魂喰らいし魔の森を踏破せよ
「諸君等の活躍のお蔭で群竜大陸へと足を踏み入れることに成功した。しかし調べたところ、普通の生物が生き抜けぬような過酷な大地であることが判明した」
空に浮かぶ巨大な大陸を映すグリモアベースで、バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が猟兵達に新たな任務の説明を始めた。
「まず突破しなければならないのは森だ。それもただの森ではない。『魂喰らいの森』と呼ばれる場所で、その名の通りこの森に住まう動植物。そう、草木から虫まで全ての存在が生物の魂を糧にしている」
普通の森とは違い、あらゆるものが恐るべき捕食者となっているのだ。
「肉体を傷つけずに魂だけを啜り、空となった肉体を森の番人として利用しているようだ」
それは外部からの侵入を防ぐシステムとして上手く機能している。もし冒険者が足を踏み入れれば敵が増えるだけとなるだろう。
「諸君等には森の一区画を制圧し、群竜大陸攻略の為の橋頭堡を築いてもらいたい」
まずは群竜大陸で拠点となる場所が必要となる。それを築く為に森を攻略するのが今回の任務だ。
「だが魂喰らいの森を制圧するのは簡単ではない。まずは魂を簡単に喰われぬように強化する必要がある」
その方法はと猟兵達が尋ねると、難しい顔をしたバルモアが口を開いた。
「その方法は祭りを行うことだ」
その答えに疑問符を浮かべる猟兵達に、バルモアが詳しく説明を行う。
「楽しい気持ちが魂喰いを遠ざける効果があると判明している。だから祭りで大いにテンションを上げる事で、魂喰いに抵抗する事が可能だということだ」
とにかく楽しい行動を行う事で、魂喰いへの耐性を得る事ができる。そうすれば森の攻略難易度は下がるだろう。
「森には核(コア)が存在している。それを切除すれば核が支配している範囲の森と動植物は全て消滅し、橋頭堡としてその区画を使用できるようになる」
つまり核を手にするのが今回の作戦の成功条件となる。
「魂喰らいの森は森の番人達に守られており、その中でも最も強い森の番人の体内に核がある。その森の番人を倒し核を手に入れ、恐るべき魔の森を踏破せよ」
そう告げてバルモアは森の入口のお祭り騒ぎが出来る場所へとゲートを繋ぐ。
「ふむ、それとこれは余談だが。核は伝説食材と呼ばれる珍味らしい。最高級の牛肉の味とサボテンの果肉のような食感を持つと云われていて、半径25cm程度の一般的な球形の核で金貨500枚(500万円)程度の値段がつくという話だ」
その説明を聞いた瞬間、猟兵達の目の色が変わり、足早にゲートを潜って群竜大陸へと足を踏み入れるのだった。
天木一
こんにちは天木一です。群竜大陸攻略の第一弾となります。空飛ぶ大陸を冒険しましょう!
第一章ではお祭り騒ぎで魂を強化する事になります。持ち込んだ食事や酒を美味しく飲み喰いしたり、楽しく踊ったりお喋りしたり、心から歌ったり祈りを捧げたりと、とにかくポジティブに魂を強くする行動をとって戦いに備えることになります。
三章の戦闘でこの時の楽しい思い出を念じる事で、魂を啜る効果への耐性によってプレイングボーナスを得られます。
第二章では森の番人と化した魂なきオブリビオンの群れと戦闘になります。
集団戦は群竜大陸に挑んだ血の一族の抜け殻で魂と共に知性も失っています。
第三章は最も強い森の番人と戦い、撃破して内にあるコアを手にする事で周辺の森と敵は消滅します。通常のユーベルコードに魂を啜る効果が付与されています。
ボスは呪骨竜アンフェール。骨の姿をした呪いを司るドラゴンです。
プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページにて。
それでは群竜大陸で森の冒険をお楽しみください。
第1章 日常
『魂の祝祭』
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POW : 大いに食べて飲んで、力の限り騒ぎ楽しむ
SPD : 記憶に残る華麗な芸や踊り、話術などを披露する
WIZ : 魂が力強くあれるよう、歌や祈りを捧げる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
御剣・刀也
POW行動
祭りか
祭りは好きだ。どんだけ食っても飲んでも怒られることがない
前祝いと思って思いっきり楽しませてもらおうかね。
骨付き肉にかぶりついてがつがつ食べながら酒を大杯でごくごくと飲む。
酒飲み勝負を持ちかけられたら最初は大杯でやってるが次第に、物足りなくなってきて樽事一気にゴッゴッと飲む。
大酒飲みの大食らいで蟒蛇なのでいくら飲んでも酔う気配がない
「なんだ、もうおしまいか?まだまだ飲めよ?祭りだろ?」
●飲み干すまで
空高く空気が薄く感じそうな群竜大陸。目の前には鬱蒼と光を遮るように茂る魂喰らう森が見渡す限り広がっている。その入る者を餌食にする恐るべき森を前にして、猟兵達はたき火を起こし、椅子やテーブルを用意してエールに葡萄酒に蒸留酒とたっぷりの酒や、肉にチーズに果物と山盛りの食べ物を置くと好きに飲み食いする準備を整えた。
「祭りか。祭りは好きだ。どんだけ食っても飲んでも怒られることがない」
御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は腹ごしらえだと、たき火にかけた香ばしい匂いを漂わせる骨付き肉にかぶりつき、美味そうに肉を引き千切ってがつがつ食らう。そして大杯に注いだエールをごくごくと飲み干すして肉の脂を流した。
「前祝いと思って思いっきり楽しませてもらおうかね」
食べ物も飲み物もたっぷりとある。満足いくまで堪能させてもらおうと、刀也はまた大杯が零れそうになるまで酒を注いだ。
「しかし見た目だけなら普通の森に見えるが、相当危険な場所のようだな」
大杯を傾けながら森に目を向けると、人の手の入らぬ自然な森にしか見えない。だがそこが危険であると、今まで死地を潜り抜けて鍛えられた直感が教えてくれる。
「だがそんな場所こそ得るものも多いものだ」
未踏の場所だからこそ手に入るものや新たな経験を積むことが出来ると刀也は不敵に笑う。
「森に入った者の魂を喰らうだったか? なら喰い切れないほど蓄えてから行ってやるとしよう」
まだるっこしいと大杯ではなく樽をそのまま軽々と持ち上げ、ゴッゴッと喉を鳴らしてそのとんでもない量を飲み干してしまう。
「っぷはぁ……いい気分になってきたがまだまだこれからだ。ある酒全部飲むまで祭りは終わらん」
言葉とは裏腹にあれだけ飲んだのに全く酔った気配もなく、刀也は新しく焼けた肉をかじりながら次の葡萄酒に手を伸ばす。葡萄酒の苦みが口の中で肉の旨味と混じり食が進んであっという間に骨だけになった。
「好きなだけ食って好きなだけ飲む。やはり祭りは最高だな」
杯で飲んでいたのに、いつの間にか瓶を持って葡萄酒をラッパ飲みして空にしてしまう。
「たっぷり楽しんで戦いに備えるとしよう」
まだまだ飲めると、刀也は全ての酒を飲み干さんと次は蒸留酒を杯に注ぎ、本当に飲み干してしまうペースで蟒蛇の如く空になった瓶や樽を並べていった。
大成功
🔵🔵🔵
樫倉・巽
ハレとケと言うものだな
サムライエンパイアのものに近いのかもな
願い、奉る、それが力を呼ぶ事もあるだろう
ならば、大いに酒を飲み肉を喰らうとしよう
キマイラフューチャーより持ち込んだ塊の肉と野菜を串に刺し
サムライエンパイアの醤油、酒
アックスアンドウィザーズのハーブやスパイスで味付けをして串焼きを作る
焼き鳥くらいの摘まめるものから
大串に刺したシャシリクほどのものまで
肉は羊や牛、捕れればアックス&ウィザーズのものも加える
野菜はタマネギにパプリカなど
炭火で焼き上げ仲間にも振る舞う
サムライエンパイアの酒を瓢箪にたくさん入れて持って行き
陶器のぐい飲みで呷る
「祭りはいい
出来れば勝利とともに分かち合いたいものだな」
ハルア・ガーラント
お祭り騒ぎですか!楽しみです。
【WIZ行動】
お酒はまだ飲めないので、この[白い腰かばん]にジュースとおつまみとお肉、野菜……もろもろ持ってきました。はい、焼き網とお鍋も!
飲み食いして楽しみつつ、歌っちゃいます。こういう時は天使言語で厳かな歌……よりかは、みんなが知ってそうな楽しい歌がいいですね。空になった瓶や樽を打楽器代わりにちゃかぽこ叩き[歌唱]。
……動き変ですか?えーと、実は踊り苦手なんです。
しめはお鍋で雑炊がいいなぁ、温まります。先日お餅つきをした際の紅白色したお餅、こっそり混ぜてしまおう。
んー、おいしいです!幸せ。
皆が無事で、核を手に入れられますように![祈り]
連携・アドリブ歓迎です!
●分かち合う
「ハレとケと言うものだな」
こういった祝い事ならば故郷にもあると、樫倉・巽(雪下の志・f04347)は存分に飲み食いしている刀也を見て自分の世界の祭りを思い起こす。
「サムライエンパイアのものに近いのかもな。願い、奉る、それが力を呼ぶ事もあるだろう」
祭りとは神に祈ったり、鎮めたりするものだ。それが超常的な力に影響を及ぼすことも十分に有り得ると巽は炭火を起こす。
「ならば、大いに酒を飲み肉を喰らうとしよう」
そこに巽はキマイラフューチャーより持ち込んだ塊の肉と野菜を串に刺して、サムライエンパイアの醤油と酒、さらにアックス&ウィザーズのハーブやスパイスで味付けをして火にかざす。全面が焼けるように回していると、火に炙られた肉や野菜が焼けてスパイスの混じった良い香りが漂い始める。
「そろそろか」
よく焼けた肉にかぶりつき、巽は美味そうに串から肉を引き千切る。
「うむ、上手い。しっかり焼けているな」
味見していると、中まで火が通り千切った場所から肉汁が溢れ出していた。同じ串に刺さったタマネギも食べてみれば、しっかり焼けて辛みが消え甘みが口に広がる。
「野菜もしっかり甘みが出ている。好きなだけ食べてくれ」
そう言って巽は仲間達にも串焼きを振る舞う。それを受け取った刀也は酒の肴として美味そうに食べ、さらに酒を飲むスピードを上げた。
「俺も飲むとしよう」
美味そうに酒を飲む刀也を見て、喉の渇きを覚えた巽も、瓢箪からとくとくと陶器のぐい飲みにサムライエンパイアの米酒を注いでぐいっと呷る。肉や野菜の旨味と酒の旨味が混じり、なんとも芳醇な味わいで口が満たされる。
「美味しそうですね! 私もいただいていいですか?」
その香ばしい匂いに釣られるようにハルア・ガーラント(オラトリオのバロックメイカー・f23517)がやって来る。
「まだまだある好きなだけ食べてくれ」
「ありがとうございます!」
巽が串を差し出すと、それを嬉しそうに受け取ったハルアがふーふーと冷ましてかじりつく。すると野趣溢れる旨みが口にガツンと広がった。
「美味しいです! お祭りにバーベキューも良いですね!」
テンションを上げたハルアは白い腰かばんからジュースやおつまみ、お肉に野菜と色々な食べ物を取り出す。
「私もお返しに網焼き料理とお鍋をご馳走しますね」
そう言って早速ハルアは網を火にかけ、肉や野菜を焼いたり、鍋に放り込んで煮始める。
「寒い時期は鍋が温まりますからね」
震えるような寒い時期はこれが一番だと、ハルアがぐつぐつと煮えた具を小皿に取り分けて渡していく。
「確かに温まるな。それに酒によく合う」
それを食べながら巽がまたぐいっと杯を空ける。そして網の上で焼けた肉や野菜にも手を伸ばした。
「皆さんお酒を美味しそうに飲んでますね。私も成人したらお酒を試してみたいです」
酒と食事を楽しむ巽と刀也を眺めながら、ハルアは酸味のあるジュースで口の脂を流して食事を楽しんだ。
「もっと皆さんに楽しんでもらえるように、私歌っちゃいます!」
飲めないので酒には酔っていないが、雰囲気に酔ったようにハルアが歌い始める。それは普段歌う天使言語の厳かな歌ではなく、馴染み深い民間に広まっている歌だった。可憐で楽し気な歌声が人々を陽気な気分にさせる。
さらにノリノリでハルアは瓶や樽を打楽器代わりにちゃかぽこ叩き、踊りながら楽しい歌でもっと場を盛り上げた。だがその動きが奇妙で巽や刀也が酒を飲みながら思わず笑みをこぼす。
「なかなか独創的な踊りだ」
「……動き変ですか? えーと、実は踊り苦手なんです」
歌い終わると巽と刀也が拍手をし、ハルアは観客の反応を見て照れたように笑った。
「鍋の具が無くなってきましたね。ではここでしめの雑炊にしましょう」
ハルアは鍋に米を投入し、さらに先日餅つきをして作った紅白の餅をこっそり混ぜた。
「これは餅が入ってるのか? 腹に溜まるな」
巽は食べ応えのある餅入りの雑炊をかっ込み、刀也はいつの間にか器を空にしていた。
「んー、おいしいです! 幸せ」
溶けそうな餅が良く伸び、具の旨味が十分に出た出汁に絡まって味わい深い。ほくほく顔でハルアはにゅーっと餅を伸ばして雑炊を堪能する。
「祭りはいい。出来れば勝利とともに分かち合いたいものだな」
良く飲み良く食べたと巽は満足そうに笑い、楽しい祭りを分かち合ったように、この後の戦いも勝利を皆で分かち合おうと、その身に十二分の活力を宿して準備を整えた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
愛久山・清綱
肉体を傷つけず、魂のみ啜る森。俺がエンパイアで
会得した「霊剣」と同じようなものだろうか。
……今更だが、俺は恐ろしい技を継承したのだな。
■行
【WIZ】
いかん、辛気臭いと耐性がつかない。
して、テンションをあげる方法は……「あれ」があるぞ。
幾多の時と世界を超え、兵たちの間で行われてきた儀式……
「武神への【祈り】」を!(←彼はそう学んだ)
が、強さを見せつけなければ【祈り】は届くまい。
先ずは力を込めて大なぎなたを力強く振るう演武を行い、
己の心を昂らせる。
仕上げになぎなたを大きく振るいつつ全身から【衝撃波】を発し、
天に其の手を掲げて叫ぶ!
「武神よ、我等に力を与え給え!!」(全員分)
※アドリブ歓迎・不採用可
●演武
「肉体を傷つけず、魂のみ啜る森。俺がエンパイアで会得した『霊剣』と同じようなものだろうか」
一見すれば普通の森だが、その内より感じる敵意に愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は悪寒を覚える。
「……今更だが、俺は恐ろしい技を継承したのだな」
そんな恐ろしい技を己も身に着けていることに、清綱は改めて己が力を自覚する。
「いかん、辛気臭いと耐性がつかない。して、テンションをあげる方法は……『あれ』があるぞ。幾多の時と世界を超え、兵たちの間で行われてきた儀式……」
このままでは祭による効果を得られないと清綱は頭を振って気分を入れ替え、武に関わる者ならばよく見る儀式を思い出す。
「武神への【祈り】を!」
今までの経験でこれこそが神への祈り方だと学んだ清綱は、重量のある大型のなぎなたを軽々と振るい己が強さを見せつけるように演武を始める。
刃が空を斬り、最初は緩やかになぎなたが振り抜かれ、段々速度を上げて風圧が周囲に飛び始めた。
一閃する刃が目にも留まらぬ速度になり、清綱は己の心を昂らせてなぎなたを振るい続ける。まるで小さな竜巻のようになぎなたが回転し、風を渦巻かせる。それは見る者を圧倒する気迫に溢れ、離れていても迫るような剣閃に見ているだけで闘争本能が刺激され高揚した。
最高潮にまで演武が盛り上がると、仕上げとばかりに清綱は渾身の一撃となぎなたを横に大きく振り抜き、それと同時に全身から衝撃波を発した。風が吹き抜け天高く昇っていく。
「武神よ、我等に力を与え給え!!」
そして清綱は天に其の手を掲げて叫び演武を終えた。ゆっくりと清綱が辺りを見回すと、凛と空気が張って自分だけでなく仲間たちにも邪なるものに対する精神の耐性を与えていた。
「うむ、上手くいったか。これで森に入っても早々に魂を啜られることはないだろう」
これで終わりだと清綱がなぎなたを仕舞うと、仲間たちから大きな拍手が送られる。
「喜んで貰えたようだな。では俺も少し腹ごしらえをしておくとしようか」
こっちこっちとハルアが手を振って誘うテーブルに向かう。そこには串焼きや熱々の鍋に焼いた肉といった食べ物を巽と刀也が追加していた。
「では御馳走になろう」
テーブルに着いた清綱はまずは鍋に箸を伸ばし、戦いに備えて英気を養った。
大成功
🔵🔵🔵
霧島・絶奈
◆心情
祭祀とは本来そう言うモノでしたね
其れは希望と言う祝いであり、絶望を殺す呪い…
其の熱狂は肯定からも否定からも生じ、正方向へも負方向へも傾く…
其れは起源其の物であり過程故にそうなる事もあるもの
私は、祭りとはそう言うモノであると思います
◆行動
さて…
小難しい話は此処までにして、私も愉しむとしましょう
折角です
『暗キ獣』にて我が軍勢を呼出し、共に出撃前の英気を養うとしましょう
…とは言うものの、『楽しい行事』を考えるのは不得手です
だから私に出来る『祭り』をしましょう
祭礼の為の祝詞を謳い、舞踊を捧げましょう
私の中の神の為に、私に残る人の為に、私と歩むつわもの達の為に…
何よりも此れからの旅路の幸運の為に…
●祈り
「祭祀とは本来そう言うモノでしたね」
祭り楽しんでいる仲間達を見て、霧島・絶奈(暗き獣・f20096)は祭りごとの本質を思い出す。
「其れは希望と言う祝いであり、絶望を殺す呪い……其の熱狂は肯定からも否定からも生じ、正方向へも負方向へも傾く……」
祭りというのは人の心に強く影響を与え、集団の狂乱は容易く善にも悪にも傾き突き進んでしまう。
「其れは起源其の物であり過程故にそうなる事もあるもの。私は、祭りとはそう言うモノであると思います」
それは人の本質とも云えるだろう。それ故に、使い方を間違わなければ強い力となる。
「小難しい話は此処までにして、私も愉しむとしましょう」
今は祭りを楽しむ時だと、絶奈は祭りらしく場を賑わす方法を考える。
「折角です。『暗キ獣』にて我が軍勢を呼出し、共に出撃前の英気を養うとしましょう」
いつも己が手足として戦場を駆ける軍勢にも偶には褒美を与えようと、屍の兵や獣を呼び出した。まるで生前の時のように、幾つものたき火を囲んで地べたに座り込んだ兵達は酒を飲み、獣は肉を食らう。それが死した身体に付く事はないが、その食物に宿る力を取り入れる儀式のようだった。
「……とは言うものの、『楽しい行事』を考えるのは不得手です。だから私に出来る『祭り』をしましょう」
声は大きくないが、吹き抜ける風のように良く通る声で絶奈が祭礼の祝詞を謳う。そして静々と足を踏み出すと、腕を振り上げ神へ捧げる舞踊をゆるりと舞い始めた。
荘厳な舞は見る者を楽しませ人々の視線を集める。そこで絶奈は舞のテンポを上げ、動きも激しく跳ねるように躍動する。目を奪うような動きは、見る者の気分を高揚させて邪なモノが心に近づかぬ活力を与えた。
その舞に合わせ、立ち上がった兵達が槍の石突で地面を叩く。太鼓を鳴らすように地を響かせ、祝詞に合わせるように獣が咆える。そこへハルアも太鼓を叩くように樽を叩いてリズムを合わせた。
「私の中の神の為に、私に残る人の為に、私と歩むつわもの達の為に……」
神域のように場の空気が澄み渡り、絶奈の舞は激しさを増してクライマックスへと近づく。
「何よりも此れからの旅路の幸運の為に……」
そして祈りを捧げるように屈んで首を垂れて絶奈は舞を終えた。兵達も仲間達も惜しみない拍手を送り、獣は遠吠えで歓声を上げた。
上気した顔を上げた絶奈は、口元に笑みを浮かべてその喝采に応える。そして仲間たちの酒宴に混じり、舞で乾いた喉を潤した。
●満ちた腹と心
鍋はすっかり空になり、網や串にも肉の一欠けらも残っていない。十分に食べて飲み、腹を満たした猟兵達は後始末を終えて森の前に立つ。
外部からの侵入者を拒む深き魔の森。先ほどまでならば怖気を感じる不気味さに足を踏み入れるのを躊躇っただろう。だが祭りによって身も心を高めた猟兵達は恐れずその中へと足を踏み入れた。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『血の一族』
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POW : 聖魔伏滅拳
【破魔の力を込めた拳】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 聖魔伏滅斬
【破魔の力を封じた剣や斧】が命中した対象を切断する。
WIZ : 血の福印
【自らの血】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
イラスト:FMI
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●森を守る虚ろな戦士達
猟兵達が雑草を切り払い、視界と足場を確保しながら慎重に進んでいると、何か動くものの気配を感じて足を止める。警戒し辺りを窺っていると、森の陰から何かが迫ってくる。猟兵達が咄嗟にその場を飛び退くと、飛び込んだ人影が先ほどまで猟兵が立っていた場所に斧を振るって木々を薙ぎ倒した。現れたのは極限まで肉体を鍛え抜かれた蛮族の戦士。倒れた木々の裏からも同じような戦士達が姿を現した。
「うぅ……ああ……」
「こ……ろ……す…………」
戦士達は虚ろな目で猟兵達を見て、意味を持たぬ呟きを漏らす。
それは群竜大陸に挑んだ一族の慣れの果て。オブリビオンとなっても群竜大陸へ攻め込んだが、魂を喰らわれ今では森の番人として使役されている。
その哀れな一族の呪いを破って土に還してやろうと猟兵達は武器を構える。
祭りで得た如何なる呪いも弾き返すような活力は、魂喰らう森の生物の発する邪を払い、猟兵達は十全な力で以って戦いを始めた。
御剣・刀也
なるほど
お前らが番人か
死してなお使われるのは忍びない
剣士として、お前たちを涅槃に送ってやる
聖魔伏滅拳は間合いに入らないよう注意し、入ったら第六感、見切り、残像を駆使して避けてカウンターで斬り捨てる
日本刀を使っているこちらのほうが間合いは広いので、その間合いを詰められないように動く
万が一、間合いを詰められても、焦らず慌てず腰の動きで日本刀を動かして、零距離の相手を突き倒す
「元々は名のある戦士だったのかもしれんが、今は個々の走狗と化しているか。これ以上こんな姿を見せたくはないだろう。今楽にしてやる」
霧島・絶奈
◆心情
死して使役される戦士ですか…
その程度の防衛機構では話になりません
我が軍勢は死して尚、私と共に戦う古強者達なのですから…
◆行動
『暗キ獣』を使用
敵の生き血には癒しの力が宿っているようですので、其れを利用させて頂きましょう
可能な限り返り血を浴びる様な攻撃を繰り返させ、敵の消耗を図ると同時に此方の継戦能力向上に役立てます
私は【暗視】と【聞き耳】で視界の悪さを補いつつ、軍勢と木々に隠れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技能を活かし、木々の間に「ワイヤートラップ」を設置
動きを阻害します
設置を進めつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
負傷は【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
ハルア・ガーラント
きゃー!
いたた……草に足とられてこけてしまいました。
【WIZ行動】
[咎人の枷]を[念動力]で動かして敵の攻撃を受けつつ、[マヒ攻撃]で牽制兼反撃。受けきれないものは[オーラ防御]で防ぎます。手近の木の陰に素早く隠れて攻撃を防ぐのもいいかも。
さっきみたいにこけないよう気をつけなくちゃ!
敵が血の福音を発動する為負傷者に近付いた時、牽制から一気に攻撃へ。その身体を鎖でぐるぐる巻きにし、UC発動。時間差で2本の鎖をそれぞれ花びらへと変えてふたりをまとめて攻撃。
かか、覚悟してください!
……もう、この森を守らなくても大丈夫ですからね。
戦闘が終わったら、彼らを想って[祈り]を。
連携・アドリブ歓迎です!
樫倉・巽
戦いに生きた者ならば
戦いにおいて葬ろう
お主達の魂を土に返そうではないか
礼を持って相手に向き合い
全力を持って斬る
まずは名乗り
気合いと覚悟のこもった視線で相手を圧して間合いを計り
相手の呼吸と足並みが乱れたところで一気に駆け込み手近な相手を斬る
一人斬った後は斬った相手を盾にして立ち回り距離を取る
その後は木に駆け上って上空から斬りかかる
大岩や大木を背にして相手の来る方向を限定するなど
森の木々や地形を使い相手に対応する
基本は相手の間合いに入らないように距離を取るが
近づかれた場合は攻撃を刀で受けてから蹴りを放ち
相手を突き飛ばそうとする
狙えるときは首や心臓など急所を狙う
「出来れば戦いの中で死にたいものだな」
愛久山・清綱
其方達は……そうか。この森に敗れてしまったのか。
最早、その魂すら救えぬか……なれば。
拙者、愛久山清綱。兵の流儀を以て、其方達の無念を絶とう!!
■闘
戦闘に入る前に、武器と身体に【破魔】の力を宿す。
魂は救えずとも……呪いを斬り伏せることができれば。
先ずは拳による攻撃を【野生の勘】で来る瞬間を予測しつつ
【見切り】、【グラップル】で腕を受け止めながら振り払う。
かわせない時は【激痛耐性】で我慢。
攻撃に耐えたら真っ先に斬りかかり、【破魔】の力を込めた
【剣刃一閃】で、呪いごと切り伏せる。
範囲攻撃は決してせず、必ず一人ずつ倒していく。
戦いが終わったら、彼らに【祈り】を捧げる。
……さらばだ。
※アドリブ・連携歓迎
●戦士の戦い
「其方達は……そうか。この森に敗れてしまったのか。最早、その魂すら救えぬか……なれば」
清綱は眼に光を伴わぬ、動く屍のようになってしまった蛮族の戦士達に憐れみを覚える。
「拙者、愛久山清綱。兵の流儀を以て、其方達の無念を絶とう!!」
ここで倒してやるのが情けだと、清綱は名乗りを上げて腰に差した刀の柄に手を置いた。そして裂帛の気合と共に其の身に破魔の力を宿す。
「あぁ……うぅああああ」
口を開けて呻き声を漏らした蛮族が、拳を握って正面から突っ込んで来る。
「拙者の名乗りに応えたか? では尋常に勝負といこう!」
じっと清綱は敵の動きを見て、放たれる拳に反応して刀を抜き打つ。拳と刃がぶつかり、重い衝撃が腕に走る。だが清綱はそのまま刀を振り抜き、敵の拳を断ち切った。そして返す刀で敵を袈裟に斬り裂く。破魔の力が呪いを破り、操り人形の糸が切れたように蛮族は崩れ落ちた。
「うああぁ……ああああっ」
仲間が倒れるとすぐに新たな蛮族が剣を持って襲い掛かる。
「慌てずともいくらでも相手になろう」
その一撃を刀で受け止め、清綱は鍔迫り合いをして押し戻し、敵の胸を横一閃に斬りつけた。
「次!」
敵が倒れるのも確認せずに、斧を構えて駆けて来る敵へと顔を向け、刀で迎え撃って火花を散らした。
「戦いに生きた者ならば、戦いにおいて葬ろう。お主達の魂を土に返そうではないか」
礼を持って堂々と正面に立った巽がゆっくりと刀を抜いて構える。
「俺は樫倉・巽。お主達をここで斬る男の名だ。冥土の土産に持っていけ」
巽が威圧するように気迫の籠もった視線を向ける。
「うぅぅ…………」
それに気圧されたように、蛮族達の足が一瞬止まった。その隙を突き、巽が一気に駆け込むとすれ違いながら刀を振り抜く。刃が胴を抜いてすっぱりと切断された脇腹から内臓がこぼれ出た。慌てて蛮族は手で傷口を押さえるが血は止まらず下半身が真っ赤に染まった。
「まずは一人――」
蛮族は仲間がやられたのを見て我に返ったように動き出す。剣で斬りつけようと踏み込むが、巽は斬った相手の身体を盾にして攻撃をさせない位置取りをした。
「魂を失おうとも仲間は攻撃できんようだな」
巽は背後にあった木を駆け上がり、跳躍して盾にしていた敵を飛び越えて、頭上から蛮族に襲い掛かる。
「ああぁあっ」
咄嗟に反応して蛮族は剣を上に構える。だが構わずに巽は刀を振り下ろす。刃と刃が交差し、振り下ろされる剣閃が押し切って蛮族の頭を割った。
「浅いか――ならば」
着地しながら体勢の乱れた蛮族に向け、巽は刀を横に振るい首を斬りつけた。血が噴き出し仰向けに蛮族は倒れる。
「うぅぅあぅ……」
すぐに周囲の蛮族達が巽を囲もうとするが、木を背にして囲まれないように巽は刀を正面の敵に向けた。
「なるほど、お前らが番人か」
刀也は敵の顔を見る。その目に光は無く虚ろで、自分の意思など持ってはいないようだった。
「死してなお使われるのは忍びない。剣士として、お前たちを涅槃に送ってやる」
その身に魂がない事を察し、刀也はその身を安らかに眠らせてやろうと腰に差した刀を抜き放った。
「う……うぅあ……あ」
意思は無くとも鍛えられた身体が自然と反応するように蛮族も徒手空拳で拳を構える。
「無手、拳闘士か」
油断なく刀也は切っ先を敵に向けてじりじりと間合いを詰める。もう半歩で刀の間合いというところで、蛮族が一気に足を踏み出して矢が放たれるように拳を放つ。岩のように硬そうな拳が刀也の顔を撃ち抜いた。そう思った瞬間、刀也の姿が消え去る。蛮族が殴ったのは残像だった。
「鋭い踏み込みだ。だが刀の分だけ間合いの広さはこちらの方が広い。その一歩の差が勝敗を分ける」
横へ移動していた刀也が刃を煌かせ、拳を空振って隙を見せる敵の胴を薙ぎ払った。上半身が横にずれ落ち、何が起きたのか分からぬまま蛮族は絶命した。
「あ……あああぁ……」
「ううぅ……」
それを見た周囲の蛮族が、剣や斧を手にして刀也に襲い掛かる。剣が首を、斧が胴を狙って左右から振り抜かれる。
「連携はできるか、頭は動かずとも身体が覚えているようだな」
その攻撃を刀也は身を低くして下から刀を斬り上げて一太刀で両方の武器を上に弾く。そして無防備となったところに横一閃。2体の敵の身体を纏めて斬り裂いた。
「死して使役される戦士ですか……その程度の防衛機構では話になりません」
意思を持たずただ森を守る為の機械のように動く敵に対抗して、絶奈は屍の軍勢を展開する。
「我が軍勢は死して尚、私と共に戦う古強者達なのですから……」
軍勢が一斉に前進し、敵向かって槍衾を作って攻撃を開始する。蛮族は素早くその槍を払い剣や斧で屍兵を斬り倒す。だが屍兵は怯まずに、すぐに槍を向けて傷つけていく。
「うぅ……あああぁ……」
軍勢を崩そうと無手で殴り蹴りと突っ込んだ蛮族が多少傷つこうとも、流れ出る血で己が身を治癒しながら暴れ回る。何体かの屍兵を薙ぎ倒して前に進もう足を踏み出す。だがその手足に屍獣が喰らいつき、動きを鈍らせたところへ胸に槍が突き入れられ、引き抜こうとするが次々と屍兵が迫り串刺しにされ仕留められた。
「敵の生き血には癒しの力が宿っているようですので、其れを利用させて頂きましょう」
屍の軍勢は敵を傷つけるほど返り血を浴び、その血の持つ治癒力を利用して継戦能力を高めた。
「あ……ああっ」
理性を失っている蛮族もまた引く事を知らず、屍の軍勢を正面から打ち破らんと剣で斬り裂き、斧で叩き割る。そうして血みどろの戦場が広がっていった。
「きゃー! いたた……草に足とられてこけてしまいました」
敵の動きに集中し過ぎて、生い茂る雑草に足を取られたハルアが転び、恥ずかしそうに起き上がってスカートに付いた草を叩いた。
「うぅうう…………」
そこへ近づいた蛮族が斧を振り下ろそうとする。だがその腕にハルアの翼に巻き付いていた鎖が伸びて巻き付き、振り下ろせないように拘束していた。
「草には注意を払ってませんでしたが、あなた達のことはちゃんと見ています」
鎖の先端の刃が蛮族の身体に突き刺さり、傷口から身体を痺れさせて動けなくさせた。
「ああぅうう……」
「うぅあおおお……」
しかし一体倒れようとも次々と蛮族が現れて、剣や斧を手に飛び掛かってくる。
「囲まれたらピンチですね……森ですからいっぱいある木を盾にしましょう!」
周囲を見渡し木の陰にハルアが隠れると、その木にざっくりと刃が食い込む。さらに斧も叩き込まれ、メキメキと木が音を立てて倒れた。
「きゃっ、木の陰も安全というわけではありませんね」
ハルアは飛び出して近くの大きな木に向かって駆け出す。
「さっきみたいにこけないよう気をつけなくちゃ!」
足元に注意しながら木の陰に姿を隠す。
「ああ……ぅぅ……」
その木も切断しようと蛮族が斧を振りかぶる。だがそこへ草木に紛れるように近づいた鎖が放たれ、先端の刃が手足に突き刺さった。すると蛮族は斧を落とし、麻痺して動けなくなる。
「木を伐ろうとするときは大振りで隙だらけです。その隙をついて戦闘力を奪っていきましょう」
ハルアは身を守りながら、鎖を使って敵の死角を突いて近づかせないように牽制していった。
●救いの刃
「あああああぁ……」
蛮族達は武器を手に暴れ回り、手足が捥げようとも攻撃を続ける。狂戦士のような攻勢に屍の軍勢の陣形が崩された。
「特攻ですか。しかし意思を伴わぬのでは唯の悪足掻きです。強き意思によって統一されて初めて怖れを抱く攻撃となるのです」
その敵の動きを絶奈は観察し、問題ないと軍勢を引かせる。それを追って敵が進むと、絶奈が仕掛けておいたワイヤートラップに引っ掛かった。足が切断されたり傷ついて動きが鈍る。
「今です。蹂躙しなさい」
そこへ屍の軍勢が取って返し、屍獣が飛び掛かって押し倒し、兵が槍を突き立てる。
「これが一つの意思によって統一された集団の力です。元は貴方方も持っていたのでしょうが、魂を失い抜け殻となってしまっては如何なる力も真価を発揮できません。それがこの防衛機構の限界となっているのです」
屍の軍勢と蛮族達の戦いは個では蛮族が勝っているが、群としては屍達が圧倒していた。
「このまま一気に押し切ってしまいましょう」
屍の軍勢が蛮族達の勢いを削ぎ、侵食するようにどんどん打ち倒していった。
「魂は救えずとも……その身に降りかかった呪いは斬り伏せよう」
その流れに乗って清綱も駆け出し、刀身が淡く輝くほどの破魔の力を宿した刀で蛮族に向かって斬り掛かる。
「うぁあうう……」
それを蛮族は剣で受け止めた。だが清綱は刀を滑らせるように手首を斬り落とすと、剣を失って無防備となった敵の首を刎ね飛ばす。蛮族は力尽きたように倒れた。
「お、おおおああああっ」
叫びながら蛮族が拳を振り抜く。それを清綱は刀で受け止めた。強い衝撃に体が吹き飛びそうになる。しかし腰を落としてそれに耐え凌ぎ、逆に押して体勢を崩すと、大上段に構えた刀を振り下ろす。刃は敵を真っ二つにして両断した。
「兵ならば剣に敗れ果てるは無念ではあるまい。拙者の刀で成仏するがいい」
次々と襲い来る蛮族に、清綱は真っ向から刀を合わせ、一歩も引かずに打ち勝っていく。力尽き倒れていく蛮族はどこか満足そうに見えた。
「遠慮は無用だ。掛かって来い!」
清綱が刀を振るうたびに蛮族の身体を断たれ、その身体は返り血で真っ赤に染まっていた。
「あぅ……ああ」
負傷した仲間の元へ蛮族が近づき、己の血を与えて傷を癒そうとする。
「回復はさせません!」
そこへ木の陰に潜んでいたハルアが放った2本の鎖が、2体の蛮族の身体をぐるぐる巻きにして捕えた。
「かか、覚悟してください!」
緊張しながらもハルアがユーベルコードを発動し、鎖が鳥の羽根のような、刃を備えた白い刃鳥花の花びらへと姿を変えていく。花びらが舞い飛んで2体の敵を包み込むと、その身体をズダズダに切り裂いた。血塗れになりながらも、蛮族がまだ剣を構えようとする。そこへもう一人に巻き付いていた鎖も時間差で花びらへと変化した。視界を白く覆われ、そのまま身体を真っ赤に染めて蛮族は血の海に沈んだ。
「あと少しですね。このままやっつけちゃいましょう!」
仲間を援護するように、ハルアは鎖を敵に向けて注意を引き付ける。
「数を減らして敵も陣を乱しているな」
ならばここが攻め時だと、巽も仲間に合わせて打って出る。
「乱戦ならば斬る隙はいくらでもある」
ハルアの相手をして意識が逸れている敵の死角へ回り込んで、巽は背中から心臓を一突きする。蛮族は口から血を流し、刃が抜かれると胸から血を噴き出して崩れ落ちた。
「あ……ああぅおおお……」
仲間が倒され巽に気付いた蛮族が拳で殴り掛かってくる。
「まともに受けるのは危険か」
巽は刀で拳を受け流し、敵の腹を蹴って押し戻した。そして刀の間合いにすると一閃して切っ先が喉を掻き切った。
「さあ次は誰だ。ここがお主達の死に場所だ。存分に武勇を振るうがいい」
「お……おおおおおおおお!」
巽の言葉に蛮族達が咆え、一斉に遅い掛かってきた。巽は攻撃を刀で受け、敵の首を裂き、胸を貫く。致命傷を狙う一撃が蛮族達を返り討ちにし、屍で辺りを埋めていった。
「ああぁ……うぅあああああっ」
数を大きく減らし残った蛮族達が一気に押し寄せ、体ごとぶつかるような勢いで突っ込んで来る。
「決死の突撃か、数で押すつもりか」
何体もの敵を斬り捨てながらも、冷静に刀也は敵の動きを読み、仲間が相手をする敵を判別し、自分が処理するべき相手は2体だと判断する。
「悪くはない……が、判断が遅かったな」
拳を打ち放つ敵の攻撃を上体を捻って躱した刀也は、カウンターで雷光のように零距離から目にも留まらぬ突きを放ち、切っ先を胸に突き入れる。刃は胸を容易く貫き背中から突き出た。口から血の泡を吹き、蛮族は力尽きて崩れ落ちた。そして振り向きながら引き抜いた刀で、背後から斬り掛かってきたもう一体の敵の剣を受け止めた。
「う……おおぉおおっ」
その一撃は重く、人を断ち切るに十分な膂力を持っていた。
「元々は名のある戦士だったのかもしれんが、今はここの走狗と化しているか。これ以上こんな姿を見せたくはないだろう。今楽にしてやる」
頭をかち割らんと押し込まれる剣を刀也は刀に角度をつけて受け流し、勢い余って敵が前屈みになったところへ、刀を首筋へと振り下ろした。ばっさりと断たれた首がごろんと地面を転がり、虚ろな眼に太陽の光が反射して意思が宿ったように見える。
「あ……り………が…………」
口が何か言おうと動き、空を見上げたまま永久の眠りについた。
周りを見れば他の蛮族達も倒れ、戦いは決着を迎えていた。
●戦士への祈り
「……もう、この森を守らなくても大丈夫ですからね」
胸の前で手を組んだハルアは魔の森に利用された彼らを想って祈り、その口からは死者を悼む美しくも物悲しい歌が紡がれる。
「……さらばだ」
その隣で清綱もまた目を閉じ、呪いによって森に縛り付けられていた戦士達に祈りを捧げた。
「出来れば戦いの中で死にたいものだな」
死体を見下ろした巽は、魂を喰われて身体を利用された戦士達を憐れに思う。
「こいつらの無念は俺達がこの呪いの森を攻略することで晴らしてやろう」
魂を喰らう森など放っておけば被害が増えるばかりだ。刀也はボス格の森の番人をさっさと倒さなくてはと辺りを見回した。すると大きな足音が地響きのように森を揺らした。
「どうやら敵が此方に気付いたようですね。この辺りを支配する森の番人が近づいています」
音のした方へ絶奈が視線を向けると、木々が倒れて巨大なドラゴンが姿を現した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『呪骨竜アンフェール』
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POW : ソウルプリズナー
【魂を囚われた勇者】の霊を召喚する。これは【武器】や【魔法】で攻撃する能力を持つ。
SPD : イーヴィルアイ
【魔眼から放たれる怪光線】が命中した対象を爆破し、更に互いを【魂を縛る呪詛の鎖】で繋ぐ。
WIZ : ミアズマブレス
【呪詛】を籠めた【ブレス】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【魂】のみを攻撃する。
イラスト:小日向 マキナ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「セシリア・サヴェージ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●呪いのドラゴン
ズシン、ズシンとドラゴンが歩く度に地が揺れる。
ドラゴンの身体には肉が無く、骨が剥き出しとなっていた。そしてその周囲の草木が枯れ落ち、倒された木々もまるで何年も前に倒木したように朽ち果てていた。
「ギャォオオオオオオオオオ!!」
呪詛を司るドラゴン『呪骨竜アンフェール』が咆哮する。口から禍々しい青白いブレスが放たれ、それに触れた木々は纏めて生気を失って枯れ果てた。魂が喰い尽くされ生命力を失ってしまったのだ。
草木が枯れると視界が通り、ギロリとドラゴンの目が猟兵を捉える。そして極上の獲物を見つけたように甲高く咆えた。
「ギャアアォーーーッ!」
するとドラゴンの前に先ほど倒した蛮族の戦士と同じ、否、先ほどの蛮族よりも大きく雄々しい、大剣を担いだ蛮族の勇者の霊を召喚した。
「ギャオオオオオオ!!」
戦闘態勢を整えたドラゴンは高純度な魂を求めて猟兵へと襲い掛かる。
ドラゴンの攻撃は生物の魂を啜り、魂を失った身体は森の番人へと変えられてしまう。それに対抗するには先程のお祭り騒ぎの楽しい思い出を心に強く念じる事が必要だ。
猟兵達は祭りで楽しく飲んで食べ、賑やかに歌い踊った記憶を思い出して、恐るべき魂を喰らうドラゴンへと戦いを挑む。
御剣・刀也
骨の竜か
まぁ、竜である以上、その骨は想像以上に固いんだろうな
俺の剣とお前の体、どっちが固いか、いざ勝負!
ソウルプリズナーで勇者を召喚されたら、武器で攻撃してくるなら第六感、見切り、残像で避けるか、武器受けで攻撃をいなし、勇気とダッシュで近づいて竜を捨て身の一撃で斬り捨てる
魔法なら第六感、見切り、残像で避けて勇気とダッシュで距離を詰めて捨て身の一撃で竜を斬り捨てる
呼び出された霊は邪魔でないなら無視。邪魔になるなら斬り捨てて、竜を攻撃する
「なんだ、竜っていうからどれほどかと思えば、他人の力を借りなきゃ闘えない雑魚か?戦場では俺は死人。死人は死を恐れない。来いよ。三下。格の違いを教えてやる」
ハルア・ガーラント
ひっ、大きい……そ、そうだ、宴のことを思い出そう。
【WIZ行動】
距離を取って戦闘。[銀曜銃]に[マヒ攻撃]を込めて攻撃。翼膜などの攻撃が通りそうな部位を狙い、マヒを蓄積させます。敵の攻撃は原則空中に位置取り回避しやすく。避けきれないものは[オーラ防御]。勇者の霊がフリーになるなら、怖いですが引き受けます!
味方が本格的に戦闘を始めたらUC発動。
皆さん、やっちゃいましょう!
敵のブレスは歌で効果の上がった[オーラ防御]を前面に張り防ぎます。皆と色々飲み食いしたこと、とても楽しかったから……こんなブレスに負けません!
核……は、食べたいとは思わないなぁ……皆さんはどうしますか?
連携・アドリブ歓迎です!
樫倉・巽
竜か、元より相手をしたかった相手だ
気持ちも高ぶると言うもの
約束通り勝利を友に分かち合うために
死力を尽くして戦うとしよう
大きな敵なら足下を攻め
動きを鈍らせてから一気に仕掛け
急所を狙う
まずは距離を取り
相手の攻撃を見極める
相手の癖を掴んだら
わざと隙を見せ大振りの攻撃を誘う
相手の隙を突けたら一気に近寄り
敵の間合いの内側に入ろうとする
上手く間合いに入れたらアキレス腱のあたりを狙い動きを止めようとする
相手の死角にまわり片足を狙い続け
相手がバランスを崩したら相手の体を駆け上がりながら刀を振り上げ一気に喉を狙う
そのまま飛び上がり上体を捻りながら落下しながら刀を振り下ろし
竜の長い首を狙う
「月見酒と行こうか」
愛久山・清綱
魂を喰らう一撃から逃れる術は、強き魂が必要……か。
なれば、あの祈りをもう一度捧げるのだ。
武神よ、我等に力を……魔を振り払う力を、我等に!!
■闘
天に叫ぶと同時に秘儀【神宿】を発動。
代償は【呪詛耐性】【激痛耐性】【毒耐性】で我慢だ。
戦闘の際は、常に『眼』を注視しよう。
眼から光線が放たれる瞬間を【見切り】つつ、【破魔】の力を宿した
『心切』で【武器受け】し、食い止めながら接近を図るのだ。
相手の元までたどり着いたらその細い胴体に狙いを定め、
【破魔】の力を最大限に込めた【鎧無視攻撃】の太刀で
其の身体と呪いを斬り伏せる。
天より授かりし此の力で、大いなる魔を振り払ってみせよう……
※アドリブ・連携歓迎
霧島・絶奈
◆心情
この一戦もまた、多くの者に捧げる『宴』となる事でしょう
其は祝いの様に、呪いの様に人々の耳朶を打つ…
英雄譚とはそう言うものです
◆行動
『暗キ獣』を使用
我が軍勢もまた、共に一時の宴を楽しんだ故に、相手に不足は有りませんよ
軍勢の槍衾による【範囲攻撃】と、屍獣の遊撃による【二回攻撃】を駆使した「鉄床戦術」にて攻撃
私は展開する軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技能を活かし「魔法で起爆する指向性散弾」を複数設置
魂無き道具が相手ではその特異な力も持ち腐れです
設置を進めつつ【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】
負傷は先の宴の楽しさを籠めた【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
●呪いの力と宴の力
「ひっ、大きい……そ、そうだ、宴のことを思い出そう」
恐ろしい骨のドラゴンを間近で見上げたハルアは息を呑み足が止まる。このままでは拙いと楽しかった宴の事を思い出す。皆で笑い合った楽しいひと時。その事を思い浮かべると、心が温まり怯えていた体に活力が宿る。
「大丈夫。私は一人じゃありませんから!」
小さな勇気を胸にハルアは恐怖に抗いドラゴンに挑む。
「でも近づくのはまだ少し怖いですから……」
距離を取るとハルアは白い小型銃を構え、銃口を巨大なドラゴンに向けて引き金を引く。放たれる光弾がドラゴンの翼に当たり、魔力で張られた翼膜に干渉して翼が乱れた。
「ギャオオオオオオ!」
ドラゴンは攻撃してきたハルアを輝く目で見下ろし、大きく口を開いて青白いブレスを放った。
「この距離なら避けられます!」
翼を広げて飛び上がったハルアは、全速で飛翔してブレスを躱し、囮となるように敵の目を引き付けた。
「骨の竜か。まぁ、竜である以上、その骨は想像以上に固いんだろうな」
刀也は刀を構え、斬りがいがあると口元に笑みを浮かべた。
「俺の剣とお前の体、どっちが固いか、いざ勝負!」
そして一気に刀也は駆け出し、敵の懐に入ろうとする。だがそれを妨害しようと、大剣を担いだ蛮族の勇者の霊が立ち塞がった。
「その姿からして、さっきの戦士達の勇者か、なら先に相手をしてやろう」
すぐさま刀也は狙いを変え、勇者と対峙して正眼に構え切っ先を向ける。
『オオオオオッ!!』
勇者が雄叫びを上げて踏み込むと大剣を振り下ろす。暴風のような一撃が脳天から刀也の身体を叩き割り地面にまで食い込んだ。だが勇者は斬った手応えを感じずにすぐに顔を上げて背後へと視線を向ける。斬られた残像が消え、背後に回った刀也が刃を一閃させて勇者の魂を散らし、ドラゴンに向かって駆け出そうとする。だがブレスが壁を作るように吐き出され、刀也の出足を挫いて近づかせない。
「竜か、元より相手をしたかった相手だ。気持ちも昂ると言うもの」
巽はドラゴンを見ても臆さず、逆に闘志を高めて前に踏み出す。
「約束通り勝利を友に分かち合うために、死力を尽くして戦うとしよう」
ブレスを避けるように回り込みながら接近を試みる。だがその行く手にゆらりと空間が揺らめき勇者の霊が復活した。
「竜の力で召喚されているのなら、竜を倒さぬ限り幾らでも呼び戻せるというわけか」
勇者が振り抜く大剣を巽は飛び退いて躱す。遅れて来る風圧が巽の動きを止めた。そこへ勇者は大剣を軽々と操り、連続で斬撃を浴びせる。
「勇者と呼ばれるだけのことはある。先ほどの戦士達よりも遥かに格上だ」
その斬撃を受け流し、巽は押されるように防戦一方で後退していく。
「ウオオオオオッ!!」
そのまま押し切らんと跳躍した勇者が飛び掛かり大剣を振り下ろす。
「大振りになったな」
後ろに下がっていた巽が一転して前に踏み出し、上から襲い来る敵の背後を取った。
「オオオオッ!」
振り向きながら勇者が大剣を薙ぎ払うが、身を低くした巽はその刃を掻い潜り、刀を勇者の胸に突き入れた。心臓への致命的な一撃を受けて魂がまた吹き飛び姿を保てなくなって消え去った。
「ギャオオオゥッ!」
ドラゴンは猟兵達の魂を喰らおうと、その眼に呪いの宿し輝かせる。普通の人ならばそれを見ただけで魂が抜かれるような力がある。
「魂を喰らう一撃から逃れる術は、強き魂が必要……か。なれば、あの祈りをもう一度捧げよう」
その呪いに対抗するように清綱は天に刀を掲げる。
「武神よ、我等に力を……魔を振り払う力を、我等に!!」
天に叫び邪悪な力を退ける剣神・鍛冶神・蛇神の三柱の神の御霊をその身に宿した。余りに強力な力を身に宿す代償に、体中に激痛が走る。だがそれを堪え、清綱は敵に向かい対峙する。
「ギャォッ!」
正面からドラゴンと眼が合う。その瞬間、魔眼から光が放たれ、光線が清綱へと届く。
「見えた!」
強化された清綱の肉体はその瞬きする間に届く光線を捉え、掲げていた刀を振り下ろす。刃は光線を捉え、両断して切り払った。光は左右に別れて背後で爆発する。
「呪い共々斬り伏せる」
駆け出した清綱は懐へと入り込むと、横一閃。胴の細い骨を切り裂く。刃は中ほどまで食い込み、骨に深い傷を入れた。
「ギャアアアォオオオオッ!」
叫んだドラゴンが身を捻って長い尻尾で薙ぎ払う。それを清綱は刀で受けるが、押さえ切れぬとみて、自ら跳んで衝撃を逃すように吹き飛ばされた。
「この一戦もまた、多くの者に捧げる『宴』となる事でしょう」
絶奈は屍の軍勢を率いてドラゴンの前に立つ。
「其は祝いの様に、呪いの様に人々の耳朶を打つ……英雄譚とはそう言うものです」
宴の始まりだと上げた手を振り下ろす。すると一斉に軍勢が動き出し、ドラゴン退治に殺到した。その中でも足の速い屍獣達が先んじて飛び掛かる。
「ギャアアアッ!」
対してドラゴンはまた尻尾を薙ぎ払って屍の獣を纏めて吹き飛ばした。だが何匹かの獣はそのまま尻尾に取り付き、牙を突き立て骨を砕こうとする。ドラゴンは尻尾を地面に叩きつけ、しぶとく喰らいつく屍獣を叩き潰した。
「我が軍勢もまた、共に一時の宴を楽しんだ故に、相手に不足は有りませんよ」
屍獣に注意が向かっている間に、屍兵が前進し槍衾によって一気に攻撃を仕掛ける。穂先をドラゴンに突き入れ、足や胴を傷だらけにしていく。
「ギャオオオオッ!」
ドラゴンが軍勢を見下ろして青白いブレスを撒き散らす。屍兵達に外傷は無いが直撃を受けたものは魂を喰われて抜け殻のように崩れ落ちていった。しかしブレスを吐いている間に、屍獣の部隊が敵後方へ回り込み、背後から挟撃を仕掛ける。
「軍勢の槍衾と、屍獣の遊撃による『鉄床戦術』です。例えドラゴンであろうとも何時までも耐えられるものではありません」
軍勢が群がりドラゴンを制圧せんとする様を見ながら、絶奈は仕掛けを施す為に軍勢に紛れて姿を消した。
●呪竜討伐
「キャオオオオオゥ!!」
ドラゴンが大きく吠え、顎からブレスを吐き出し群がる屍の軍勢を巻き込み、猟兵達にも向けて辺りを薙ぎ払う。
「ここは私に任せてください!」
その前に割り込んだハルアが両手を広げオーラの障壁を展開してブレスを受け止める。しかしどんどんブレスがオーラを侵食していく。
「皆と色々飲み食いしたこと、とても楽しかったから……こんなブレスに負けません!」
楽しい宴を思い出すと力が漲り、天使言語によって紡ぐ祝福の歌を戦場に響かせる。天より降り注ぐような美しい歌声に、猟兵達の身体に熱が宿りエネルギーが湧き出し、ハルアのオーラも持ち直しブレスを防ぎきった。
「皆さん、やっちゃいましょう!」
今がチャンスとハルアがドラゴンを指さした。すると生み出された好機にすぐさま仲間達が動き出す。
「天より授かりし此の力で、大いなる魔を振り払ってみせよう……」
敵に向かって清綱が一気に間合いを詰める。するとドラゴンは翼で身を守るように己が身体を覆った。
「それで防ぐつもりか、ならばこの心切の切れ味を試させてもらおう」
構わず清綱は翼の上から刀を振るい、魔力で張られた飛膜ごと翼の骨を断ち切った。
「ギャアアォオッ」
悲鳴のような声を上げたドラゴンは、ジロリと清綱を睨みつけて光線を放つ。
「その攻撃は既に見切った」
真っ直ぐに飛んでくるのを予想して身体を逸らすと、光線は掠めて後方の地面を穿った。
「今こそ魂喰らいし森の魔を断つ!」
跳躍した清綱は、刀を振り下ろし、左の翼の根本から叩き斬った。飛膜が消えて翼が地面に落下し、大きく地を揺らした。
「ギャオオオアアアッ!」
悲鳴を上げてドラゴンは尻尾で牽制しながら後退する。そして魔力を高めて霊をまた召喚した。
「召喚術か、だが他の攻撃に比べて時間がかかるようだな」
それが形作る前に清綱はもう一太刀ドラゴンの胴に浴びせ、素早く間合いを離した。
『ヌゥオオオオオオオッ!!』
散っていた勇者の魂が集まって、もう一度人の形を伴って大剣を横薙ぎに振り抜く。それをドラゴンに仕掛けようとしていた刀也が跳躍して躱した。
「蘇ったか、なら何度でも斬り捨ててやる」
頭上から刀を振り下ろす。それを勇者は大剣で受け止め、押し切って両断しようと大剣を薙ぎ払う。
『ヌゥ?!』
当たれば大木でも断ち切るような一撃。だが刀也はその大剣の上に乗って回避していた。
「いい太刀筋だ。生前に立ち合ってみたかったな」
刀也が刀を一閃して勇者の首を刎ねる。そして着地すると切っ先をドラゴンへと向けた。
「なんだ、竜っていうからどれほどかと思えば、他人の力を借りなきゃ闘えない雑魚か? 戦場では俺は死人。死人は死を恐れない。来いよ。三下。格の違いを教えてやる」
強大な呪詛をばら撒くドラゴンを前にしても一歩も怯まず、刀也は駆け出しその首を狙う。
「ギギャアアアアアッ!」
咆えるドラゴンは広範囲にブレスを放つ。刀也はそれを刀で切り裂き前へ前へと進み懐に入った。目の前には胴に深く抉られた傷跡がある。
「食らえ三下。これが本当の闘争だ」
刀也が刀を一閃。振り抜かれた刃は金属のように硬い骨を断ち、傷ついた腰の骨を断ち切った。
「ギャアアアッッ」
悲鳴を上げてドラゴンはブレスを吐き続ける。上半身だけになってもまだ生き汚く動いていた。子供が駄々をこねるように思うがままに暴れ回り、ブレスを吐き光線を放って猟兵を近づかせない。
「アンデッドというものはしぶといものです。徹底的に叩き潰さなくては倒せません」
手のつけようもなく暴れるドラゴンが絶奈の仕掛けた罠を起動させ、指向性散弾に撃ち抜かれる。衝撃に仰け反ると、さらに罠が連動し、次々と散弾が叩き込まれていく。
「魂無き道具が相手ではその特異な力も持ち腐れです」
絶奈は冷静に敵の能力に対応し、魂持たぬ器物の罠でドラゴンを痛めつける。
「ギャオオオォゥッ」
暴れていたドラゴンが動くほどダメージを食らうことに気付いて止まった。その大きな隙に屍の軍勢が襲い掛かる。
「さあ、討ち取りなさい。英雄譚は強大な怪物が倒れて完結するものです」
軍勢はドラゴンに槍を突き刺し、牙を突き立て爪で引き裂く。一手一手は小さなダメージだが、群がり数が揃えばいずれはドラゴンすらも屠る刃となる。
「ギャアアアアオオオゥ!!」
ドラゴンはブレスを放ち、纏わりつく軍勢を退けようとする。
「大丈夫です! 私達には呪いに負けない強い思い出があります!」
そこへハルアがもう一度オーラの壁を展開し、ブレスを受け止める。
「もうこれ以上呪いを振り撒かせはしません!」
強い意思で以ってハルアは銃口から光弾を放つ。光は呪いを打ち破り、ブレスを吹き飛ばした。
「ブレスは私が防いでみせます!」
ハルアが敵の攻撃に備えることで、猟兵達は全力で構成に移る事ができる。ここで決めようと一斉に猟兵達が動き出した。
「邪竜を倒しこの森の呪いを解きます。呪いは転じて人々への祝福となるでしょう」
絶奈は軍勢と共に斬り込む。手にした剣と槍がドラゴンの肋骨を砕き、深々と胸を貫く。軍勢も頭部へと攻撃を仕掛け、片目を抉り頭の角を叩き折った。
「ギャオオオオオオ!」
「楽しい祭りの記憶がある限り、呪いになんて負けません!」
ドラゴンはブレスを撒き散らす。それをハルアがオーラで防ぎ、漏れたものに当たった屍兵も、宴の効果で絶えて攻撃を続けた。
「胴を切断されてもまだ生きているとはな。骨の身体だからか? ならば次は首でも落とすか」
清綱は大きく踏み込むと、刀を一振り横に薙いだ。刃は首を狙うが、ドラゴンは咄嗟に右翼を盾にして割り込ませた。刃は右翼の骨を断ち切る。
「翼が邪魔か、ならば先にそちらを斬っておこう」
さらに踏み込みながら返す刀で清綱は右翼の根本から斬り飛ばし、続けて首へと刃を向ける。
「ギャアアアオオオッ!!」
ドラゴンは清綱に至近距離から視線を向け、魔眼から光線が放たれる。咄嗟に清綱は刀を構え、攻撃を受け流したが衝撃に後退させられた。
「どの攻撃もその破壊力は凄まじい。だがその攻撃直後には大きな隙がある」
敵の動きをしっかりと見極めた巽は、一気に駆け出してすれ違いながら刀を振るい、敵の身体に傷を入れる。そして反撃のブレスや光線の攻撃を躱す為に一旦離れ、隙を突いてはまた近づいて攻撃と繰り返し、敵の胴の骨を次々と切断していった。
「ギャォッ!」
ドラゴンは姿勢を崩して前へと倒れ込みそうになり、何とかバランスを取ると反り返るが、もう翼も尻尾も無く、そのままゆっくりと仰向けに倒れ込む。
「ここで仕留める」
その好機を逃すまいと、巽はドラゴンの身体を駆け上がり刀を下から振り上げ、喉を切り裂く。
「その首貰った」
そのまま勢いよく飛び上がると、今度は上体を捻りながら落下して刀に体重を乗せるように振り下ろした。硬い手応えが手に伝わり、そのまま押し切って地上に着地する。すると遅れてドラゴンの首がずれ落ち、長い首が落ちてきた。
「ギャオオオ!」
だが頭部だけになってもドラゴンはまだ眼を輝かせて咆え、落下しながら目から光線を放って辺りを破壊する。
「首だけになってもまだ動けるのか。ならその頭を叩き割ってやる」
その下で待ち構えた刀也が、光線を刀で受け流し、下から空に弧を描くように刀を振るう。刃が真っ直ぐに捉えるとドラゴンの頭部が真っ二つに両断され、中からぽろりと球体の物が零れ落ちた。それはこの魂喰らいの森を維持する核(コア)だった。
力の源を失ったドラゴンは力を失い、骨はバラバラに砕け塵となって消え失せた。
●宴の続き
核を失った森は、草木が枯れ果てて倒れ、あっという間に朽ち土に戻ってしまう。そこに住まう動物や虫も同じように消え失せ、生い茂る森は何もない平野へと変わり果てた。これでこの辺りを橋頭堡として使用できるようになり、猟兵達は目的を果たした。
「これが核か、見た目ではそれほど高価とは思えないが、希少価値があるんだろうな」
核を拾い上げた刀也はまじまじとそれを見分する。見た感じではそれほど高値が付くものとは思えない。だがこの恐ろしい魔の森でしか手に入らないならば価値が付くのも納得はできた。
「核……は、食べたいとは思わないなぁ……皆さんはどうしますか?」
あの骨のドラゴンから出た物だと思うと、あまり食欲が湧くような物ではないとハルアが仲間を見渡す。
「売り払ってしまえばいいのではないか? 好事家が高く買ってくれるだろう」
清綱もあまり興味がないと刀を納めながら意見を述べた。
「そうですね。売ったお金でまた宴をするのも良いかもしれません。今度は勝利の宴ですね」
絶奈がその意見に賛同し、微笑みを浮かべて宴の続きをしようと提案する。
「それはいいな。皆で月見酒と行こうか」
巽が空を見上げると、日は赤みを帯びてすっかりと落ちかけていて、薄っすらと月が浮かんでいた。
ならばまた存分に食べて飲み、歌い踊る楽しい時間を共に過ごそうと、猟兵達は笑顔で宴の準備を始めた。
空に星が輝く下で、たき火が爛々と灯る。寒さも忘れるように夜遅くまで、橋頭堡には賑やかな祭りの声が響き渡った。
大成功
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