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帝竜戦役⑨〜帝竜ガルシェンは自らの死を願う

#アックス&ウィザーズ #戦争 #帝竜戦役 #帝竜 #ガルシェン #群竜大陸

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 群竜大陸の一画に存在する沼沢地が、突如として割れる。
 中から這い出てきたのは、何十kmにも及ぶ巨体の帝竜『ガルシェン』だ。
 ガルシェンは目覚めると、己の中に湧き上がる凄まじい破壊の力に困惑する。
「このままでは……わたしは世界を殺してしまう」
 今のガルシェンは『存在してはならないこと』を自身が一番理解している。
 たとえガルシェンに『再孵化』以前の記憶はなく、己の存在が本当にかつて『界を渡るもの』だったのか、今のような彩り溢れた美しい姿であったのか推し量ることが出来なくとも、それだけは確信的に断言できた。
「嗚呼、誰か……誰かわたしを殺してください……」
 虚空へ願う帝竜の中では、絶えず無量大数の生命の進化と絶滅が今も繰り返されている。もはやそれは、ある意味、神の領域に達する所業である。
「誰かがわたしを殺してくれなければ、わたしは世界を殺してしまう。ゆえに、わたしを殺してくれる勇士の訪れを、わたしは、待っています……」

「新たな帝竜の存在を確認したよっ!」
 蛇塚・レモン(白き蛇神オロチヒメの黄金に輝く愛娘・f05152)はグリモアベースに集まってくれた猟兵達へ、現在状況が進んでいる『帝竜戦役』の新たな展開を報告する。
「毒ガスの蔓延する広大な沼沢地に眠っていた帝竜の名前は『ガルシェン』だよっ! 凄まじい生命力を宿している上に、胎内で進化と滅亡を繰り返す新たな生命を利用したユーベルコードがすごく厄介な敵だねっ!」
 猟兵へ予知で発覚した帝竜ガルシェンのユーベルコードの内容を、レモンは資料として配布しながら、今回の任務内容を伝達した。
「今回も帝竜討伐戦ということで、相手はユーベルコードを必ず先制して放ってくるよっ! みんなはそれに対して対抗策を講じた上で、カウンターのユーベルコードをぶつけてねっ! 敵は体力オバケだから、そう簡単に斃れてくれないだろうけど、皆ならきっと打倒してくれるって信じてるよっ!」
 説明も手短に、レモンは早速、群竜大陸への転送を開始する。
「あ、そう言えば……!?」
 レモンは一言、猟兵達へ告げる。
「ガルシェンは何故か、自分を早く殺してほしいって懇願してるっぽい? でも、みんなへの攻撃は殺す気で仕掛けてくるから、情にほだされて手心は加えちゃ駄目だからねっ!」
 レモンの忠告を受けた猟兵達は、生命の塊というべき帝竜を斃すべく、割れた沼沢地へ転送されるのであった。


七転 十五起
 なぎてんはねおきです。
 このシナリオの難易度は【やや難】です。
 帝竜ガルシェン討伐戦、張り切って参りましょう。

 このシナリオのプレイングボーナス:『敵のユーベルコードへの対処法を編みだす』
(敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります)

 敵のユーベルコードは、猟兵側の使用するユーベルコードの種類に対応して使用します。猟兵側のユーベルコードの複数回・複数種の使用は、敵のユーベルコードの使用回数と種類がそれだけ増すので非推奨です。
 また、【状況的に不可能な先制攻撃への対処法】や、【公序良俗に反する内容と判断したプレイング】、更には【極端に文字数が少ない若しくは内容の薄いプレイング】については却下対象とさせていただきますので、此方もご了承願います。

 コンビ、チームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ずお相手の呼称とID若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
(大人数での場合は、チームの総勢が何名様かをプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能です)

 なお、本シナリオは速度重視のため、全てのプレイングを採用できない可能性があります。予めご了承くださいませ。

 帝竜ガルシェンの『願望』を叶える猟兵は、あなたかもしれません。
 どうか、その手で終わらせてあげてくださいますよう、よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『帝竜ガルシェン』

POW   :    創世巨獣ガルシェン
【獣の因子】を使用する事で、【巨大な薔薇】を生やした、自身の身長の3倍の【創世巨獣形態】に変身する。
SPD   :    アンチイェーガー・ギガンティス
いま戦っている対象に有効な【猟兵を殺す毒を宿した『新種の巨大生物』】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    防衛捕食細胞の創造
召喚したレベル×1体の【外敵を飲み込み自爆する『巨大スライム』】に【虫を思わせる薄羽】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。

イラスト:桜木バンビ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

地籠・陵也
【乱入連携アドリブ諸々歓迎】
この竜はとても優しい竜だな……心がほとんどなくなった俺でもわかる。
対面して言葉を聞いて、それをより強く実感した。
そして自分が招いてしまうかもしれない結末を恐れているんだ。
――痛いぐらいわかる。何かを"失ってしまう"ことの怖さは。
できることなら、敵としてでなく会って話がしてみたかった。

【指定UC】で魔法陣を【高速詠唱】で展開。敵の攻撃を凍らせて仲間たちの被弾をできる限り防ぐ。流石に竜は凍らせられないだろうが、冷気で体力は削れるハズだ。展開を続けて相手の勢いを削いでいこう。
もし凍らせても飛んでくる攻撃でも、凍結させて飲み込まれる前に破壊してしまえば爆発はしないハズだ。


ナハト・ダァト
あア。遠慮なク……呵責モなク
君ニ応えルとしよウ

対処法
飛来するスライムの構造を
情報収集、世界知識、医術を用いて早業で把握

即座に爆発しない解体方法を考案し
スライムに対して医術をドーピングと限界突破まで併用した早業で行う

そうして解体したスライムを
自らの残像として武器改造を行う

残像へと変化させたスライムには迷彩を加えてより本物に近く

大量に用意することで攪乱を行う

更に自身は解体したスライムの中へ潜み
生み出されたスライムに紛れながら接近

ガルシェンに接敵した瞬間
傷口をえぐる、2回攻撃の技能で十ノ悪徳を繰り出す

生み出す生物
肉を喰らい
宙を自在に舞う飛魚

もウ一度、生命ヲ育ムと良イ
望ミ通リ、君ヲ終わらせル生命ダ


死之宮・謡
アドリブ歓迎

再孵化を厭うか…或いは貴様は竜帝の号を得れど奴には従わぬか?
其れもまた一興

滅ぼしてしまったって良いだろう?この世界に愛着でも?それとも未練かい?
既に死んでしまった貴様が何を気にかけるのかは知らんが…
まぁ良いだろう…さぁ、滅び去るが良い…


貴様が巨大化するならば、私も巨大化を…まぁサイズ比では惨敗だがマシにはなろう?
【万天を喰らうモノ】
まぁ飛翔して上を取るんだがな?
左右の首でブレスト魔法を放ち、中央の首は攻撃の対処ようにフリーにしておく…まぁ好機には畳み掛けるが

地道に削ろう…或いは、他の連中の分も注意を惹きつけてやってもいいがな


四王天・燦
(歪まされた帝竜…本当に人と竜の戦いか?)
ヴァルギリオス様以上に討つべき者がいるのではと勘繰るね

「殺しの依頼、確かに承った」
ダッシュで駆ける。
クライミングで登る。
目指すはガルシェンの頭部

スライムは四王稲荷符から飛ばす火球(火炎属性攻撃)で迎撃。
上方注意は怠らず、急降下で強襲する個体を見切るようにするよ。
味方に大声で「上からくるぞー」など声かけ

急所―脳を狙える所まで達したら問おう。
「竜と人――魔と人は、分かり合えないのかな?」
最期にガルシェンの個人的見解・願望を聞いておきたい

フォックスファイア・伍式を急所に乱れ撃ちして全弾撃ち込む。
苦痛は与えない。
「世界は現役世代に任せて安心して逝ってくれ」
一礼


アイソラ・グランホエール
その覚悟に応えるためにも全力でいかないとね――変身!(機械鎧姿で戦闘領域に突入)


【WIZ】
敵を飲み込んで自爆するなら、リトルフィッシュで体内から攻撃させて自爆を誘発させてみよう。他のスライムも自爆に巻き込めたらさらに良し。

そうして作った隙間から自分を【念動力】で後押ししてガルシェンに一気に接近、星海の剣に【念動力/怪力】を乗せて【2回攻撃】だ。
巨獣相手なら【武器破壊/鎧砕き】で関節や首を狙っていくよ。


シズホ・トヒソズマ
シェヴェラの砲撃ユニットに乗り◆空中浮遊して飛行
沼を気にせず移動し空から大帝巫の隠密札で巨大生物を攻撃
毒のありそうな近接、遠距離攻撃、ガンシェルの攻撃をクロスリベルで強化した反射と移動力と◆早業◆操縦で回避に集中
巨大生物の死角に入った隙に、攻撃の合間に張り付けた隠密札を介して認識改変◆催眠術『攻撃対象をガルシェンと誤認』を使用
攻撃が逸れた隙にUC発動

UCでキエリビウムJOXの力を使用
実体化した巨大物質分解触手で巨大生物ごとガルシェンを殴打、さらに締め付けて物質分解と圧力で拘束
◆激痛◆呪詛◆毒耐性でデメリットを凌ぎ
分解で脆くなった体の箇所に加速し突っ込みクロスリベルの◆怪力巨大爪で◆串刺しにする


クレア・フォースフェンサー
世界を破壊せぬために自らの死を望む――
オブリビオンとなりてなお、世界を守ろうとするとはまさに神と呼ぶにふさわしいのう
どこぞの鋼神に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいものじゃ

ガルシェン殿
おぬしがおぬしの力を抑え続けてくれていること、深く感謝する
おぬしがおぬしである内に、その破壊の力を骸の海に還させてもらうぞ

と言うてはみたものの、この大地全てがおぬしの身体だというのか
これは一撃に全てを掛けねばなるまいな

マシン・ビークルによる光盤に乗って遥か上空に位置し、巨体の攻撃を回避
全周に展開した光珠と見術をもって核を見切り、選択UCの力を付与した光弓で射貫く

ガルシェン殿
その魂に僅かなりとも安らぎが訪れんことを


ルード・シリウス
神喰と無愧を構え、外套と靴の能力で気配と音を殺しつつ、残像を囮として置きながら掻い潜る様に回避、同時に二刀で防御しつつ猛攻を凌ぐ
猛攻を凌ぎ切ったら、一気に接近。
【魂装】で武装の真名及び自身の真の姿を解放。これまで喰らった帝竜や敵を憑依して身体能力を強化
二刀による連撃と捕食の能力で暴食するが如く斬って喰らい、受けた傷を癒しながら戦う

しかし、流石は帝竜だ。先の戦いで戦った一体を喰らっただけで一気に力が漲るのを自覚する
嗚呼、望み通り殺してやるさ。だから、お前のその血肉と命を寄越せ
お前ならきっと…他の帝竜を、ヴァルギリオスをも喰らえる程の力を得られるに違いないからな


アウル・トールフォレスト
(※好きにお任せします)
何となく、わかるよ
もう、どうしようもないんだね
大きなあなた、創世のあなた…過去のあなた、オブリビオン
わかってる
殺してあげるね

先制攻撃には防御を
オーラを展開して、毒にも、衝撃にも、負けないように気力を保って

そうして
わたしは終わりを彼に告げるの

【開花の時は来たれり、我は天地囲う世界樹なり】
「神体」に変貌したわたしは、沼も毒も生物も糧にして拡がり続ける
わたしは世界を覆い、そして囲った天地を爪で引き裂きましょう

けれども、それだけ
わたしは終わらせたいだけ。それ以上の必要は、きっと無い
一緒に眠ろう、母なるあなた…ううん、父なる?どっちでもいいや
終わった後には、安寧が必要なのだから



 その帝竜『ガルシェン』は、あまりにも巨大すぎた。
 全長何十kmに達するその巨躯は、身動ぎするだけで地鳴りがする。
 そんなガルシェンの元へ、9名の猟兵達が駆け付けた。
 ガルシェンは猟兵達を見下ろすと、僅かに目元が喜色で緩んだ。
「ああ……来てくれたのですね。私を、殺してくれる勇士達……」
 精一杯力を抑え込んでいるせいか、息も絶え絶えで言葉を発することさえ辛そうなガルシェン。
 そんな相手に、猟兵達は各々の思いをぶつけ始める。
 地籠・陵也(心壊無穢の白き竜・f27047)は、ガルシェンの言葉を聞いて確信した。
(この竜はとても優しい竜だな……心がほとんどなくなった俺でもわかる)
 対面して言葉を聞いて、地籠はそれをより強く実感した。
「ガルシェン。できることなら、敵としてでなく会って話がしてみたかった」
 そう告げた理由は、彼自身が過去に喪失感を味わっているからだ。
(自分が招いてしまうかもしれない結末を恐れているんだ。――痛いぐらいわかる。何かを“失ってしまう”ことの怖さは)
 クレア・フォースフェンサー(UDC執行者・f09175)もまた、ガルシェンの悲痛な願いに理解を示す。
「世界を破壊せぬために自らの死を望む――オブリビオンとなりてなお、世界を守ろうとするとはまさに神と呼ぶにふさわしいのう。どこぞの鋼神に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいものじゃ」
 老獪な口調は、自身に宿る究極の技量を会得した老練な剣豪の魂の影響。
 クレアはガルシェンに頭を避けて敬礼してみせた。
「ガルシェン殿。おぬしがおぬしの力を抑え続けてくれていること、深く感謝する。ゆえに、おぬしがおぬしである内に、その破壊の力を骸の海に還させてもらうぞ」
「そうですね、殺すことが救済というのなら、それをやってのけるのが猟兵です」
 シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)は重力制御で浮遊可能な砲撃ユニットに搭乗する人形『シェヴェラ』の砲撃ユニットに乗り宙に浮かんでいる。
 その態勢はいつでも攻撃へ転じられると言わしめる重圧を発している。
 ちょうどその真下で不敵な笑みを浮かべる死之宮・謡(狂魔王・f13193)がガルシェンへ語りかける。
「再孵化を厭うか……或いは貴様は竜帝の号を得れど奴には従わぬか? 其れもまた一興……」
 見据える真紅の双眸は、処刑人の如き冷徹さを宿す。
「帝竜ガルシェン。別にオブリビオンらしく世界を滅ぼしてしまったって良いだろう? この世界に愛着でも? それとも未練かい? 既に死んでしまった貴様が何を気にかけるのかは知らんが……まぁ良いだろう……殺せ、というのなら貴様が望むがままに」
 ナハト・ダァト(聖泥・f01760)もまた、帝竜の『願い』を叶えるべく、この場に馳せ参じたひとりだ。
「あア。遠慮なク……呵責モなク、君ニ応えルとしよウ」
 ブラックタールであるナハトの全身から触腕が伸びる。後光が差す無限光は彼が叡智の聖者である証だ。
 四王天・燦(月夜の翼・f04448)もガルシェンの言葉を『依頼』として受領する。
「殺しの依頼、確かに承った」
 だが、その腹の中では、どうにも腑に落ちない事だらけであった。
(歪まされた帝竜……? オアニーヴといい、本当にこの『帝竜戦役』は、人と竜の戦いか?)
 帝竜の在り方も様々で、意に反して戦いに身を投じる帝竜も存在する。
 その最たる存在が、目の前のガルシェンである。
(まったく……ヴァルギリオス様以上に討つべき者がいるのではと勘繰るね)
 燦は小さく肩を竦めてしまう。
 憶測で物を言って場を混乱させぬよう、この考えは自分の腹の中に留めておく。
 アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)は伏し目がちに、そして物憂げにガルシェンに告げた。
「何となく、わかるよ。もう、どうしようもないんだね。大きなあなた、創世のあなた……過去のあなた、オブリビオン」
 聖痕が埋め込まれた右腕と、刻印が埋め込まれた左腕をガルシェンへ伸ばすアウル。
 愛おしそうに両手を差し伸べたあと、ぐしゃり、と握り締める。
「わかってる。それじゃあ、殺してあげるね」
「そうだね、相手が覚悟を決めているんだ。その覚悟に応えるためにも全力でいかないとね?」
 アイソラ・グランホエール(サイバーサイキックサイボーグ・f09631)は、胸元に手を当てて意識を集中させる。
 彼の宇宙鯨の心臓は莫大なエネルギーを生み出す動力炉であり、活性化させることで『強化機械鎧オルカ』へと変身するのだ。
「さぁ、行こうか。――変身ッ!」
 ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ!
 高出力エネルギーがアイソラの全身を駆け巡る!
「うわああああああーッ!!」
 アイソラの双眸が光を放ちながらサイボーグの全身が戦闘形態へと形状を変え、全身が機械鎧へと変貌を遂げた!
「――ハッ!! オルカ、見参!!」
 オルカの変身がきっかけとなり、猟兵達も次々と臨戦態勢へと移る。
 そしてルード・シリウス(暴食せし黒の凶戦士・f12362)もまた、帝竜殺しを果たすべく息巻いていた。
「嗚呼、望み通り殺してやるさ。だから、お前のその血肉と命を寄越せ、ガルシェン。お前ならきっと……他の帝竜を、ヴァルギリオスをも喰らえる程の力を得られるに違いないからな」
「そう、ですか。殺し、喰らい、救うと……貴方達は、言うのですね……」
 ガルシェンは猟兵達の心構えに満足するかのごとく目を細めた。
 だが、それも束の間。
 ガルシェンの顔が苦痛に歪む!
「うぅ……あッ、があああああッ!!」
 ガルシェンの巨躯が更に巨大化し、その全身が巨大な薔薇で覆われてゆく。
 そして有象無象の形状の未知の生物がガルシェンの体表を突き破ってゾロゾロと湧き出してくる。
 更に、上空は無視を思わせる薄羽を拘束で羽ばたかせる巨大スライムの群れが隙間なく覆い尽くしてゆく。
 既にガルシェンの自我が崩壊し、強大な力が暴走し始めたのだ!
「も、う……抑え、られ……はや……わた、しを……ころ……て……!」
 総言葉を発したが最後、ガルシェンの瞳に正気が消え失せていた。
「――セカイヲ、コワス。スベテ、ハカイスル」
 山脈かと見紛うほどの巨体から放たれる、厄災が如き新生命体を前に、猟兵達は抗うべく立ち向かっていった。

 死之宮はガルシェンの前足の一撃に吹き飛ばされてしまう。
「身動ぎするだけでこれか。だが、貴様が巨大化するならば、私も巨大化を……まぁサイズ比では惨敗だがマシにはなろう?」
 すかさず『万天を喰らうモノ(ジ・イーヴィル・ドラゴン)』を発動させ、真の姿へと強制変身する死之宮。
「殺シ壊し喰らイ呑み込ム……何もカモ蹂躙しよウ……望ムままニ……心の叫ブままニ……」
 全長約3,000mの邪竜へと姿を変えた死之宮は、その背の翼を力強く羽ばたかせて上空へと逃げる。
(今でも私は十分に巨大なはずだが、こうしてみるとガルシェンの全長の前では形無しだな……)
 なにせ、相手は今では軽く全長が50km前後まで膨れ上がっている。
 創世巨獣形態のガルシェンの前では、10分の1以下のサイズの死之宮だが、それでもめげずに上空から3本の首のうち左右2本の口から魔法を発射してゆく。
 空中を飛び交うスライムの群れを突き抜け、エネルギー光線の束となった魔法がガルシェンの体表の巨大薔薇を焼き焦がす。
(悪意と狂気、闇と暴虐の力に覚醒してなお、届かぬか……やむを得まい。地道に削ろう……)
 死之宮ドラゴンが上空から爆撃を繰り返している最中、地上では猟兵達へガルシェンの攻撃が猛威を奮っていた。
「う、ううぅん……!!」
 アウルは全身から絞り出せるだけの力を振り絞り、オーラの障壁として全面に局所展開。
 今のガルシェンにとって、猟兵の中でも大柄なアウルでさえも蟻に等しいサイズ感だ。
 全体重を掛ければ、容易く圧潰できてしまう。
「たえる、たえるの……! あなただって、たえたのなら、これくらい、わたしにだって……!」
 アウルの全身の骨が軋む。
 障壁に亀裂が入る。
 持たない、このままでは潰される。
「あきらめ、ない……!」
 膝をつくアウルが限界を超えたその時だった。
「的がデカいと狙わずに当たるので楽ですね!」
「先程はああ言うてはみたものの、この大地全てがおぬしの身体だというのか、これは一撃に全てを掛けねばなるまいな?」
 シズホとクレアの上空からの爆撃が、アウルから空へと注意を逸らす。
 更に死之宮もこれに加勢し、ガルシェンの体力を着実に削り始める。
(まぁ……他の連中の分も注意を惹きつけてやってもいいがな)
 死之宮が巨大薔薇を吹き飛ばし、クレアは空中を光の円盤状のマシン・ビークルで駆り、上空へ振り上げられたガルシェンの巨腕からすり抜ける。
「さて、攻撃が届かぬ更に上空へと飛翔させてもらおうかの」
 クレアは雲の中に姿を隠せるほどの高度まで飛翔し、眼下で暴れるガルシェンをじっと見つめ始める。
「ううむ……少々時間がかかりそうじゃな。皆の衆、しばし耐えておくれよ?」
 クレアの瞳による『見術』が、ガルシェンの核……弱点を見出すべく、その巨躯を睨み続ける。

 猟兵に襲い掛かる脅威は、ガルシェン自身だけではない。
 あふれかえる新生命体は、猟兵を殺す猛毒を有しているのだ。
「地上を這うだけかと思いきや、やはり進化して飛んできますか」
 操作する人形の砲撃で新生命体を撃ち落とすシズホだが、徐々に敵の数が増えてゆくにつれ危機感を募らせる。
「幸い、スライムの群れは私に向かってきませんが、これは少々厄介ですね?」
 メガリス『逆賊の十字架』を再現した装置を有する巨腕型強襲人形『クロスリベル』の効果により、シズホの移動速度と反応速度が上昇しているため、今はなんとか回避に余裕がある状態だ。
 だが、反撃に転じなければジリ貧だ。
「まぁ、回避して大群を連れてゆくのも作戦のうちですけどね? そろそろガルシェンの頭の真後ろですね」
 シズホは無軌道に逃げ回っていたわけではない。
 目的を持ってガルシェンの頭の後ろ……つまり死角へと回り込んだのだ。
 ここで新たに人形を投入。
 メガリス『大帝の剣』の力を宿している陰陽師型催眠人形『大帝巫』の登場だ。
 人形の放った隠密札を媒介に、周囲の認識を改変を試みる。
「さぁ、『敵は私ではなくガルシェン自身』です!」
 羽音を立てる巨大生物達は、たちどころに反転してガルシェンへと殺到!
 猛毒は猟兵だけに効力を発するためガルシェンにダメージはないものの、これでシズホを付け狙う新生命体の数々はすべてガルシェンを自動攻撃する存在へと改変されてしまった。
「あとはユーベルコードをぶっ放すだけですが、散発的にに撃つのは得策じゃないですね」
 生と死を繰り返す創生獣となったガルシェンは、少しのダメージならば再生されてしまっているからだ。
「狙うは、他の猟兵の方々との連携攻撃! それまでは空中で支援砲撃ですね」
 シズホは時が来るまで、スライムの群れやガルシェン本体に空爆を仕掛けてゆく。

 ナハトは空飛ぶスライムを興味深く観察していた。
「ふム、自爆するにハ、エネルギーの膨張ト発散ガ必要ダ。起爆装置ガ胎内に埋め込まれテいるト考えルべきカ?」
 覆いかぶさろうとしてくるスライムを触腕で押し止めるナハト。
 間近で観察しようとした、その時。
「危ない!」
 地籠がユーベルコード『霧氷侵蝕(グレイシャルイロージョン)』を発動し、展開した魔法陣から冷気を放ってスライムを瞬間凍結させたのだ。
「よかった、あんたが爆発しないで!」
 安堵する地籠に対して、ナハトは無言で凍結したスライムを眺めている。
「そうカ。爆発ハ分子の高速振動ニ拠ル熱源発生、ならバ完全に冷却すれバ、起爆ヲ抑止できル……」
「ええと、あんた、大丈夫か?」
 ブツブツと呟くナハトを心配そうに覗き込む地籠。
 ナハトはそんな彼に頭を垂れた。
「感謝ヲ。おかげデ攻略のヒントが得られタ」
「本当か!?」
「あア。早速、やってみよウ」
 ナハトは触腕のひとつに氷の魔力を集中させると、飛来してきたスライムにブスリと突き刺した。
 途端、スライムは凍結して起爆せずに地上へ落ちてしまう。
「あとは、私ノ専門範囲ダ」
 異形の医者を名乗るだけあって、ナハトは手慣れた手付きでスライムを解剖していってしまう。
 そして、中から透明の球体……核を摘出してみせた。
「これデ、もウ起爆はしなイ。あとハ……」
 スライムの姿がナハトの手によって改造されてゆけば、なんと那覇とそっくりのデコイへと早変わり!
「キミ、手伝っテほしイ。スライムを凍らセ、かき集めテくれないカ?」
「わ、わかった……!」
 地籠は目の前で起きたことが夢なんじゃないかと首を傾げつつも、ナハトの要請に答えてスライム狩りに精を出してゆく。
 その頃、燦とアイソラは、なんとガルシェンの背中をよじ登って、頭頂部へとひたすら駆け出していた。
「上からくるぞ、気をつけろ!」
「了解だよ!」
 燦が呪符から放った火球を降らせ、迫りくるスライムの群れを焼き払ってゆく。
 上から覆い被さってくる個体を、燦の注意喚起で回避したアイソラは、反撃に『召喚・群れ集う群体魚(サモン・リトルフィッシュ)』で召喚した魚群型電子精霊を向かわせる。
 当然、スライムは精霊を取り込んで起爆!
「おっと!?」
「無茶すんなよ!? 誘爆させて周りが吹き飛ぶからありがたいが、一歩間違えればアタシ達がオダブツだからな!?」
「そうですね、気を付けます……!」
 確かに、他の猟兵達の戦闘がなければ、この作戦はうまく行かなかったであろう。
 だが上空からの爆撃や地上での奮戦が、2人の行動を可能にしたのだ。
「もうすぐガルシェンの頭だ!」
「やりましょう! 此処まで来たら直接攻撃です!」
 アイソラが星海の剣を抜き払い、身構えてみせる。
 だが、燦はそれを制止する。
「待ってくれ。奴に……ガルシェンに聞きたいことがあるんだ」
「でも、あの様子じゃ正気を失ってるようだけど……」
「やる前に諦めて堪るか!」
 燦は駆け出すと、頭頂部によじ登って必死に語りかける。
「おい、ガルシェン! 聞こえるか!? 教えてくれ、聞きたいことがあるんだ!!」
「ガアアアアアアアアアアアアッ!!」
 首を振って暴れるガルシェンに、燦はしがみつく。
 だがそれでも燦は諦めない。
「頼む、一言だけでいい! 『竜と人――魔と人は、分かり合えないのか』?」
 その問いに、一瞬だけガルシェンの動きが、止まった。
「――そうできたのなら、よかった、のでしょうに」
 それは、諦観と悲しみが籠もった、ガルシェン最後の言葉であった。
 燦は四王稲荷符に霊力を込めると、ユーベルコード『フォックスファイア・伍式』を起動させる。
「御狐・燦の狐火をもって命を貫き焼き尽くせ。苦痛なく安らかに、彼岸の向こうへと渡り給う――」
 385本の慈悲の炎矢が、ガルシェンの頭に叩き込まれる。
 それを見たアイソラもまた、愛剣に念動力と怪力を籠め、硬いガルシェンのうなじを切っ先で貫く!
「ガルシェン! さらばだ!!」
 更にグッと力を込めて剣先を押し込むと、大量の鮮血がアイソラを吹き飛ばしていったのだった。

 赤い噴水が空へ昇る。
 これが猟兵達の反撃の狼煙となった。
「さァ、ゆくゾ。我ガ分身達ヨ」
 ナハトはスライムで生み出した自身の残像分身をガルシェンへけしかける。
 押し潰されそうになるアウルを救出し、暴れまわるガルシェンに纏わり付く。
 そこへ食らいつくスライムが起爆し、ガルシェンへのダメージへと変換していく。
 ガルシェンはナハトをあぶり出すべく、分身達を薙ぎ払ってゆく。
 だが、一向に本体が姿を見せない。
 気が付けば、ナハトはスライムの中から這い出てきたではないか!
「核ヲ取り除キ、中に潜り込んデ接近させてもらっタ。もウ一度、生命ヲ育ムと良イ。望ミ通リ、君ヲ終わらせル生命ダ」
 ガルシェンへ触腕を差し込むナハト。
 そして発動させるは『十ノ悪徳・物質主義(クリファ・ナヘマー)』――れは最も純粋な悪意である。
 ガルシェンの胎内で、新たに生まれる生命の樹形図。
 肉を喰らい、宙を自在に舞う飛魚が、ガルシェンの中の既存の生命達を食い散らかしてゆく。
 そうして見えてくる、ガルシェンの『核』の姿。
「そこか! ようやく見えたぞい」
 クレアは予め108個の光珠をガルシェンの周囲に配置させていたのだ。
「対抗能力Ⅱ(カウンターコード)――射抜け」
 クレアが放つのは光弓の矢。それは敵のユーベルコードの発生源を断つ必殺の一撃。
 これにより、ガルシェンの全てのユーベルコードが停止!
「ようやく、俺の出番か……」
 今までルードは外套の効果で身を潜め、斬り掛かる出番を伺っていたのだ。
 とはいえ、暴れまわるガルシェン相手に無傷とはいかず、人知れず防戦一方であった
「しかし、流石は帝竜だ。先の戦いで戦った一体を喰らっただけで一気に力が漲るぜ。傷は貴様の血肉で癒やすとしよう」
 黒白二振りの魔剣『神喰』と『無愧』を真名開放形態へ移行させ、真の姿を強制解放!
 ルードの奥の手、これが『魂装・神魔喰ライシ暴食ノ暴君(リンケージ・タイラント)』!
「さァ! 暴食の始マりダ!!」
 ルードはガルシェンの巨体の中へ飛び込むと、ハンドミキサーめいて竜の血肉を周囲に撒き散らしてゆく!
「今が好機ですね!」
 シズホもユーベルコード『幻影装身(アームドオブリビオン・ミラージュ)』で人形からキエリビウムJOXを発現!
「分子分解の触腕で粉々にしてしまいましょう!」
 人形の口から巨大な赤い触腕が這い出ると、何度もガルシェンの体に叩きつける!
 その度に皮膚組織が削れてゆき、捕縛することで更に組織が崩壊してゆく。
(畳み掛けるなら今か……)
 上空で援護射撃に徹していた死之宮も、3つの首から一斉に破壊魔術の光線を発射!
 ガルシェンの身体のド真ん中に風穴を開ける事に成功した!
 そして、最後に繰り出すのは、アウルの慟哭だった。
「――あ――ぁ――a――A――iyA――AAAAAAAAAA!!!」
 黒化。黒花。黒く、染まる。
 ガルシェンの肉体をバリバリと食い漁り、その量に比例してアウルの身体が巨大化してゆく。
 もう止まらない。止められない。
(嗚呼、「神体」に変貌したわたしは、沼も毒も生物も糧にして拡がり続ける。わたしは世界を覆い、そして囲った天地を爪で引き裂きましょう)
 危険を察した猟兵達が緊急避難!
 残されたのは、ガルシェンの巨躯を持ち上げるまでに『生長』したアウルの巨体のみ。
 彼女は涙をこぼしながらガルシェンを貪る。
(けれども、それだけ、わたしは終わらせたいだけ。それ以上の必要は、きっと無い。一緒に眠ろう、母なるあなた……ううん、父なる? う~ん、どっちでもいいや。終わった後には、安寧が必要なのだから)
『開花の時は来たれり、我は天地囲う世界樹なり(アヌンナキ・ウブシュウキンナ)』。
 帝竜ガルシェンを屠った最後のユーベルコードは、嘆き悲しむ森の怪物の慟哭とともに、その役目を果たしたのだった。
 あとに残されたのは、割れた沼沢地に横たわる、無垢なる怪物のみ。
 元の姿になって、おやすみなさい。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年05月11日


挿絵イラスト