンテイマー』さえ倒せばいいと言うなら、フェトナ・ミルドアレア(しなやか忍者・f40966)には名案があった。
「まずはこれを使いますっ」
彼は「イリュージョンオーラ」の幻惑と「私服風忍装束」の迷彩機能で隠密状態になると、長距離飛翔用のケルベロス大砲に乗り込む。人間大砲の要領で目的地まで射出するという、ケルベロスでなければ無茶な移動手段だが、緊急時には有用だ。
「今の音はなんだ?」
大砲の砲声はドラゴンテイマーにも聞こえるが、撃ち出された者の姿は見えない。砲弾となってダイウルゴスの群れに辿り着いたフェトナは、音もなく敵の背中に着地し、そこを足場にして走りだす。ここからは自分の足で敵の大将を見つけなければ。
『グゥゥ……?』
いくら隠密行動しても、ここまでくると流石に気付かれてしまうか。背中に重さを感じたダイウルゴスは身体を揺さぶって違和感の元を振り落とそうとする。ここで落とされるわけにはいかないフェトナも、忍法と体術を駆使して抵抗する。
「現よりも生々しい幻を感じてみますか~?」
フェトナの金瞳から放たれる【しなやか幻術】は、周囲にいる敵の五感を狂わせる。本来とは違う場所に気配や足音を感じさせたり、ダイウルゴスの背に乗る自分の幻を別のダイウルゴスに見せたり。自分の所在を分からなくした上で同士討ちを狙う作戦だ。
『オォォォ!』『ガガァッ!』
「……いかんな」
明らかに翻弄されているダイウルゴス達を見て、混乱を鎮めるためにドラゴンテイマーが動く。だが、それは結果的に彼の所在をフェトナに伝えることになった。指揮統率された群れの動き等から逆算すれば、指揮官の位置は分かる。
「見つけましたよっ」
ドラゴンテイマーを発見すれば、フェトナは忍者特有の早業でダイウルゴス軍団の中を駆け上がり。背中から背中に飛び移って一気に距離を詰めると、得意の体術を叩き込んだ。小柄な体型を活かしたしなやかな身のこなしから繰り出される打撃は、見た目よりもずっと強烈だ。
「がは……ッ!!」
掌底を打ち込まれたドラゴンテイマーの身体がくの字に曲がり、バランスを崩して墜落していく。指揮官が手負いとなったことで、いまだ幻術の影響下にあるダイウルゴスの混乱はますます激しくなり。混沌が深まっていく戦場から、忍者は再び姿を消した――。
大成功
🔵🔵🔵
凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と
空を覆いつくす鉄の竜
普通なら躊躇うような場面だろうが
俺達の狙いは更に先だからな
「全部堕として進むぞ!」
この戦いに勝つ為に
この数の暴力を打ち破る為に
二人で詠唱を
俺達は世界を護り全ての人々を護る!
一息に跳躍し竜の背に飛び乗る
一緒に飛び乗る相棒に
安心と信頼の笑みを向けてから
更に先を目指す
足場にした竜には
関節部分へ銃口をねじ込んで撃ちこみ
短刀で致命傷を与えてから移動だ
もし落ちそうになっても
相棒と互いに手を掴んで進む
跳躍を繰り返し、漸く本丸だ
どんな抵抗がこようと
このまま決めさせてもらう
「この程度!」
相棒と同時に敵の目の前へ
そのまま、二人で全力の一撃を
「お前は此処で終わりだ!」
葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と
鉄竜が湧き出す蝙蝠の群れみたく舞ってる
軋る鉄の羽音が耳障りだ
「こんなのに蹂躙させてたまるか!」
絶対に倒す!
これ程の暴威に抗うには強く在らなければ
陸井が羽織を翻したのを合図に
護の誓いを詠唱
俺達は護るべきを護り力無き者の盾となる!
丁度来た竜に陸井が跳躍し飛び乗る
即時俺も追随した
テイマーは遠い
「こいつらの翼も借りて往こう!」
真上から来るのは叩き落とし
顎に錫杖を突き刺し
落ちかける体をお互いに繋ぎ止め
跳躍を繰り返し彼奴に肉薄を!
慌てふためいて次々差し向けて来るけど
「今更!」
数が多すぎるから逆に一切足場に困らない
過たず二人で目の前に飛び降りて
「諦めろ!」
同時に得物で貫いてやる!
「普通なら躊躇うような場面だろうが、俺達の狙いは更に先だからな」
鉄の竜が蝙蝠の群れのように舞い、空を覆い尽くすさまを見上げても、凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)は動じなかった。自分達の目的は『ダイウルゴス』殲滅ではなく、これを召喚した『ドラゴンテイマー』の撃破、ひいては十二剣神『原罪蛇メデューサ』の目論見を挫くことだ。
「こんなのに蹂躙させてたまるか!」
軋る鉄の羽音が耳障りだと、顔をしかめながら葛城・時人(光望護花・f35294)も叫ぶ。「おそれ」による超召喚能力を阻止しなければ、ダイウルゴスの軍勢は無限に増え続け、地球上の全人類を殺し尽くすだろう。オブリビオンにせよデウスエクスにせよ、奴らは生命の敵なのだから。
「絶対に倒す!」
「全部堕として進むぞ!」
これ程の暴威に抗うには、此方も強く在らなければならない。この戦いに勝つ為に、この数の暴力を打ち破る為に。
陸井が羽織を翻したのを合図に、二人は【護の誓い】を詠唱する。学生時代から彼らを支え続けた、鉄の誓いにして不変の信念を。
「俺達は世界を護り全ての人々を護る!」
「俺達は護るべきを護り力無き者の盾となる!」
旅団の団是と「護」の一文字にかけて、高らかに謳い上げた誓いの言葉が、彼らを真の姿に変える。溢れんばかりの気迫と霊力、唸る回転動力炉。全ての生命を護るために戦い、動乱の時代を駆けた、銀誓館学園の英雄がそこにいた。
「行くぞ」
そう言って陸井は一息に跳躍し、丁度近くに来たダイウルゴスの背に飛び乗る。ドラゴンテイマーまでの道は遠く、普通に進んでもたどり着けまい。となれば何を足場とするかは明白――即座に時人も追随し、彼と同じダイウルゴスに乗った。
「こいつらの翼も借りて往こう!」
「ああ」
相棒に安心と信頼の笑みを向けてから、陸井はダイウルゴスの関節部分に短刀銃「護身」の銃口をねじ込む。体内に直接弾丸を撃ち込み、短刀で抉ってやれば、鉄の竜とて無事では済むまい。『グオァァ!?』という断末魔の叫びが、戦場に響き渡った。
『オォォォォ!!』
「五月蝿い!」
一頭に致命傷を与えても、ダイウルゴスの大軍勢は次々と攻め寄せてくる。真上から来る者に対しては、時人が「記憶の錫杖」で迎撃。能力者時代から鍛え上げた杖術で敵を叩き落とすと、脆そうな顎を狙って鋭利な先端を突き刺す。
『ゴ、ガッ……!』
「陸井!」「時人!」
ぐらりと揺れる足場で、お互いの手を掴んで繋ぎ止め、次の足場に飛び移る。これを繰り返して彼らは先を目指す。
その道中で彼らが屠ったダイウルゴスは何十体になるだろうか。墜ちた竜の屍が地に山の如く積み重なる頃、敵軍の中央に男の姿が見えてくる。
「来たか……」
真っ向から軍勢を突破された事にもはや驚きは少ないだろうが、窮地には変わりない。ドラゴンテイマーは低い声で唸るように呟きながら、右腕の【クリムゾンキャリバー】を構えた。漸く本丸に辿り着いた陸井と時人も、ここからが本番だと武器を構え直す。
「どんな抵抗がこようと、このまま決めさせてもらう」
「覚悟はできてるか? 報いを受ける時間だ」
ダイウルゴスの大量召喚によって多くの人々の生命を危機に晒した、ドラゴンテイマーに対する2人の怒りは深い。
両名共「絶対に全員を護る」という誓いを立てているからこそ、この男は必ずここで仕留めなければならない敵だ。
「ふむ。もう決着はついた気か?」
対するドラゴンテイマーの言動は平然としたものだが、内面の焦りが微かに滲んでいる。戦況を覆さんと剣を振るえば、付近にいたダイウルゴスの群れが殺到して猟兵に襲い掛かるが――2人からすればここまで何度も相手をしてきた連中だ。
「この程度!」
「今更!」
剣戟を躱しさえすれば黒竜の攻撃は気にしなくていい。目標をドラゴンテイマー1人に絞った陸井と時人は、竜の背を縦横無尽に駆け巡って距離を詰めていく。敵の数が多すぎるせいで逆に一切足場に困らないのは、彼らにとって好都合だった。
「まだ、まだだ……!」
なおもドラゴンテイマーはダイウルゴスの群れを差し向けるが、牙も爪も尻尾もブレスも獲物を捉えることはない。
黒鉄の巨躯を踏みしめて、軽やかに跳躍を繰り返す2人。距離感を過つことなく、ついに彼らはドラゴンテイマーの目の前に飛び降りる。
「諦めろ!」
「お前は此処で終わりだ!」
そのまま2人で全力の一撃を。気魄を込めた一喝と共に、錫杖と短刀銃が敵の胸を貫く。月光の如き輝きと戦文字を刻んだ銃弾が、その傷をより深く抉った。振り上げられた【クリムゾンキャリバー】が、がくりと力なく垂れ下がる。
「まさか……六番目の猟兵が、ここまで力を付けているとはな……」
猟兵と能力者――それに何よりも【護の誓い】を立てた2人の実力を侮ったことが、この結果を生んだ。護るべきものを持たないオブリビオンには永遠に理解できないだろう、掛け替えのない相棒に支えられた「心」と「絆」の強さ。いつだって彼らはその力で、数多の強敵に打ち勝ってきたのだ。
大成功
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月隠・新月
奴がメデューサを支配下に置いている以上、此度の戦いに現れるのも必然ですか。まあ、相手がデウスエクスでもオブリビオンでも地球を害する者とは戦うのみです。
【霧重無貌】で姿を隠しつつ戦いましょう。
この無数のダイウルゴス……奴を倒さない限り、埒があきそうにありません。ダイウルゴスを足場にしつつ、ドラゴンテイマーに近づいて爪で一撃入れたいですね(【引き裂き】)
姿を隠していても、さすがに足場にすれば存在には気づかれるでしょう。的を絞らせないよう止まらず動き回りましょう。
特に、ドラゴンテイマーの赤い剣の攻撃を受けるわけにはいきません。念を入れて魔力の放出も最小に抑えて気配を消しておきましょう(【魔力制御】)
「奴がメデューサを支配下に置いている以上、此度の戦いに現れるのも必然ですか」
異世界から現れたオブリビオンに十二剣神が支配されるというイレギュラーな事態。それを引き起こした『ドラゴンテイマー』の目的は依然不明だが、地球とデウスエクスの命運を賭けた一大決戦において、何らかの目論見がある事は間違いない。
「まあ、相手がデウスエクスでもオブリビオンでも地球を害する者とは戦うのみです」
月隠・新月(獣の盟約・f41111)からすれば、敵がどんな陰謀を巡らせようが関係ない。おめおめと地獄の番犬の前に立って、無事に帰れるとは思わぬことだ――漲る殺気を身の内に潜め、彼女は【霧重無貌】でひっそりと姿を消す。
「覆い、重ね、隠す。帳、暴くこと勿れ」
朧の魔力で自身と武装を覆った新月は、視聴嗅覚での発見が不可能になる。上空を覆い尽くす黒竜『ダイウルゴス』の軍勢も、それを率いるドラゴンテイマーも、これほど近くまで迫られながら、誰も彼女の存在を認識できていない。
(この無数のダイウルゴス……奴を倒さない限り、埒があきそうにありません)
狩るべき標的を1人に絞ると、手近な位置にいるダイウルゴスに狙い定めて、跳躍。音もなく背中に着地すると、俊敏な疾走でドラゴンテイマーの元に向かう。翼を持たない彼女からすれば、空中に用意されたこれだけの数の「足場」を利用しない手はない。
『グゥゥゥ……!』
姿を隠していても、流石に足場にすれば触覚で存在には気付かれる。違和感を覚えたダイウルゴスは身体を揺さぶるが、新月は振り落とされる前に別のダイウルゴスに飛び移る。ここで足を止めればいい的だ、狙いを絞らせないように動き回らなければ。
(特に、ドラゴンテイマーの赤い剣の攻撃を受けるわけにはいきません)
当たればダイウルゴスの追撃が確定する【クリムゾンキャリバー】を特に警戒し、念を入れて魔力の放出も最小限に抑えておく。白銀の闘気を体内に秘め、隠密に徹する新月の気配を捉えることは、どんなデウスエクスやオブリビオンにも難しい。
「どこだ……どこにいる……?」
ドラゴンテイマーも「敵が近付いてきている」事は朧げに察していたが、いくら注視しても感覚を研ぎ澄ませても、その所在は一向に掴めなかった。右手の赤剣を構えたまま、視線を右に左に彷徨わせているうちに、漆黒の猟犬はもう背後にいる。
「どこを見ている」
「がッ……!」
朧の魔力を込めた「オルトロスクロー」が、ドラゴンテイマーの右肩を深々と引き裂き、生命力を奪い取る。だらりと力なく垂れ下がった右腕から、ぽたぽたと血が滴り落ちる。たまらず膝を折った敵を冷ややかに見下ろして、新月は再び完全に気配を消した――。
大成功
🔵🔵🔵
ユーフィ・バウム
六年前の貴方との闘いは敗北の思い出
去年この世界で交戦した時雪辱を果たしましたが
忘れがたい強敵なことに変わりはなく
全力で打倒すのみですっ!
ディアボロスエンジンを全開に空中を舞い
天を覆うダイウルゴスには
自慢のオーラ防御を衝撃波としてなぎ払い、
一時的に竜達の動きを制したところで
ジャンプで彼らの背を足場にし、
野生の勘を全開にドラゴンテイマーの元へ
さぁ消耗を覚悟の上で功夫を生かした肉弾戦ですっ
力溜めた拳と蹴りを見舞い、相手の攻撃に悲鳴をあげても
限界突破で立ち、見舞うは全てを込めた
《トランス・コンビネーション》
拳技で肉体を撃ち抜き、必殺の投げで地面に叩き込み、
オーラ全開のヒップドロップで仕留めてみせます!
「六年前の貴方との闘いは敗北の思い出」
ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)と『ドラゴンテイマー』の因縁は、キマイラフューチャーでの戦争まで遡る。当時の全力をもってしても打ち破れなかった高き壁――さらに昨年もこの世界で交戦した時は雪辱を果たしたが、忘れがたい強敵なことに変わりはない。
「全力で打倒すのみですっ!」
「受けて立とう。私も全力だ」
6年の時を経てユーフィが成長したように、ドラゴンテイマーも「おそれ」を介したダイウルゴス召喚という新たな能力を得た。戦場上空を覆い尽くす巨大な黒鉄竜の大軍勢、その中央にて彼は赤き剣を携え、挑戦者たる猟兵を待つ。
「参りますっ」
「征け」『オォォォ……!!』
愛剣に組み込んだ「ディアボロスエンジン」を全開にして、その出力で空中を舞うユーフィ。天を覆うダイウルゴスの軍勢は、爪牙とブレスをもって行く手を阻まんとするが。抗魔の衣の上からオーラの鎧を纏った彼女の防御は、簡単には砕けない。
「はあっ!!」
『グォォッ!?』
さらにユーフィは自慢のオーラを衝撃波として解き放ち、周囲のダイウルゴス達をなぎ払い。一時的に敵軍の動きを制したところでジャンプすると、彼らの背中を足場にしてドラゴンテイマーの元へ一目散に駆ける。敵の数は無数にいるが、殴り倒すべき相手は1人だ。
『ガァァァッ!』『グオォォッ!!』
ダイウルゴスの軍勢は野獣のような咆哮を上げて襲い掛かるが、野生の勘を全開にしたユーフィはその全てを防ぎ、躱し、飛び移る。かつての自分であればドラゴンテイマーに辿り着く前に脱落していたか、少なくとも無傷では済まなかっただろう。この6年間で体術のレベルも劇的に成長した。
「さぁ勝負ですっ」
「やはり来たか」
そうして再び因縁ある旧敵の前に立ったユーフィは、功夫を活かした肉弾戦を挑む。ここからは消耗も覚悟の上だ。
力を溜めた拳と蹴りを見舞う彼女に対して、ドラゴンテイマーも【クリムゾンキャリバー】で応戦。赤い剣の斬撃に呼応して、ダイウルゴスの群れが追撃を放つ。
「くは……っ、まだ……まだです!」
竜使いと黒竜の猛攻に晒され、ユーフィの身体は悲鳴を上げる。全身を激痛が苛むが、瞳はまだ闘志を宿している。
6年前の戦いではこのユーベルコードに敗れ、敵に見舞えたのは一撃のみ。しかし現在のユーフィは、そんな過去の自分の限界など突破していく。
「今こそ仕留めます。トランスバスター!」
「ぬうッ……?!」
見舞うは全てを込めた【トランス・コンビネーション】。鍛え上げた拳技でドラゴンテイマーの肉体を撃ち抜くと、そのままホールドして上空高く舞い上がる。ダイウルゴスからの背中からも墜ち、「ドライバーッ!」の叫びとともに必殺の投げ技を叩き込む。
「がはッ!!!」
地面にダウンさせられたドラゴンテイマーが、衝撃とダメージで息を吐く。そこに遅れて落ちてくるのはユーフィ。
コンビネーションのラストを締めくくるのは、もっとも単純で強烈な技。オーラ全開のヒップドロップが、竜使いに叩きつけられる。
「クラッシュですっ!」
「―――!!!!」
その衝撃は隕石落下の如し。陥没する大地に埋め込まれたドラゴンテイマーは、言葉にならない絶叫を上げた――。
大成功
🔵🔵🔵
レヴィア・イエローローズ
『対UDC怪物・邪神用戦闘特殊兵装』と『対災魔・蒸気獣用特殊魔導蒸気エンジン』を組み合わせた独自の『対アーカイブ用世界法則融合戦闘機械剣』を具現化
ギガンティックダイウルゴスがどれだけ強力でも、大元の『ドラゴンテイマー』が『アーカイブ』であることには変わりない
勿論『アーカイブの手法を真似ている別勢力』の可能性はあるけれど『アーカイブの手法を真似ている』という時点で、この機械剣の特攻は刺さるわ
無数のダイウルゴスを『対アーカイブ用世界法則融合戦闘機械剣』で殲滅し、その残骸を足場にして『ドラゴンテイマー』に肉薄
これで終わりよ――クロックワーク・ヴィクトリアに組する者には死を与えるわ
「我が黄色に応じて開花せよ、羨望の深淵。それは永遠を嘯く簒奪者を屠る融合を示す機会の剣。振るわれた後に残るは邪神と災魔の骸なり」
黒竜『ダイウルゴス』の大軍勢を率いて現れた『ドラゴンテイマー』に対し、レヴィア・イエローローズ(亡国の黄薔薇姫・f39891)が切り札として発動したのは【黄薔薇開花・簒奪者殺しの融合機剣】。独自の『対アーカイブ用世界法則融合戦闘機械剣』を具現化するユーベルコードである。
「ほう。貴様の剣、奇妙な力の融合を感じるな」
『対UDC怪物・邪神用戦闘特殊兵装』と『対災魔・蒸気獣用特殊魔導蒸気エンジン』を組み合わせた彼女の剣を見て、ドラゴンテイマーも【ギガンティックダイウルゴス】を召喚。空を覆う無数のダイウルゴスよりも、さらに大型の個体群が出現する。
(ギガンティックダイウルゴスがどれだけ強力でも、大元の『ドラゴンテイマー』が『アーカイブ』であることには変わりない)
様々な世界から技術や能力を『持ち帰る』事を目的としたオブリビオン勢力にして、ニ番目の猟兵『アーカイブ』。
レヴィアはドラゴンテイマーがその一員ではないかと考えている。彼と猟兵達が遭遇したのはアーカイブについて知るずっと前だが、現状把握している情報からして疑惑は濃厚である。
「勿論『アーカイブの手法を真似ている別勢力』の可能性はあるけれど『アーカイブの手法を真似ている』という時点で、この機械剣の特攻は刺さるわ」
異形と蒸気機関が融合した剣をひと振りすれば、上空のダイウルゴス数体が一撃で殲滅される。レヴィアはその残骸を足場にして空を駆け、ドラゴンテイマーに迫る。その表情に映るのは意気込みや闘志よりも、勝利への確信だった。
「征け」
『オォォォォォーーーー!!!』
ドラゴンテイマーの号令で【ギガンティックダイウルゴス】は合体し、より巨大に、強大に変形して敵を迎撃する。
まともに戦えば今のレヴィアでも苦戦する相手だろう。しかし時として、絶対的な「相性差」は実力の差を上回る。
「どきなさい」
『ガァアッッ!?!』
対アーカイブ戦のみに特化して作成された彼女のユーベルコードは、超巨大ダイウルゴスさえも容易く斬り伏せる。
絶叫する鉄の塊を踏みしめ、ついにドラゴンテイマーと肉薄したレヴィアは、もう一度その機械剣を振り下ろした。
「これで終わりよ――クロックワーク・ヴィクトリアに組する者には死を与えるわ」
「ッ……!!」
同様にアーカイブとの関連性が疑われるオブリビオン勢力のひとつ、レヴィアの祖国を滅ぼした「クロックワーク・ヴィクトリア」。王国復興の大義を掲げて戦う彼女にとって、かの超大国とアーカイブに与する者は全て敵であった。
静かなる怒りに燃える刃が、ドラゴンテイマーを斬り裂く。まるで猛毒でも投与されたかのように、彼の表情は大きく歪んだ――。
大成功
🔵🔵🔵
フェル・オオヤマ
・心境及び戦闘
上空を無数のドラゴンが飛んでいる…のなら!
[紅炎の剣]とマインドリングを装備して出撃
[我竜・竜覇火焔翔]を発動!全身をドラゴン型の地獄の炎を纏いながらドラゴンテイマー目掛けて一直線に飛翔…と見せかけて
ダイウルゴスを踏み台にしてダイウルゴス同士での同士討ちを誘い、ダイウルゴスの攻撃頻度を削りながらドラゴンテイマーに向かい攻撃を仕掛けていきます
何が目的かは知らないけど…散々好き勝手したお前を…ここで撃ち倒すッ!
【一刀両断/身かわし/焼却/闘争心/空中機動/空中戦】の技能を使用
他キャラとの連携・アドリブ歓迎
「上空を無数のドラゴンが飛んでいる……のなら!」
頭上を覆い尽くす『ダイウルゴス』の大軍勢を見上げながら、フェル・オオヤマ(氷焔操る紅の竜姫士・f40802)は【我竜・竜覇火焔翔】を発動。己の意志と感情を糧としてドラゴン型の地獄の炎を全身に纏い、飛翔能力を獲得する。
「我が|地獄《ほのお》よ! 竜と成して飛翔せよ!」
右手に「紅炎の剣」を携え、マインドリング「無限ノ幻想」を装着して、いざ出撃。本物のドラゴンさながらの気迫と勇姿にて『ドラゴンテイマー』めがけて一直線に飛翔する。敵の大将を狙うのは戦の定石だが、道中には当然障害が立ち塞がるだろう。
「強行突破するつもりか?」
向かってくる炎竜にドラゴンテイマーが剣を突きつければ、ダイウルゴス軍団が殺到する。原罪蛇メデューサから得た「おそれ」を介した超召喚能力により、敵の数は無尽蔵。単騎で突っ込むなど本来ならば無謀の極みだろうが――。
「舐めないでッ!」
一直線に向かうと見せかけて、フェルは接敵直前に急制動。見事な機動で追突を回避すると、そのままダイウルゴスの背中に乗った。空中での踏み台にしてさらなる加速を得るとともに、反動で他の敵のいる方に蹴り飛ばす。これだけ数が多ければ、同士討ちを起こさないほうが難しかろう。
「大軍過ぎるのも考えものだね!」
『ゴガッ!?』『ガァァッ!!』
ダイウルゴス同士での同士討ちを誘い、敵の攻撃頻度を削りながら、混乱した群れの中を翔け抜けるフェル。竜型の炎を纏っていても、彼女の本体はあくまで人間サイズ。混戦に持ち込めれば巨体同士が邪魔をして、彼女に直接攻撃できる敵は多くない。
「……抜けたッ!」
そうやってフェルはダイウルゴスの軍勢を突破し、ドラゴンテイマーを剣の間合いに捉える。向こうも【クリムゾンキャリバー】を構えているが、一瞬でも一騎打ちの状況に持ち込めれば負ける気はない――無限ノ幻想で獄炎の火力を高めながら、紅炎の剣を握りしめる。
「何が目的かは知らないけど……散々好き勝手したお前を……ここで撃ち倒すッ!」
理不尽への憤怒、不屈の闘志、そして生還への意思。戦場にて滾る想いの全てが、フェルの力の源となる。この世界と似て異なる世界を護るために戦ったように、紅の竜姫士は今再び|全世界決戦体制《ケルベロス・ウォー》の宣言下で、新たな「自宅」を護るために剣を振るう。
「が、は……ッ!!」
地獄の炎を纏ったフェルの斬撃は、ドラゴンテイマーの右腕を一刀両断。斬り飛ばされた【クリムゾンキャリバー】が落下し、地面に突き刺さる。その傷口は焼却され、もはや再生・接合も望めまい――決着の時が、迫りつつあった。
大成功
🔵🔵🔵
アルマ・アルカレイト
チーム錬金術士
属性攻撃…刹那の無限回転発動
視力…周りを見る
クイックドロウ…素早く弾丸を放つ
今回は緋智に搭乗
念動力と結界術…緋智の防御技能
推力移動…緋智の移動技能
慶喜、ヒサ、速攻かけるわよ!
と二人に声をかけて戦闘開始
『任せて、アルマ!』
とヒサは返事をした
敵のUCまたはダイウルゴスに対しては視力で敵の動きを見つつ推力移動で加速して回避し剣で反撃しながら進む。凌ぎきれないなら念の為念動力をかけた結界で防御する
行きなさい、ヒサ!
『避ける事は想定内だよ!』
敵の所まで来たらUCを発動し冥道朧月で敵に攻撃しつつ避けた場合も剣で追撃出来るようにしておく
東・慶喜
チーム錬金術士
属性攻撃…刹那の無限回転発動
高速詠唱…結界術を素早く出す
結界術…防御技能
視力…周りを見る
推力移動…移動技能
キャバリアに搭乗する
おう、了解や!アルマ!
アルマの指示に返事を返す
先に行け!アルマ!
敵のUCとダイウルゴスの対処は高速詠唱で結界術を展開し防御しつつ陽転神機『陽翔』の銃で反撃しながらアルマ達がドラゴンテイマーに行くのをサポートする
やれ!トゥルーヘヴン!
指定UCを発動しダイウルゴス達にトゥルーヘヴンの神罰で攻撃する
もう一丁お見舞いや!
指定UCの効果でUCライトニング・ブリザード・フォーミュラを発動してダイウルゴスとドラゴンテイマーに攻撃する
「慶喜、ヒサ、速攻かけるわよ!」
「おう、了解や! アルマ!」
『任せて、アルマ!』
アルマ・アルカレイト(異世界からの来訪者『無能の錬金術士』・f39594)の声掛けに、東・慶喜(無能の錬金術士の相棒・f40772)と冥道神機「緋智」が返事をする。敵の大将である『ドラゴンテイマー』はすでに満身創痍であり、ここは一気に押し切るべき時だ。
「決着を付けるつもりか……だが私もここで敗北するつもりはない!」
右腕の剣を失っても、ドラゴンテイマーには「おそれ」による超召喚能力と黒竜『ダイウルゴス』軍団が健在。依然として圧倒的な物量をもって、猟兵達を迎え撃たんとする。何百何千の屍を積み上げる事になっても構わないという、文字通りの総力戦だ。
「先に行け! アルマ!」
陽転神機「陽翔」に搭乗した慶喜は高速詠唱で結界を張り、ダイウルゴス軍団の攻撃を防ぎながら長銃で反撃する。
刹那の無限回転を込めた弾丸は、鋼鉄の黒竜さえも撃ち抜く。その巨体に空いた風穴は、そのまま味方が進むための突破口になる。
「ありがとう慶喜! 行くわよヒサ!」
『うん!』
戦友のサポートに感謝しつつ、アルマは緋智(キャバリア形態)に搭乗して前進。群れなす敵の動きを視界に収め、推力全開で加速する。行かせまいと牙を剥くダイウルゴスには冥界の剣で反撃し、追撃を躱しながらドラゴンテイマーの元に直行だ。
「まだだ!」
この窮地にドラゴンテイマーも焦っているのだろう。虎の子の【ギガンティックダイウルゴス】に加え、「おそれ」だけでなく周囲の無機物まで【|文明侵略《フロンティア・ライン》】でダイウルゴス化させる。またたく間に戦力を回復させた軍勢は、これまで以上の猛攻で猟兵達を攻め立てる。
「邪魔よ!」
回避し続けるのにも限界はあったか、アルマは念動力で強化した結界で自身と緋智を守る。どうにか凌ぐことはできるが、このままではドラゴンテイマーに近付けない。射程距離に入るまであと数十メートルだというのに、あと一歩がすさまじく遠い。
「やれ! トゥルーヘヴン!」
ここで活路を拓く一手を打ったのは、やはり慶喜だった。彼のユーベルコードが喚び出したのは、轟雷の鎧を纏った騎士【雷天皇トゥルーヘヴン】。その槍は概念すら破壊する超神速の雷と化し、悪しきオブリビオンに神罰を与える。
『『ギャオォォォォォーーーッ!!!』』
ユーベルコードで呼び出された個体も含め、数十を超えるダイウルゴスがその一撃で倒れる。全滅には至らずとも、雲間から陽光が差し込むように、アルマ達の前には一筋の突破口が見えた。仲間が作った折角のチャンス、無駄にする彼女らではない。
「行きなさい、ヒサ!」
『もちろん!』
アルマのユーベルコードにより覚醒した【朧月夜・冥道神機『緋智』】が、黒き閃光と化して戦場を翔ける。群れる黒竜どもの隙を矢のように突き抜け、ついにドラゴンテイマーを目前に。黒き神機は必殺の【冥道朧月】を放つ――。
「舐めるなッ!」
しかし敵も並大抵のオブリビオンではない。全てを吸い込む十字の冥道を、ドラゴンテイマーは紙一重で回避した。
語気が荒いのは余裕のない証だろうが、それでもここを凌げば、体勢を整えたダイウルゴス軍団による反撃が来る。
『避ける事は想定内だよ!』
「なに……ぐおぉッ!!」
緋智も敵を侮っていたわけではない。【冥道朧月】を避けられようと距離を詰め、剣による追撃を仕掛ける。相手の1手先を読みきった二段構えの攻撃は、さしものドラゴンテイマーも躱せず。斬られた黒衣の下から血飛沫が上がる。
「もう一丁お見舞いや!」
とどめの一撃を放つのは、これまでサポートに徹してきた慶喜。次元の力と生体電流と凍結能力を融合させた必中のホーミングレーザー、【ライトニング・ブリザード・フォーミュラ】が、大気を凍らせ雷光を閃かせながら、ダイウルゴスとドラゴンテイマーを貫いた。
「ここが限界か……どうやら、また一段と力を付けたらしい。見事だ、六番目の猟兵よ……」
力尽きたドラゴンテイマーはそう言い遺して消滅し、無数のダイウルゴス軍団も同時に姿を消す。召喚主が敗れたことで「おそれ」も失われたのか、黒竜に覆い尽くされていた決戦都市の空は、再び晴天の青空を取り戻していた――。
かくして『原罪蛇メデューサ』の強力な同盟者、『ドラゴンテイマー』を打倒した猟兵達。
各方面での戦いもいよいよ佳境を迎え、ケルベロス・ウォーに決着の時が迫りつつあった。
大成功
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