聖天光輝の|絶界詩篇殺戮者《ゴッドキラー》
●噂
ゴッドゲームオンライン、通称GGO。
プレイヤー達の拠点となっている、とある街の酒場。
ここも、御多分に洩れず、情報のるつぼであった。ただし、真偽のほどが不明なのも、お約束だが。
最近、酒場を賑わせている噂がある。カウンター席で食事中の、とあるパーティも、その話題で持ち切りのようだ。
「倒すと、殺されてもいないのに|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却されてしまうモンスター、か」
「もぐもぐ……ほんとにそんなヤバいヤツ、いるのかにゃー?」
リーダーである騎士の呟きに、仲間の獣耳戦士がのんきに答える。
イケメン金髪魔導士が、パスタをくるりと巻きつけながら、フ、と笑う。
「しょせんは噂。よくある怪談と同じ、被害者は落命しているのになぜか伝わる顛末……都市伝説の類であろう」
「そうかもにゃー。まー、今度行くダンジョンはそんなランク高くないから安心だけどにゃー」
そうして探索に向かったこのパーティ。
だが、その後の彼らを知るものは、いない。
●予兆
初雪崎・識(翠炎の探求者・f44092)は、新たな事件を予知した。それも、恐るべき。
「撃破してしまうと、遺伝子番号を焼却されてしまう……そんな強力なモンスターの噂が、GGOプレイヤーの間で流行っているみたい」
『|絶界詩篇殺戮者《ゴッドキラー》』。謎のモンスターは、そう呼ばれている。
その正体は、バグプロトコルの変異体らしい。GGOの存在を快く思わぬ『統制機構』の差し金であるとも言われているが、憶測の域を出ない。
だが、もしもこの噂が真実であったなら?
「被害者が出てしまってからでは遅いよね。それにもし、バグプロトコルがどんどん絶界詩篇殺戮者に変異しちゃったら、大変な事態が拡大してしまうわけだし」
つまり識の依頼とは、絶界詩篇殺戮者をいち早く発見、討伐して、GGOプレイヤーへの被害を防ぐことだった。
「ボクが今回予知したクエストエリアは、教会ダンジョン。そこのボスをしている大天使型の敵が、絶界詩篇殺戮者みたい」
まずは、教会内に突入し、低級バグプロトコル『あぶないよのキイロアザラシちゃん』の群れを倒しながら進行。
複雑で広い教会ダンジョンの何処かにひそむ、隠しボス部屋を発見するのだ。
そして識は、一体の白き天使の姿を見せる。
「絶界詩篇殺戮者『契約の大天使メタトロン』 はとても強くて、猟兵でも手に余るほどだけれど、『統制機構』に住んでいる猟兵さんがいれば、何とかできるかも」
識によれば、絶界詩編殺戮者と相対した時、何らかの啓示的な情報を得られそうだという。
それを元に行動することで、絶界詩編殺戮者を弱体化させるヒントを手に入れられるのだと。
「強力な敵かもしれないけど、確実に倒して、GGOの平和を守ろう」
こくり、と識はうなずいた。
七尾マサムネ
あなたの|遺伝子番号《ジーンアカウント》は狙われている!
というわけで、ゴッドゲームオンラインに訪れる新たな危機です。
●第1章
教会ダンジョンにて、『あぶないよのキイロアザラシちゃん』との戦闘です。
これは通常のバグプロトコルなので普通に倒せます。
ついでに、ボスのひそむ隠し部屋も探します。
●第2章
教会の隠しフロアにて、隠しボスと戦います。
●第3章
引き続きボス戦です。
ここでの勝利の鍵は、『統制機構』に住む猟兵のようです。詳しくは、3章開始時に追加する断章をご確認ください。
それでは、皆さまのご参加、お待ちしております!
第1章 集団戦
『あぶないよのキイロアザラシちゃん』
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POW : 飛び出し注意!
自身の【危険察知】から極大威力の【特大エモーショナルバルーン】を放つ。使用後は【放心】状態となり、一定時間行動できない。
SPD : 隕石注意!
【宇宙】から1体の強力な【超巨大彗星】を召喚する。[超巨大彗星]はレベル秒間戦場に留まり、【流れ落ちる無数の隕石】で攻撃し続ける。
WIZ : 落雷注意!
【エモーショナルバルーン】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【仲間でゴロゴロして偶然描かれた魔法陣】で囲まれた内部に【ゴッドゲームオンライン最上級雷魔法】を落とし、極大ダメージを与える。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
グリモア猟兵によって、『|絶界詩篇殺戮者《ゴッドキラー》』の出現が予知されたクエストエリアは、教会の形をしていた。
足を踏み入れる猟兵達。中はまるで迷路だ。もはやダンジョン。
いくつもの部屋に分かれ、複雑な構造と化したこの建物のどこかにある、隠し部屋を見つける事が、第一の目的だ。
しかし、一筋縄ではいかないのが、クエストというもの。
!
『ぷぎゅー』
現れた! 黄色いまんまるが!
可愛いビジュアルと可愛い鳴き声、可愛いビックリマーク。モンスター『あぶないよのキイロアザラシちゃん』である。
しかしながら、人畜無害そうな顔立ちをしていても、れっきとしたバグプロトコル。
やたら現れまくるこのまんまるを倒し、先を急がねば!
印旛院・ラビニア
「ゴッドキラーね。遺伝子番号を倒しても焼却とか、チートにも程があるよ」
かつて遺伝子番号を焼却されかけた身だからね。放ってはおけないね
「アザラシちゃん、どう攻略すればいいか、やりづらい相手だね」
とりあえず【高速詠唱】【召喚術】で戦乙女モンスターを召喚して戦わせる
隕石には
「ランドガルダ、任せたよ!」
【盾の戦乙女】に攻撃を吸い寄せてもらい、その隙に敵を殲滅する
「隠し通路も探さないとだよね」
隠し通路のある壁や床は、周辺と材質なりパラメータなりが違って、隕石の爆発エフェクトの時に浮き出たりとかしないかな?
あとは戦闘終わった後に地形のデータをハッキングして探索かなー?
「見つかるといいけどなー」
クエストエリア、教会。
厳かな佇まいの入り口に立ち、印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)は、クエスト攻略に熱意を燃やしていた。
「ゴッドキラーね。遺伝子番号を倒しても焼却とか、チートにも程があるよ」
ラビニア自身も、かつて遺伝子番号を焼却されかけた身。放ってはおけない。
門扉をくぐり、教会内に入る。
最初の部屋には、礼拝者用の長椅子が並び、いかにもなステンドグラスが、天井付近に飾られている。
が、ラビニアの意識は、別のところ。
『ぷぎゅー』
ぴこっ、と、ご登場。
エクスクラメーションマークとともに出現した、黄色いまん丸。
「バグプロトコルのアザラシちゃん、どう攻略すればいいか、やりづらい相手だね」
『ぎゅっぎゅっ』
ぱりぃんんん!!
アザラシちゃんが、短い手をぱたぱたさせた途端、ステンドグラスがけたたましい音とともに破砕した。
ラビニアが見上げた穴の向こう、召喚された超巨大彗星が見えた。雑魚バグプロトコルのしでかす規模を越えていると思うのだがどうか。威力はともかく。
召喚には召喚。ラビニアは、速やかに戦乙女モンスターを呼び出した。元凶であるアザラシちゃんの討伐を託す。
『ぷぎゅっ』
宇宙と交信するように、アザラシちゃん達が円陣を形成すると、隕石が落下してきた。
「ランドガルダ、任せたよ!」
ラビニアの願いに応え、盾の戦乙女が、盾を掲げた。
すると、重力に引かれた隕石の軌道が、歪曲する。その全てが、ランドガルダの|盾《ヘルヴォール》へと吸い寄せられていく。ディフェンスには定評がある。
アザラシちゃんに、他の武器はない。しかもユーベルコード使用のクールタイム中。
その隙に、アザラシちゃんの群れを殲滅していくラビニア。
「隠し通路も探さないとだよね」
とりあえず、部屋の敵を全て討伐すると、地形のデータをハッキング。探索してみた。
しかし、変わったところがないとわかると、ドアを開け、奥へと進む。
「見つかるといいけどなー隠し通路」
『ぷぎゅー』
また出た。よろしくランドガルダ。
そういえば、隠し通路が設けられた壁や床は、その周辺と材質やパラメータが違うのでは?
ラビニアの、ゲームプレイヤーとしての勘は、見事的中したようだ。
またもや降ってきた隕石が、エフェクトを伴い爆発した際に、不自然な長方形が壁に浮きあがったのだ。
きちんとフロア内の敵を一掃すると、隠しエリアへと進んでいくラビニアだった。
大成功
🔵🔵🔵
儀水・芽亜
戦場の外観は教会ですか。何を祀っている設定でしょう。
では、行きましょうか、“断頭卿”。バグプロトコルが現れたら、速やかに叩っ切ってくださいね。
「偵察」はかつてのサーチャーの嗜み。戦いを“断頭卿”に任せ、各部屋の壁や天井を達手見たり、家具がずらされた後がないか調べたりします。
私の方にバグプロトコルがでたら、拷問具『鎖蛇』を振るって、「傷口をえぐる」攻撃で片付けます。
隠し部屋は、この階か、上か、下か。階段室の可能性もありますね。
音の反響を聞き分けて、空間のある場所を探しましょう。
見つかれば、後は“断頭卿”に任せます。この壁、微塵に切り裂いてくださいな。
では、隠しボスとやらにお目にかかりましょうか。
クエストエリアでは、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)も、探索に乗り出していた。
「戦場の外観は教会ですか。一体何を祀っている設定でしょう」
室内を見回せば、謎の像やステンドグラスが飾ってある。
像は聖女のようなローブ姿だし、ステンドグラスでは神らしきものが天使達に讃えられている。
が、どちらも妙にまん丸い……そう、ちょうど今、芽亜の目の前にいるような。
『ぷぎゅっ』
頭上のウインドウに表示された、赤いビックリマーク。『あぶないよのキイロアザラシちゃん』である。
「まんまるの神でも崇めているのですか?」
『ぷ!』
返答の意味はわからない。
だが、まんまるなバグプロトコルは、すぐに4分の1にされた。2度の斬撃によって。
「では、行きましょうか、“断頭卿”」
いつの間にか、芽亜の傍らに立つ、マントの『人物』。
一瞬でアザラシちゃんを撃退した虐殺師を伴うと、芽亜は、周囲に視線を走らせた。
既にこの部屋内には、同タイプのキイロアザラシちゃん達が多く発生している。
愛らしい外見の相手にも、“断頭卿”の無慈悲さは発揮された。双剣を振るい、バグプロトコルを処断していく。
首を刎ねるのが役目。それは、首という概念が行方不明なキイロアザラシちゃんでも変わらない。
これは危険! おののいたアザラシちゃんは、自分より大きなエモーショナルバルーンを投げてきたが、当たらなければどうという事はない。それどころか、攻撃後の放心状態は、“断頭卿”にとってボーナスタイムであった。
『偵察』はかつてのサーチャーの嗜み。処断風景を横目に、芽亜は、壁や天井、家具の位置などを調べて回る。
『ぷぎゅー』
覚えた違和感に、タンスの引き出しを開けると、キイロアザラシちゃんが詰まっていた。
芽亜は無言で拷問具『鎖蛇』を振るい、傷口をえぐって片付けた。とりあえず、この部屋に怪しい部分はないようだ。
「隠し部屋は、この階か、上か、下か。階段室の可能性もありますね」
こんこん、と壁や床、何の変哲もなさそうな部分を叩きながら進む芽亜。音の反響を聞き分けて、空間のある場所を探す。
「……!」
違和の音。
「“断頭卿”。この壁、微塵に切り裂いてくださいな」
お任せあれ。華麗ですらある虐殺剣技が、道を切り開く。
「では、お目にかかりにいきましょうか。隠しボスとやらに」
芽亜は、姿を現した階段をゆっくりと下っていく。その闇の奥へと。
大成功
🔵🔵🔵
竜珠・アルベルチーヌ
私達NPCがデリートされるなら仕方ないかなって思えるわ
だって私この世界のAIですもの
でも~ボスに勝ってもプレイヤーさんのリアル人権削除されちゃうとかマズいわ、ヤバ過ぎでしょ
私は冒険者の助っ人が役目のNPC
彼等の課金と活躍あってこそのGGOよ
頑張るわよ!と負けん気
杖を構えUC
複数的から一斉攻撃を受けないように数体をピルエラに足止めさせ且つ私の回復をして貰う
自分の可動範囲を拠点とし拠点防御
衝撃吸収とオーラ防御でもガードを固める
ああ、ピルエラも聞こえる?
黒教の紋章が邪魔者は叩けと告げてるわ
敵の放心状態時に空中から尻尾打ちと回し蹴りをお見舞い!怪力で叩き割り!
少し遠距離の敵には指輪からレーザーで攻撃ね
敵湧くクエストエリアな教会を探索しながら、竜珠・アルベルチーヌ(リュージュの守護獣アルル・f42188)は考えていた。
「私達NPCがデリートされるなら仕方ないかなって思えるわ。だって私この世界のAIですもの」
けれど、見過ごせない事はある。
「でも~ボスに勝ってもプレイヤーさんのリアル人権削除されちゃうとかマズいわ、ヤバ過ぎでしょ」
アルベルチーヌは、冒険者の助っ人が役目のNPC。それはつまり、
「彼等の課金と活躍あってこそのGGOよ。頑張るわよ!」
ほとばしる商魂……もとい、負けん気を拳にこめ、ぐっ! と決意するアルベルチーヌの前に……バグプロトコルが現れた!
『ぷぎゅー』
!
キイロアザラシちゃんの群れが、アルベルチーヌの行く手を阻む。
この先はあぶないよ。だから追い返してあげるね!
まるでそんなふうに、ぐいぐい迫る黄色いまんまる。
いくら弱い敵でも、この数で一斉に来られれば、苦戦は必至。アルベルチーヌは、杖を構え、力を解き放った。
周囲を飛翔し、アザラシちゃん達を足止めしたのは、赤い牙の悪魔、ピルエラだ。その魔性の舞踏に、アザラシちゃん達は翻弄され、味方同士で衝突して頭を抱えた。
一方のアルベルチーヌは、拠点防御の構え。
『|ぷぎゅ《きけん》!』
危機感を覚えたアザラシちゃん達は、バルーンを膨らませた。
自分より大きなそれを、えいっ、とアルベルチーヌへと投じる。
ぱあん!
派手な破裂音を室内に響かせ、無視できない威力の爆発が炸裂する。
敵を分散したとはいえ、それなりの数だ。こんなものを喰らえばひとたまりも……。
『ぷぎゅぅぅぅ』
アザラシちゃん達を、爆煙の中から飛び出したビームが焼き払った。
バルーンを喰らったはずのアルベルチーヌは、平然。実際のところ、ダメージはあったが、魔方陣の力で回復したので大丈夫。
やたら眩しい赤い光を浴びながら、アルベルチーヌは、荒ぶり中の女悪魔に呼びかけた。
「ああ、ピルエラも聞こえる? 黒教の紋章が邪魔者は叩けと告げてるわ」
アザラシちゃん達は、そろって放心状態。的にしてくださいと言わんばかり。
そこを狙い、アルベルチーヌは、跳躍。空中から尻尾打ちと回し蹴りをお見舞いする。
コンボはそれで終わらず、最後は思いっきりの怪力で、黄色いまんまるを叩き割ったのだった。
厄介な敵を切り抜け、目指すは隠し部屋!
成功
🔵🔵🔴
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)と、レッツ・GGO!
危ないモノマーク、GHQだっけ……あ、そうそう GHS。
わかりやすくてイイネ、ありがとうございます!
ま、それはそうと。
教会の中って、こんなかんじなんだねー♪(きょろきょろ)
道に迷わないよう、目印つけながら進もうー。(床に壁に雌鶏の落書き)
扉の前や曲がり角では、聞き耳。
気配を感じたら、先手必勝!
れっつ・だんしん!(ぱっちん)
ヒマワリがバルーンを打ち返す!
おいらはダンスで隕石を避ける!
で、リピートあくしょん♪
教会がずんどこナゾ建物になっていくケド、リソース回収できそうかなあ?
アンちゃん、次に進む前に、ドロップ品探さないと。
カギがあるかも!
(きらーん☆)
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
GGOな世界、今回は教会ダンジョンの攻略
教会といえば天使って感じ
なので、2022ハロウィンのたまこ(飼い鶏)衣装を身につけて翼GETしログインするよ
ん、れっつ、くえすと
アザラシさん
丸いねまつりん、かわいいね
ぎゅっとしたくてふわり足を運ぶけど
確り【絶望の福音】も発動しとく
む、宇宙出現
そして隕石!
に、エモバルーン(まつりんUC分)
…絵面(こく)
わたしは未来予知と第六感で回避
まつりんは大丈夫?
一応オーラ飛ばして防御しとこ
そしてアザラシさんは抱き潰す(怪力)
知ってる
ラスボス戦は大体宇宙を背景に戦う
宇宙の向こうに隠し部屋、きっとある
アザラシさんえいっと投げ扉を壊そう
GGOな世界、今回のクエストは教会ダンジョンの攻略。
教会といえば天使って感じ。
そんな連想から、木元・杏(杏世界の真実・f16565)は、自らに翼を授けた。|かつて《2022年》、南瓜行列の際に纏った、ハロウィンたまこな衣装でログイン。
「ん、れっつ、くえすと」
そうして|身を投じた《ダイブした》クエストエリア、そこは実際、厳かな教会であった。
ともにクエストにチャレンジする木元・祭莉(銃弾を次から次へと叩き落とすなにかの達人・f16554)の脳裏には、まんまるなバグプロトコルの映像が。
「危ないモノマーク、GHQだっけ……あ、そうそう GHS。わかりやすくてイイネ、ありがとうございます!」
ま、それはそうと。
「教会の中って、こんなかんじなんだねー♪」
興味津々、きょろきょろ周りを見回す祭莉。像やステンドグラス、燭台などなど。
何せクエストエリアなので、ダンジョン風味。道に迷わないよう、祭莉は、目印をつけながら進む。
「かきかき……と。うん、良く描けました!」
床や壁に、雌鶏落書き、えへん、と祭莉画伯は、出来栄えに満足のようす。
神聖さが漂う反面、ゾンビなんかが出てきそうな雰囲気も感じる。杏は、出会いがしらの事故に警戒しつつ、エリア内を探索。
「むむっ、待ってアンちゃん」
しゅたっ。祭莉が杏を手で制した。
そこは曲がり角。先には危険が待っているかも。聞き耳を立てて。
「…………。!」
感じる気配。祭莉達以外は全て敵。それなら先手必勝!
「れっつ・だんしん!」
ぱっちん!
指を鳴らして向日葵召喚!
『ぷぎゅ!』
驚きとともに現れたのは、キイロアザラシちゃんだ。
一瞬、風船と勘違いするほどに丸い。杏達の前に現れたバグプロトコル達は、シンプルな外見とは裏腹に、長い名前。
「アザラシさん。丸いねまつりん、かわいいね」
『ぎゅっぎゅっ』
杏の言葉を理解したように、アザラシちゃんが鳴いた。
そんな反応が愛らしく、杏は思わずぎゅっとしたくてふわり足を運ぶけれど、頭上に表示された『!』マークに、接近を拒絶された。
が、それは杏も予測済みだったので、びっくりせずに済んだ。
「マイゆべこ、備えあれば、憂いなし」
五七五。猟兵川柳。特に意味はないけれど。
祭莉達を危険判定したアザラシちゃんは、とっさにエモーショナルバルーンで攻撃した。
が、ヒマワリだって準備万端。
かきーん……じゃなく、ぽむん!
ヒマワリが上手い事、茎&葉っぱをバット替わりに、バルーンを撃ち返した。
ヒット性の当たり、というやつで、バルーンは、アザラシちゃんの方に叩き返され、被害をもたらした。
祭莉は祭莉でマイペースにだんしん♪ 飛来物を陽気に楽しくかわしていく。
ヒマワリは、放心状態でぷかり浮かぶアザラシちゃんを捕まえ、びしばし叩きつけ。アクション映画ばりに壁や床が破壊されていくけれど、まあここはダンジョンなので。
『ぷぎゅー』
杏達の目の前で、キイロアザラシちゃんが短い手を挙げた。
すると、天井辺りのステンドグラスがぱりんと割れて、闇黒に瞬く星々な景色がのぞく。
「む、宇宙出現」
もちろん、杏達にプラネタリウムをご披露するのが目的ではない。降り注ぐ隕石!
「……に、エモバルーン」
そして、得意げなアザラシちゃん達の顔。
「……絵面」
こく。
が、その素朴な見た目からは想像できないスケールの、大宇宙からの使者的攻撃も、杏は未来予知と第六感で回避していく。教会は大変なことになっている。
「まつりんは大丈夫?」
ダンスでよけている祭莉に、オーラを飛ばして防御力をプレゼント。
どばどば降り注いできた隕石をかわし、相手に接近した杏は、そのまま、アザラシちゃんに抱きついた。思ったよりモフ感。
望みを叶えた杏は、お礼にそのまま抱き潰した。
ぱぁん! バルーンみたいにアザラシちゃんははじけた。データの破片となって、そのまま虚空に消えていく。
「教会がずんどこナゾ建物になっていくケド、リソース回収できそうかなあ?」
荒ぶりだんしんヒマワリと、ちぎっては投げされるキイロアザラシちゃんを見ていた祭莉だったけれど、
「……部屋が広くなったね♪」
そういうことにした。
「そうだ、アンちゃん、次に進む前に、ドロップ品探さないと。カギがあるかも!」
忘れちゃいけない、隠し部屋探しも目的の1つ。
キイロアザラシちゃんを討伐した後、しっかりご探索。
「知ってる。ラスボス戦は大体宇宙を背景に戦う。宇宙の向こうに隠し部屋、きっとある」
杏は、隕石を吐き出してた宇宙空間の方を指さした。
「そしてカギはバグ自身」
そういうと、杏は、転がっていたアザラシさんを拾い上げた。
『ぷぎゅっ?』
「えい」
見事な投球で、扉を破壊する杏。その向こうに、普通と違う通路が現れる。
ぱちぱち、祭莉は拍手。
「さすがアンちゃん。謎解きも知恵と|物理《かいりき》で解決だネ! ……いいのかなあ?」
こてん、と祭莉の首が傾いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『白教の聖騎士』
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POW : ホワイト・コンボアタック
【未来視したかのような動き】の薙ぎ払い・斬り上げ・兜割り・【利き腕砕き】が同じ敵に全て命中したら、その敵に必殺の【ホワイト・スラッシュ】を発動する。
SPD : ホワイト・オース
「【管理を逃れる者・我欲に溺れる者を許さない】」という誓いを立てる事で、真の姿に変身する。誓いが正義であるほど、真の姿は更に強化される。
WIZ : ホワイト・アークエンジェル
【白き光】から1体の強力な【純白の大天使】を召喚する。[純白の大天使]はレベル秒間戦場に留まり、【管理へ導く声と鎖】で攻撃し続ける。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ミケーレ・アンジェリコ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
怒涛のアザラシちゃんラッシュを切り抜け、各々、隠し部屋へとたどり着いた猟兵達。
聖堂めいたその部屋に待っていたのは、グリモア猟兵の示した大天使……ではなかった。
白き鎧、白き剣。そして同色の外套と長髪を翻すは、聖なる騎士。
『聖獣の試練を乗り越え、よくぞここまで辿り着いた。次は、我が白き剣の試練を与えよう』
兜から響く声。聖獣とはキイロアザラシちゃんの事なのか。
聖騎士は、剣を構えると、宣戦布告した。
これは|絶界詩篇殺戮者《ゴッドキラー》ではないようだ。だとしても、バグプロトコルである事に違いはない。
白き聖騎士の告げる試練の先に、真なる絶界詩篇殺戮者が待つはず。ならばこの|戦い《ミッション》、受けて立つまでだ。
儀水・芽亜
白い聖騎士様がお相手なら、白馬でお相手しましょう。
来なさい、ナイトメア!
アリスランスを片手に、「騎乗」「騎乗突撃」「ランスチャージ」で聖騎士の身体に槍を叩き込み、そのまま「蹂躙」します。
そのまま部屋を駆け巡り、何度でも騎槍突撃を繰り返します。
私の普段の生業は学園の事務員。つまり生徒を管理するシステムの末端にいるということです。そして猟兵として力を振るう時に、私欲を交えたことは一度もありません。
あなたの立てた誓いは私には適用されません。
それでも、強大化するのはそうなんでしょうね。ですが、それに怯むとでも?
軽装騎兵の機動力、侮ってもらっては困ります。彼の剣をかわしながら、槍を何度でも叩き込みます。
「来なさい、ナイトメア!」
秘所たる聖堂に響く声、そして蹄の音。
儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)の呼びかけに応え、純白の白馬が駆け付けた。
「白い聖騎士様がお相手なら、白馬でお相手しましょう」
颯爽と『ナイトメア』に騎乗した芽亜は、アリスランスを手に、白教の聖騎士へと戦いを挑んだ。
『……!』
純白の疾風。芽亜の突撃が、聖騎士に叩き込まれる。重い全身鎧が、大きく後退する。
悪夢なる白馬の力を得た芽亜の槍撃は、聖騎士の堅い鎧を幾度も穿ち、傷を刻み込んでいく。
四方からの騎槍突撃が、聖騎士の活力を削り取る。
『蹂躙されるばかりでは騎士の、そして白教の使徒の名折れ』
火花を散らし、槍をしのいでいた聖騎士が、剣を構え直した。
『管理を逃れる者を許さぬ。我欲に溺れる者もまた許さぬ』
聖騎士の誓いは、神に届いたか。白き鎧が淡く輝き始めたかと思うと、強大な力を放ち始めた。
マントが天使の翼へと変化し、三対・六枚羽の姿を現す。聖天騎士と呼べる形態……その神々しさは、芽亜に予知の大天使を彷彿させた。
しかし、その光輝を帯びた鎧以上に、芽亜の心もまた堅く。
「私の普段の生業は学園の事務員。つまり生徒を管理するシステムの末端にいるということ。そして猟兵として力を振るう時に、私欲を交えたことは一度もありません。ゆえに、あなたの立てた誓いは私には適用されません」
『…………』
芽亜の決意が真だと悟った聖騎士が、一瞬黙した。
だが、清廉なる誓いがもたらす力は、全てが消えるわけではなかった。
『我が誓いは我が剣。悪ならずとも断ち切る力在り』
「確かに強い力を感じます。ですが、それに怯むとでも?」
軽装騎兵の機動力、侮ってもらっては困る。
強化された聖騎士の剣が、芽亜へと迫る。空間を白く斬り裂く、誓願の一刃。
だが、芽亜の意識までも白に染める事は敵わなかった。紙一重でその軌道から逃れると、隙を生じた敵へと、槍を繰り出す。
散る天使の羽根。芽亜の振るうアリスランスの力の源は、想像力。使い手の心が拡がり続ける限り、進化はとどまるところを知らぬ。
一度で砕けぬならば、何度でも。砕けるという結果に至るまで。
鴇色の槍の勢いは、衰えるどころか次第に増して。芽亜の間断ない攻撃に、聖騎士の鎧、そして誓いは、亀裂を生じていくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
竜珠・アルベルチーヌ
隠し部屋、無事に見付けられて良かったー!
そして如何にもボス格な格好いい敵…、んっ?白教?私達黒教の敵ね!
過剰な清廉潔白を求めて規制と管理に明け暮れて
そんな白教がバグなんてお笑い草よ!
黒教の貪欲さは抑圧への反発と知りなさーい!
グリードサインで欲望解放、オーラ防御展開
衝撃波をUCへ上乗せするためピルエラから魔力供給受けて歌唱、そこへマヒ攻撃も織り込んで
私の歌で敵の管理への声なんてかき消してあげるわ
さあ私の黒の竜、翼を広げ刃向かいましょう
鎖だって空中機動で避ける
UC終了後も止まらないわ
杖のピルエラから光線で死角攻撃
怪力で鎧の上から尻尾を振り撃ち殴打
私は冒険者の守護獣
竜獣らしく自分の役目を遂行するよ!
戦いの風吹く聖堂に、飛び込んできた人影がある。竜珠・アルベルチーヌ(リュージュの守護獣アルル・f42188)だ。
「隠し部屋、無事に見付けられて良かったー!」
『新たな挑戦者か』
敵……『白教の聖騎士』から、長剣の切っ先を向けられたアルベルチーヌは、相手を睨み返す。
「如何にもボス格な格好いい敵……んっ? 白教? 私達黒教の敵ね!」
『そうか。ならば尚の事、厳格さを以てあたらねばならぬ』
増した聖騎士の気迫を、アルベルチーヌは跳ねのけた。
「過剰な清廉潔白を求めて規制と管理ばっかりに明け暮れて。そんな白教がバグなんてお笑い草よ!」
『…………』
内なる葛藤があったのか、一瞬硬直する聖騎士であったが、役目を思い出したように、剣を掲げた。
白の光に導かれ、聖堂に降臨するは、大天使。秩序の輝きは、アルベルチーヌのような異端を許さないという決意に満ちている。
そして、大天使は、聖歌を奏でる。歌声は白き力を広げ、解き放たれた鎖は、異端を縛るために振るわれる。
『秩序を無視する黒教は、白教が最も正すべき相手』
「黒教の貪欲さは抑圧への反発と知りなさーい!」
アルベルチーヌの背後に、紋様が浮かび上がる。それこそ、黒教の象徴とも呼べるグリードサイン。
聖騎士がたじろぐ。鎧越しにも伝わる、欲望のオーラに押されて。
「ピルエラ!」
赤杖から魔力の供給を受け、アルベルチーヌは、歌を紡ぐ。それは、黒教にとっての聖歌。
「私の歌で、管理への声なんてかき消してあげるわ。さあ私の黒の竜、翼を広げ刃向かいましょう」
大天使への反逆は、黒檀の竜という形を取って顕現した。
白と黒、互いの教えの具現化が、聖堂にて相対する。
『――♪』
大天使の歌声に導かれ、束縛の鎖が宙を舞い踊る。
しかし、狙いたる黒檀の竜は、アルベルチーヌの命を受け、翼を広げた。幾度も放たれる鎖の矢を華麗な空中機動でかわし、自由なる姿を見せつける。
そして、空中で身を回して反撃。漆黒の衝撃波が、大天使ごと、聖騎士を吹き飛ばした。
『何という……!』
「まだまだ止まらないわ!」
剣を杖に立ち上がった聖騎士へと、死角から杖のピルエラによる光線が浴びせられた。
足止めされた聖騎士を、今度はアルベルチーヌの尻尾が打ちのめした。
『ぐっ……!』
「私は冒険者の守護獣。竜獣らしく自分の役目を遂行するよ!」
床に倒れ伏した聖騎士と、消えゆく召喚天使に、アルベルチーヌは勇敢に宣言したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
印旛院・ラビニア
「そもそも、欲望は罪なんかじゃない!それで他者を踏み躙ることがなければ、欲望だって認めれるよ。だからこそみんなの欲望を受け入れてくれるGGOにここまで多くのプレイヤーが集まってきたんだ」
話は平行線になるだろうし、向こうを論破できるとは思ってはないけど、個人的な意見を言わせてもらうよ。ついでに相手が喋っている間に【高速詠唱】【召喚術】で戦乙女を召喚する為の時間稼ぎにもさせてもらう
【導きの戦乙女】を召喚し、その召喚効果で更に【破邪の戦乙女・ソグマ】を召喚。相手の強化状態を解除
「|秩序から外れたもの《バグプロトコル》が押し付ける秩序なんて受け入れられる訳ないでしょ」
自分もサーベルで攻撃を仕掛けるよ
『強い欲望を感じる……混沌を招く因子は|消去《デリート》する』
印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)と対峙した『白教の聖騎士』が、変貌を始めた。
鎧の間隙からあふれ出す光。背後から放たれた神聖な輝きが、六枚の羽を形成する。
鎧自体も刺々しくフォルムを変え、頭上に光の輪が浮かび上がる。これこそが、聖騎士の誓いの姿。|猟兵《ラビニア》を強敵と認めた証でもある。
『己が欲望を肥大化させ、管理より逃れ出る異端。我はそれを粛正する者なり』
神々しくも禍々しい真・聖騎士は、剣の切っ先をラビニアに向けた。
「粛清なんてされるもんか。そもそも、欲望は罪なんかじゃない! それで他者を踏み躙ることがなければ、欲望だって認めれるよ。だからこそみんなの欲望を受け入れてくれるGGOにここまで多くのプレイヤーが集まってきたんだ」
『数の増大こそ無秩序の元凶。欲望に満ちた世界には、管理が必要なのだ』
正義の執行者となった聖騎士が、ラビニアの訴えを一蹴する。
二者の主張は平行線……それを見越して、ラビニアは、既に行動していた。
「フレッタ! 任せた!」
降り注ぐ光気とともに、導きの戦乙女が、ラビニアの元に降臨する。
そして、光はもう一条。
「ソグマ! フレッタと一緒によろしく!」
フレッタの導きに応え、破邪の戦乙女もまた、降臨する。
『秩序を乱すもの、許さぬ』
聖騎士が、戦乙女達に斬りかかった。しかし、機先を制したのは、フレッタの方だ。
鋭い|槍撃《ストライク》が、敵の剣を抑え込んでいる間に、ソグマの魔槍が咆哮した。ルーンを宿し、駆け抜けた一槍が、聖騎士の鎧を穿つ。
『……!』
ステンドグラスが割れるような音が、聖堂に響いた。
聖騎士の翼が、光の粒となって四散する。頭上の光輪が弾け飛び、鎧もまた、フォルムを矮小化させる。一瞬にして、元の騎士の姿へと逆戻る。
『我が誓いが、砕かれただと?』
「|秩序から外れたもの《バグプロトコル》が押し付ける秩序なんて受け入れられる訳ないでしょ」
ラビニア、ふんっ、と得意げな表情。
正義の誓いを|引き剥が《ブレイク》された聖騎士に、ラビニアが剣技を披露した。
秩序の守護者たる聖騎士と、欲望……活力の戦乙女とゲームプレイヤーが、互いの信義をぶつかり合わせる。
フレッタの矢を弾く聖騎士に、ソグマの槍とラビニアのサーベルが迫る。
三者の猛攻が、聖騎士の鎧を、その正義ごと斬り裂いていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
木元・祭莉
アンちゃん(f16565)、この人ラスボスかな?
え、違うの? しれん?
ん、わかった。じゃあ今回も頑張ろう!(素直)
おいら、寺子屋で習ったことはちゃんと覚えてる。
兄妹もとっても仲良しだよ。
だから、良い子でいいよね♪
白いから正義って決めつけるのは良くないと思う。
白い邪悪もいるよ!
善良……うーん、裏表はないよね。いつも安定して凶暴だもんね!(うんうん)
ん、ダンスの時間。
じゃあ、ぜんりょーの仲間を呼ぶかなあ。
いでよー、メカたまこー♪(コケコケ159)
はい、一斉に。
だんしん&しんぎん♪
前蹴り&飛び掛かり♪
羽ばたき&突っつき♪
ん、リズム感抜群♪
おいらもスライディング足払いから、電撃ぱんちでキメるね♪
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
真っ白な騎士
真っ白なわたし達の飼い鶏、たまこと同じ
なのに何故か邪悪そうな雰囲気がする
たまこはとても善良な鶏なのに、不思議ねまつりん
管理…?
わたしとまつりん、朝は早起きして体操してから朝ご飯、お昼はお昼ご飯、夜もご飯食べてとても規則的な生活
お肉やすいーつを食すのは本能だから欲には負けてない(こく)
なので、貴方の許すまじなお相手ではないね
ふふ、仲直りの印に皆で踊ろう
うさみん☆、れっつだんす♪
灯る陽光を手にテンポに乗るよ
ん、白騎士さんテンポずれた
足、もっと踏ん張って
大剣&怪力でびしばし叩いて指導、指導
わたし、他人の音感の悪さには厳しいよ(きりっ
じっ……。
木元・祭莉(銃弾を次から次へと叩き落とすなにかの達人・f16554)は、隠し部屋で待ち受けていた聖騎士を、じっくりと観察した。
「アンちゃん、この人ラスボスかな?」
「違う」
神速のNO。
木元・杏(杏世界の真実・f16565)は、ふるふるふるり、と頭を横に振った。
「たぶん、なんかこう前座的な敵。というか試練」
『前座』
杏のド直球な指摘に、聖騎士は、なんともいえない顔になった。厳めしい兜で表情は見えないけれど。
「え、違うの? しれん?」
『左様』
聖騎士は、重々しく頷いた。リアクションしてくれたので悪いヒトじゃないかも? 祭莉は一瞬思った。
「ん、わかった。じゃあ今回も頑張ろう!」
切り替えの早さは、素直なよいこの証拠。
そう、祭莉はよいこなのだ。だから、たとえ聖騎士が、正義の誓いを立てて真の姿を露わにしても、その力は十分に発揮できないはず、なのだ。
そして、杏達の目前で、聖騎士の姿が変わり始めた。あふれ出る光は天使の翼を象り、鎧もまた、刺々しく変化する。
『欲望に呑まれ、秩序を乱さんとするもの、我が聖なる剣によって処断する』
「でもでもおいら、寺子屋で習ったことはちゃんと覚えてる。兄妹もとっても仲良しだよ。だから、良い子でいいよね♪」
しゅたっ、と手を挙げる祭莉に、聖騎士は、難しい顔をした。兜で表情は見えな以下略。
ずいっ、と杏が前に進み出た。
「真っ白な騎士。真っ白なわたし達の飼い鶏、たまこと同じ。なのに何故か邪悪そうな雰囲気がする」
聖騎士から感じる矛盾をはらんだ神聖さに、杏の違和感は増すばかり。
「たまこはとても善良な鶏なのに、不思議ねまつりん」
「善良……うーん、裏表はないよね。いつも安定して凶暴だもんね!」
うんうん、うなずく祭莉。|白い悪魔《たまこ》の所業を思い出して。
「白いから正義って決めつけるのは良くないと思う。白い邪悪もいるよ!」
『この世界の存在は、あまねく我らの管理の元に置かれねばならぬ。それを脱しようとするもの、許すまじ』
祭莉の抗議を一切合切跳ね返す、聖騎士の宣言を聞いて、杏は首を傾げた。
「管理……? わたしとまつりん、朝は早起きして体操してから朝ご飯、お昼はお昼ご飯、夜もご飯食べてとても規則的な生活」
こくり。
「お肉や、すいーつを食すのは本能だから欲には負けてない。なので、貴方の許すまじなお相手ではないね」
『…………』
聖騎士は、何かとてもやりにくそうな雰囲気を醸し出した。
今までの猟兵とは違う。なんやかんや言いつつ最後は力と力で語り合うことになるのを予想していたであろう聖騎士は、剣の振るいどころを見失っているよう。
正義は揺らぎ、真なる力もまた、陰りを見せる。
そんな困惑の聖騎士に、杏は誘いかける。
「ふふ、仲直りの印に皆で踊ろう。うさみん☆、れっつだんす♪」
ぱっちん。
杏が指を鳴らすと、うさみみメイドさんがご登場。どこからともなく流れ出したメロディに乗せて、陽気に踊り出した。
杏自身も、『灯る陽光』を、ライブとかの例の棒みたいに振ってテンポに乗った。
踊るうさみみ、乗る木元。同じ木元なら踊らにゃソン! というわけで、祭莉もダンスメンバーに加わった。
「ん、ダンスの時間。じゃあ、ぜんりょーの仲間を呼ぶかなあ。いでよー、メカたまこー♪」
コケコケ×159!
隠し聖堂の中が、瞬く間にニワトリでいっぱいになった。これぞ白い悪魔、凶悪なる白……!
「はい、一斉に。だんしん&しんぎん♪」
祭莉の号令で、ニワトリ型ロボの皆さんが踊り出した。と、言っても、みんな|自分勝手《マイペース》なリズムと振り付けなので、統一感はない。
ともあれ、祭莉の合図で転調!
「前蹴り&飛び掛かり♪」
『コケー!』
げしげし、ばたばた!
「羽ばたき&突っつき♪」
『コケコケー!』
ばさばさ、ざくざく!
「ん、リズム感抜群♪」
祭莉、ご満悦。
一方、杏達のペースに巻き込まれた聖騎士は、すっかり動きと速度を乱され、攻めあぐねる。
「ん、白騎士さんテンポずれた。足、もっと踏ん張って」
『!?』
挙動を遅延させた聖騎士に、杏は大剣モードの『灯る陽光』&怪力でびしばし叩いて指導、指導。
「わたし、他人の音感の悪さには厳しいよ」
きりっ。
杏のスパルタ風味指導に、聖騎士もその厳格さを以て対抗した。
すなわち、真剣なダンス、である。ただし、剣の舞。
『舞踏に調子を合わせれば、このようなユーベルコード、恐れるに足らず……!』
しかし!
すっかりノリノリの祭莉が、聖騎士の一撃をかわしつつ、スライディングを仕掛けた。ぐらり、態勢を崩したところに、電撃ぱんちを一発キメ!
『うぬ……!』
祭莉の強打に、ひしゃげる鎧、散る天使の羽根。
「鎧さん、減点」
ざんっ、と『灯る陽光』で、杏が聖騎士を成敗したのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『契約の大天使メタトロン』
|
POW : 第一の試練
【戦闘の意志】を見せた対象全員に「【指定する行動を禁止(時間経過で指定変更)】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【全ての能力】が半減する。
SPD : 第二の試練
【大鎌による強力な斬撃】を放つ。他のユーベルコードと同時に使用でき、【第一の試練の】効果によってその成功率を高める。
WIZ : 第三の試練
【光輪から無数の光線】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「約・契」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
『白教の聖騎士』は、倒れた。
だが、その物言わぬ鎧は、突如、光輝を発した。
全身が粒子化し、再構築された後に現れたのは、予知にあった神聖なる姿……『契約の大天使メタトロン』だった。
|絶界詩篇殺戮者《ゴッドキラー》の降臨。だが、その脅威の出現は、別の異変を猟兵達にもたらした。それは、予兆。
視界に一瞬ノイズが走った後、猟兵の前に広がった光景は、どことも知れぬ一室の景色。
中心には、一台のコンピュータ。淡く輝く画面では、何やら不可思議な文字列が走っている。
この場所は、ゴッドゲームオンラインではない、『統制機構』の光景だ。
直感、或いは天啓というべきか。統制機構に住むもの……ゲームプレイヤーには、この場所がどこなのかわかった。
そして、このコンピュータを破壊すれば、絶界詩篇殺戮者の優位を揺らがせる事が出来る事も……。
再び、場面は聖堂へと戻る。目前には、大天使メタトロン。
『白教の聖騎士』を上回る圧が、対峙するものに押し寄せる。このまま戦えば、いかに猟兵といえど、大きなダメージを与える事は困難であろう。
『|遺伝子番号《ジーンアカウント》の焼却を阻むもの。世界の秩序を乱さんとする猟兵達よ。貴方達は、この世界には不要なのです』
向けられる、断罪処断の鎌。
この恐るべき敵を弱体化させるための、勝利の鍵は……統制機構にこそある。
東・御星
さて、今回の攻略の活路を開くにあたり、私が多くの猟兵と決定的に違う点。
それは私のパートナー、美結が統制機構出身であり、私の縁糸の魔眼により私と2人で1人の猟兵となった、という事。
その為垣間見たヴィジョンの場所の特定を行うのは美結も可能。
なので、私が絶界詩篇殺戮者の攻撃を限定的でいいのでUCで可能性を入れ替え時間を稼ぎながら、美結が瞬間思考力・ブームの仕掛け人・高性能を駆使しながらの応用力の利いたハッキングから全GGOのPLにこのエネミー打倒のため場所を特定の後協力を呼び掛ける。その時にはまあ美結にはGGO時代の「アリサ」のHNを使ってもらうとして。統制機構のPL達の活路を開くため全力を尽くす!
先行する猟兵達に加勢するため、東・御星(破断創炎の閃鋼・f41665)達が駆け付けた。
|絶界詩編殺戮者《ゴッドキラー》。今回の難敵攻略の活路を開くにあたって、御星が、多くの猟兵と決定的に違う点。
それは御星のパートナー・美結が、縁糸の魔眼により、御星と2人で1人の猟兵となった、という事。そして、統制機構出身であるという事だ。
すなわち、垣間見た|予兆《ヴィジョン》の場所の特定を行うのは、美結にも可能だという事を意味している。
『たとえ猟兵であろうとも、絶界詩編殺戮者である私には及ばないでしょう。さあ、試練の時です』
大天使メタトロンが、天鎌を掲げた。その背にした光輪から、輝きが放たれる。
聖堂を埋め尽くすほどの光線が、御星達の視界を白く染めた。
転移強制の聖光が、御星の身体を焼く……はずだった。
『……どういうことです?』
望む結果が訪れないことに、メタトロンは、美しき眉をひそめた。
御星の発動したユーベルコード……可能性の入れ替えが、メタトロンの光線を実質的に無効化したのだ。
そうして御星が時間を稼ぐ間に、美結も行動していた。己の技能のかけ合わせ……瞬間思考力・ブームの仕掛け人・高性能……を駆使し、ハッキングを仕掛けた。
ゴッドキラーの力の源泉への直接アクセスは難しい。それにこの作戦では、物理的な破壊が有効だろう。
美結のハッキングの目的は、GGOの一般ゲームプレイヤーに、ゴッドキラー打倒のため、コンピュータの場所を伝え、協力を呼び掛けることにあった。
現在は引退状態にあるとはいえ、昔取った杵柄というもの。美結がゲームプレイヤー時代に名乗っていたハンドルネーム『アリサ』の出番だ。
「お願い、力を貸して!」
御星達の読みは的中し、その訴えは届いた。ヴィジョンの示した部屋に近いもの達が、行動を開始したのだ。目指すはコンピュータ。
後は、破壊がなされるまでの時間、御星がメタトロンの攻撃をしのぎ続けるだけ。
『ここまで私の攻撃に耐え続けるとは。その力、評価に値すると判断します』
「そういってくれると嬉しいかも! 統制機構のPL達の活路を開くため、全力を尽くす!」
果たして、御星の献身は結実した。
突如、メタトロンの姿にノイズが走り、光線が減衰する。
『これは……私の力が失われていく……まさか?』
「うまくいったみたいだね!」
|美結《アリサ》と視線を交わす御星。PL達の奮闘への感謝と、作戦の成功を確信して。
成功
🔵🔵🔴
印旛院・ラビニア
今回はもう僕が向かわなくても大丈夫そうかな
「頼みのチート能力が無くなって、ねえどんな気持ち?どんな気持ち?」
無数の光線も最初は回避に専念するけど、パターンや発動前の動きを【学習力】で【見切り】、反撃の余裕が生まれたら【高速詠唱】【召喚術】で戦乙女達を召喚し、指示を与える
「ランドガルダは攻撃を自身に集めて、エイラはダメージを回復!ダメージが蓄積したら再召喚するから|棲家《カード》に戻って!ソグマは弱体化をかけて、シグルーネは戦乙女全体の強化!」
召喚で数が増え、威力が高まったところで
「行くよ、戦乙女の行進!!」
彼女達の合体技でメタトロンを攻撃
「GGOの自由と平和は譲れないよ!」
統制機構の方は、他の猟兵が、機転を利かせて対処してくれたようだ。目の前にいる|絶界詩篇殺戮者《ゴッドキラー》の弱体化がその証拠。
となれば、印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)がすることはただ一つ。
「頼みのチート能力が無くなって、ねえどんな気持ち? どんな気持ち?」
……めっちゃ煽ることだった。
メタトロンもメタトロンで、生真面目な性格設定なのか、ラビニアの期待するような「くっ……!」という顔をしてくれたので満足であった。
しかし、これで|降参《サレンダー》というわけではない。
『力は失われようとも、使命まで消えたわけではありません。大天使の名に懸けて、あなたに試練と焼却を与えましょう』
大天使の光輪が、眩い光を放つ。
『あなたに相応しい試練は決まりました』
光は試練の矢となって、ラビニアから逃げ場を奪い取ろうとする。
ひとまず、回避に専念するラビニア。長・兎耳を揺らして素早く室内を駆け回り、転移強制の光線をかわしていく中で、攻撃のパターンや、発動前の予備|動作《モーション》を観察。
無数を誇る光線とて、常時発射されているわけではない。弱体化を通じて、その頻度は大きく低下している。
「こうなると、『白教の聖騎士』の方が歯応えがあったかもしれないね!」
照射と照射の間隔を見切り、反撃のチャンスをつかむと、攻勢に転じた。ラビニアのターン!
反撃の嚆矢として召喚された戦乙女が、大天使を迎え撃つ。
続けて、一体、また一体と召喚を重ね、戦乙女達の数が戦場に増えていく。
「ランドガルダは攻撃を自身に集めて、エイラはダメージを回復! ダメージが蓄積したら再召喚するから|棲家《カード》に戻って! ソグマは弱体化をかけて、シグルーネは戦乙女全体の強化!」
ラビニアの矢継ぎ早の指示のもと、メタトロンと攻防を繰り広げる戦乙女達。
そして、準備は整った。威力が十分に高まったところで、ラビニアはいよいよ|攻撃《アタック》!
「行くよ、|戦乙女の行進《ヴァルキリーズ・パレード》!!」
勢ぞろいした戦乙女達が、舞い踊る。
メタトロンの縦横無尽の光線をかいくぐり、合体技が炸裂する!
『なんという華麗な技でしょう……!』
「GGOの自由と平和は譲れないよ!」
戦乙女の一斉攻撃にさらされながらも賞賛するメタトロンに、ラビニアはいちゲームプレイヤーとして、決意と覚悟を示したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
儀水・芽亜
どうやらまともに戦えるようになりましたか。助かりました。
さて、そろそろ詰みですよ、絶界詩篇殺戮者。
敵が反応する前に、裁断鋏で「なぎ払い」「切断」し、「部位破壊」で片腕を切り落としましょう。
第一の試練を受けたら、こうするまでです。
裁断鋏に「浄化」の「武器に魔法を纏う」で自分のお腹に裁断鋏を突き刺し、目覚めの時間。
これで能力低下もリセットです。
まあ、多少能力が落ちても、今なら何とかなりそうに思いますが。
さあ、裁断鋏で攻めかかりましょう。
大鎌は裁断鋏で「武器受け」しつつ、第一の試練が来たらまた目覚めの時間でリセットして。
そもそもあなたはどこから送り込まれてきたのです? ただのバグではありませんよね。
大天使メタトロンの光輝の弱まりは、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)に、安堵を覚えさせていた。
「どうやらまともに戦えるようになりましたか。助かりました」
先行した猟兵に感謝しつつ、メタトロンと相対する芽亜。
「さて、そろそろ詰みですよ、|絶界詩篇殺戮者《ゴッドキラー》」
しかし、力が弱まろうと、バグプロトコルの行動は変わりない。ただ|遺伝子番号《ジーンアカウント》焼却のために、力を奮うのみ。
先手を取ったのは、芽亜だった。今の相手の機先を制するのは、容易いこと。
裁断鋏の一閃にて宙を舞ったのは、大天使の片腕。切断面からは、構成データの残滓が粒子のように散った。
『戦意あるものよ。その刃を私に向ける事を禁止します』
メタトロンの言霊が、芽亜を律した。いや、制御した、というべきか。
だが、芽亜の覚悟は、大天使の試練をものともしない。
おもむろに、裁断鋏を突き立てる。……ただし、自らの腹部に。
「目覚めの時間です」
『?』
不可解。さしものメタトロンも、芽亜の行動は一瞬理解できなかったようだ。
しかし、それが無意味な行為であるはすがない。メタトロンは、芽亜の真意に辿り着く。
『私の制約から逃れるためですね』
「ご名答です」
裁断鋏には、浄化の魔法が纏われていた。
メタトロンの影響からの目覚め。危難を脱した芽亜は、平然とした顔で、敵を見つめた。
「これで問題はありません。まあ、多少能力が落ちても、今なら何とかなりそうに思いますが」
痛み与えぬ鋏を引き抜くと、再び、芽亜が鋏の切っ先を大天使に向けた。
されどメタトロンもまた、冷静だった。ユーベルコードが効かない以上、自らの身体能力にてお相手するのみ。
片手を駆使して大鎌を振るい、狙うは、芽亜の首1つ。だが、芽亜はそれを裁断鋏で受け止め、弾き返す。
メタトロンも、再び『第一の試練』を発動するタイミングを見計らっているようだ。
新たな制約を課したとて、リセットされてしまえば元の木阿弥。しかし、芽亜の対処を警戒するあまり、好機を見いだせない。
敵の体力を徐々に削りながら、芽亜は問うた。
「そもそもあなたはどこから送り込まれてきたのです? ただのバグではありませんよね」
『その問いに回答する権限は与えられていません』
ならば致し方なし。
芽亜は、ためらいなく、断裁鋏を繰り出したのだった。
大成功
🔵🔵🔵
竜珠・アルベルチーヌ
天使の圧が変わった…『リアル』の冒険者の活躍が有ったのね!
遺伝子番号の焼却なんてものを掲げての秩序ですって?貴方達の方が余程悪辣で残虐だわ!NPCはこの世界で、課金冒険者はリアル世界で生きてるのよ?
私は猟兵覚醒してもやっぱり守護獣アルル
この世界での役割を果たしますからね!
🔴真の姿の白い有翼竜へ
UCで敵攻撃を1/10にして更にオーラ防御と衝撃吸収
貴方の力なんて撥ねのけるよ
咥えたピルエラの杖(武器)から光線、これはマヒ攻撃!
試練へは負けん気で挑む
UCの3倍効果に賭けるよ
半減されたって怪力で体当たり&頭突き!さらに衝撃波でふらつかせ…左右連続蹴り!召しませ自慢の脚力を
冒険者焼却なんてさせないから!
「天使の圧が変わった……『リアル』の冒険者の活躍が有ったのね!」
竜珠・アルベルチーヌ(リュージュの守護獣アルル・f42188)は、メタトロンの弱体化を確かめて、歓喜の声を上げた。
後は、この敵を討伐するだけ。その一押しは、アルベルチーヌ達にかかっている!
「遺伝子番号の焼却なんてものを掲げての秩序ですって? 貴方達の方が余程悪辣で残虐だわ! NPCはこの世界で、課金冒険者はリアル世界で生きてるのよ?」
ノンプレイヤーキャラクターの立場から、訴えるアルベルチーヌ。
だが、メタトロンの|役目《ロール》の強度は揺るがぬ。
『私は私に与えられた使命を果たすのみ。抵抗するのなら容赦は出来ませんよ』
「望むところ! 猟兵覚醒しても私はやっぱり守護獣アルル。この世界での役割を果たしますからね!」
翼を広げるアルベルチーヌ。その姿は、真なるそれへと転化。ピンクのたてがみ、乳白色の鱗を備えし、白き有翼竜が顕現する。
『なんと雄々しきその姿。あなたには2つの試練を授けましょう』
鎌と共に迫る大天使に対し、白竜アルベルチーヌが羽ばたいた。舞い散る羽根が、空中に円環を描き出す。
それをくぐった大天使の動きが突然、鈍った。アルベルチーヌを包むオーラと鱗による衝撃吸収により、敵の刃が届く頃には威力は1/10にまで減衰していた。
「貴方の力なんて撥ねのけるよ」
アルベルチーヌの咥えたピルエラの杖が、光線を迸らせる。至近で浴びたメタトロンの四肢は麻痺に苛まれた。
だが次の瞬間、アルベルチーヌに重圧が押し寄せた。戦意を見せたものに与えられる、制約の試練。
『私への接近を厳に禁じます』
「だとしても!」
新たな試練を前に、アルベルチーヌは、負けん気を発揮した。
持ち前の怪力で、突進を敢行。その速力は、試練の制約により低下している。それでも尾で床を叩き、力強く踏み出して、魔力の円環を潜り抜ける。
『!?』
円環の加護が、アルベルチーヌを加速させた。虚を突かれたメタトロンには、それをかわす事はかなわない。
竜身による体当たり、そして頭突きが、大天使を襲う。更に、流れるような動きで衝撃波を見舞うと、
「召しませ自慢の脚力を」
怒涛の左右連続蹴りが、メタトロンの体力を大いに削り取った。
「冒険者焼却なんてさせないから!」
アルベルチーヌの決意が、大天使の試練を跳ね返すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
木元・杏
まつりん(祭莉・f16554)と
ん、弱体化成功
さすが猟兵、さすりょ
わたし達も行こう、まつりん
まつりんと連携して大天使に立ち向かうよ
大鎌は今迄の戦闘知識をフル回転、大剣にした灯る陽光で武器受けしたりオーラで弾いたりしながらくるんとジャンプ!
ふふ、わたし達、毎日たまこ(飼い鶏)のお世話してるから、翼のある生き物の扱いには慣れてる
普段の生活を思い出せばお家に帰りたくなるけど、そうはいかない
帰る時はまつりんと一緒
ふん、とふんばりダメージに耐え切ろう
うさみん☆、覚えたね?よし
まつりんの攻撃のタイミングに合わせて
【Memorizing Usamin☆】
大天使、貴女の居場所はここじゃない
骸の海にお帰り
木元・祭莉
大天使さんだ!
ウチの母ちゃんも天使?(ミカエラ)なんだよ、奇遇だね!
またぁ?
ねーねー、このイベント試練ばっか多くない?(悪い子化)
そろそろアルティメットスーパーレアゴッドキラー☆キラーとか出てもいいと思うんだけどなあ。
その方が人気出そうじゃない?
とか、戦闘の意志は見せずに管を巻いてよっと。
羽根が多ければエラいとか思ってない?
羽根なんかなくたって、おいら飛べるもんねー!
さっと最高速で体当たりしちゃえ!
ふふふん、飛べなくても走れるし!
走らなくても、踊れるし!
踊れなくても、歌えるし!
さあ、次はどうする?
何しても無駄かな、だっておいらココの住人じゃないもん。
いくらでも想定外、続けてあげるね!(バキ)
地に堕ちた大天使。
神聖なオーラが霧散した|絶界詩篇殺戮者《ゴッドキラー》を指さしたのは、木元・祭莉(銃弾を次から次へと叩き落とすなにかの達人・f16554)。
「大天使さんだ! ウチの母ちゃんも|天使《ミカエラ》?なんだよ、奇遇だね!」
生やした翼に親近感を抱く祭莉に、しかし、メタトロンはくすりとも笑わず、真剣なまなざしを返すのみ。
その目力に陰りを察し、木元・杏(杏世界の真実・f16565)は、確信頷きを見せた。
「ん、弱体化成功。さすが猟兵、さすりょ」
傍らの祭莉とアイコンタクト。
「わたし達も行こう、まつりん」
敵のライフはあとわずか。杏達の手で最後の一押しだ。
しかし、祭莉達猟兵にどれだけ追い込まれようとも、メタトロンは『役目』に忠実だった。
『あなたにも試練を与えましょう』
「またぁ?」
メタトロンの宣告に、祭莉が悪い子化した。
「ねーねー、このイベント試練ばっか多くない? そろそろアルティメットスーパーレアゴッドキラー☆キラーとか出てもいいと思うんだけどなあ。その方が人気出そうじゃない?」
ぶーぶーと、悪態をつく祭莉。
しかし、ただ単に管を巻いているだけではない。うかつに戦意を見せればユーベルコードの対象と判定される。
であれば、こうしてのらりくらりとかわして見せる事も、有効な対処法の1つと言えた。
祭莉が機転を利かせる間に、杏が、大天使に攻撃を仕掛けた。
『猟兵ならば遺伝子番号の焼却も通じないでしょう。だとしても』
杏への迎撃として、振るわれる大鎌。
試練の刃に杏は、今迄の戦闘知識をフル回転。大剣を形成した『灯る陽光』で、その刃を受け止め、跳ね返した。衝撃の強さは、想定していた以上に、軽い。
それでも表情を変えることなく、冷徹に大鎌を振るうメタトロン。
繰り出される『剣舞』ならぬ『鎌舞』を、杏は大剣やオーラを駆使して弾くと、その反動を生かして、くるんとジャンプ。
「ふふ、わたし達、毎日|たまこ《飼い鶏》のお世話してるから、翼のある生き物の扱いには慣れてる」
鳥も天使も、有翼というくくりでは同じカテゴリー。
『だとしても、鳥にはこのような力がありますか?』
メタトロンは、大鎌を止めると、背にした光輪を回転させた。
連なるダイヤから放たれた眩い光線が、杏や部屋中を真白に染める。
それを浴びた杏の胸に、普段の生活が去来する。郷愁の念……家に帰りたい気持ちがこみあげる。けれど、そうはいかない。
「帰る時はまつりんと一緒」
杏は耐えた。だが、その代償は、その身を焼く痛みだ。
ふん、と踏ん張り、ダメージに耐え切る。自ら杏もまた、『さすりょ』の一人なのだ。
そんな杏の傍らに、いつの間かうさみみメイドさん。
「うさみん☆、覚えたね? よし」
いつでもいける、といった風な自信満々を感じる。あとは、タイミングを見計らうだけ。
なら任せて! と祭莉のクダ巻きが、メタトロンの意識を引き寄せる。
「ねえ、羽根が多ければエラいとか思ってない? 羽根なんかなくたって、おいら飛べるもんねー!」
ぶわり、と燃え上がる白炎。加速した祭莉が。ひゅん、と室内を自在に飛び回ってみせると、さっと最高速へ到達。勢いに乗せて、メタトロンに体当たりを食らわせた。
『であれば、飛翔するのを禁止します』
ぱちん、とブロックがはまるような硬質の音がして、祭莉が突然墜落した。これぞユーベルコードの制約だ。
だが、祭莉は白炎の力を操って見事に着地、そのまま地面を駆けまわる。
「ふふふん、飛べなくても走れるし!」
『ならば走行を禁じます』
「走らなくても、踊れるし!」
『ダンスを禁じます』
「踊れなくても、歌えるし!」
ルールと行動の攻防戦。
「さあ、次はどうする?」
『…………』
不敵な笑みの祭莉に対し、メタトロンは沈黙した。最適解が見当たらないようだ。
「何しても無駄かな、だっておいらココの住人じゃないもん。いくらでも想定外、続けてあげるね!」
演算を停滞させたメタトロンに、きらり輝く祭莉の瞳。高めたテンションをこめたパンチがバキッ、と炸裂した!
メタトロンが仰け反るのに合わせ、うさみん☆が動いた。
その背に現れる、光の輪。大天使メタトロンのものと同じ。異なるのは色合いと、光輪を構成するのがダイヤ型の欠片ではなく、ウサミミ型のものであるということ。
ならば、その能力もまた同じであった。
かっ、と迸る聖光。安全地帯を奪う予想外の反攻に、メタトロンはなすすべもなかった。
「大天使、貴女の居場所はここじゃない。骸の海にお帰り」
杏の紡いだ白き浄化の光に飲み込まれ、遂に大天使の手から、大鎌が離れたのだった。
『よくぞ、我が試練を乗り越えまし、た……』
発光エフェクトと共に、大天使メタトロンの姿が消失していく。
断末魔が如く散った天使の羽根も、|塵《データ》へと還る。忌まわしき|絶界詩篇殺戮者《ゴッドキラー》の撃破である。
次にこのクエストに挑むゲームプレイヤー達が、|遺伝子番号《ジーンアカウント》を奪われる未来は、猟兵により焼却されたのだ。
大成功
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